個人

ロナルド・コース

Ronald H. Coase

1910年生まれ・2013年没

  • 1991年 経済学賞

何をした人か

取引にかかる費用と財産権に注目し、企業や法のしくみを経済学で説明したロンドン近郊生まれの経済学者です。

受賞理由のやさしい要約

1991年 経済学賞(単独受賞)

取引費用と財産権が、経済の制度の形と働きにとって持つ意味を発見し、明らかにしたことが評価されました。それまでの分析では当然の前提とされてきた制度そのものを、説明の対象にした点が評価の中心です。受賞発表は、彼の考え方が受け入れられるまでには長い時間がかかったと述べています。

公式の受賞理由(英語)
for his discovery and clarification of the significance of transaction costs and property rights for the institutional structure and functioning of the economy

何を問い直したか

それまでの経済学は生産や輸送の費用だけを考え、契約を結んだり実行したり、組織を運営したりする費用を見落としていました。コースは、市場で売り買いするより社内でまとめたほうが安くすむときに企業が生まれる、と説明しました。1960年の論文「社会的費用の問題」では、財産権がはっきりしていて取引の費用がかからなければ、権利が最初にどちらにあっても、資源の使い方は変わらないと論じました。のちに「コースの定理」と呼ばれる考えです。

私たちの生活や社会とのつながり

彼の研究は「法と経済学」という新しい分野が生まれるきっかけとなり、法学や経済史、組織論にも強い影響を与えました。受賞発表の時点で、彼の理論は経済学と法学の研究を最も活発に動かす力の一つとされていました。法律家に対しては、裁判の外で権利をめぐって交渉する過程にも目を向けるよう促しました。

関連する受賞者・団体

  • エリノア・オストロム編集上の関連

    コースは権利の取り決めと交渉から経済の制度を説明し、オストロムは地域の人々が共有の資源を守るルールをつくることを現地調査で示しました。市場でも政府でもない仕組みで資源を扱う方法を考えさせる組み合わせです。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Ronald H. Coase)
  2. 1991年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
  3. The Prize in Economics 1991 - Press release - NobelPrize.org
  4. Ronald H. Coase – Facts - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。