個人
ジョン・エックルス
Sir John Carew Eccles
1903年生まれ・1997年没
何をした人か
神経細胞どうしのつなぎ目であるシナプスで起こる小さな電気の変化を測り、信号の伝わり方を示したメルボルン生まれの生理学者です。
受賞理由のやさしい要約
1963年 生理学・医学賞(賞の1/3)
神経細胞の膜で起こる興奮と抑制に、イオンがどう関わっているかについての発見が評価されました。神経を伝わる信号がナトリウムとカリウムの透過性の変化で生じることを示したアラン・ホジキン、アンドリュー・ハクスリーとの3人での受賞です。エックルスの発見は信号が次の神経細胞に届いたときの電気の変化に関するものです。
同じ年・部門の共同受賞:Alan Hodgkin(未収録)、Andrew Huxley(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries concerning the ionic mechanisms involved in excitation and inhibition in the peripheral and central portions of the nerve cell membrane何が新しかったか
1951年、エックルスらは中枢神経の神経細胞に微小な電極を差し込み、興奮させるシナプスと抑えるシナプスが生む電気の反応を記録しました。興奮と抑制は、細胞膜の電位を反対の向きに動かすイオンの流れにあたることが明らかになりました。一つの神経細胞は多くのシナプスから信号を受け取り、どちらの種類が勝るかで反応が決まります。
私たちの生活や社会とのつながり
1963年の授賞式の演説は、私たちが考え、話し、読む働きは、中枢神経の中の電気信号とシナプスでの応答に支えられていると述べています。エックルスの研究はその後、海馬や小脳など脳の回路の働きを調べる方向へと広がりました。ニュージーランドでは哲学者カール・ポパーと出会い、仮説を大胆に立てて厳しく検証する姿勢を学びました。
関連する受賞者・団体
- サンティアゴ・ラモン・イ・カハール編集上の関連
カハールは神経細胞が一つひとつ独立しており、シナプスが細胞から細胞へ信号を伝えることを示しました。エックルスはそのシナプスで起こる電気の変化を測り、興奮させる型と抑える型のシナプスが膜の電位をどう変えるかを示しました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Sir John Eccles)
- 1963年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Sir John Eccles – Facts - NobelPrize.org
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
- Sir John Eccles – Biographical - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。