個人

ケネス・アロー

Kenneth J. Arrow

1921年生まれ・2017年没

  • 1972年 経済学賞

何をした人か

市場全体のつり合いを考える一般均衡理論を新しい数学で作り直し、社会の選び方についての定理でも知られるニューヨーク生まれの経済学者です。

受賞理由のやさしい要約

1972年 経済学賞(賞の1/2)

一般均衡理論と厚生経済学への先駆的な貢献が評価されました。1930年代にこの分野の刷新を始めたジョン・ヒックスとの2人での受賞で、アローは1950〜60年代に新しい数学の方法でその流れを発展させました。

同じ年・部門の共同受賞:John R. Hicks(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for their pioneering contributions to general economic equilibrium theory and welfare theory

何を問い直したか

1954年にジェラール・ドブリューと書いた論文のモデルは、その後の一般均衡研究の多くの出発点になりました。また、一人ひとりの好みを積み上げて社会全体の望ましさの順位を決めるやり方で、望ましいとされる5つの条件をすべて満たすものは存在しないことを示しました。不確実性を一般均衡の枠組みに取り込む研究も進めました。

私たちの生活や社会とのつながり

授賞理由とは別の方向に広がった研究の多くは、情報を経済のなかでどう扱うかに関わるものでした。1963年の論文などでは、医療や医療保険の市場の特徴を、関係者の間の情報の差から説明しました。米国の医学研究機関の委員会で、抗マラリア薬の経済学についての検討を率いたこともあります。

関連する受賞者・団体

  • アマルティア・セン研究の継承

    アローが1950年代初めに示した、個人の好みを社会の選択にまとめるルールについての不可能性定理は、長いあいだ規範的な経済学の大きな壁とみなされていました。センはアローの不可能性定理を出発点に、個人の権利や人どうしの比較を取り込んでこの分野を広げました。

  • ジョージ・アカロフ編集上の関連

    アローは医療保険の市場の特徴を情報の差から説明し、アカロフも高齢者が個人で医療保険に入りにくい問題を情報の偏りから論じました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Kenneth J. Arrow)
  2. 1972年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
  3. The Prize in Economic Sciences 1998 - Press release (NobelPrize.org)
  4. Kenneth J. Arrow – Facts - NobelPrize.org
  5. The Prize in Economics 1972 - Press release - NobelPrize.org
  6. Kenneth J. Arrow – Biographical - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。