個人

アブドゥルラザク・グルナ

Abdulrazak Gurnah

1948年生まれ

  • 2021年 文学賞

何をした人か

インド洋のザンジバル島で育ち、1960年代の終わりに難民としてイギリスに渡った小説家です。故郷を追われた人の暮らしの断絶が、作品全体を貫くテーマです。

受賞理由のやさしい要約

2021年 文学賞(単独受賞)

文化と大陸のあいだの溝のなかで、植民地主義がもたらしたものと難民の運命を、妥協せず、しかも深い共感をもって掘り下げたことが評価されました。母語はスワヒリ語ですが、亡命先で書き始め、英語を文学の道具にしました。

公式の受賞理由(英語)
for his uncompromising and compassionate penetration of the effects of colonialism and the fate of the refugee in the gulf between cultures and continents

何を描き、何を問い直したか

ヨーロッパの視点から語られがちな植民地の物語をくつがえし、現地の人々の視点を前に出しました。同時に、植民地化される前のアフリカを理想化して懐かしむ見方も避けています。作品のなかでは記憶も名前もアイデンティティも揺れ動き、文化と大陸のはざまに置かれた人々の不安定さが描かれます。

私たちの生活や社会とのつながり

1960年代のザンジバルでアラブ系住民への抑圧と迫害が起き、国を離れざるをえませんでした。その後は、イギリスのケント大学で英文学とポストコロニアル文学の教授を務めました。故郷を離れて生きる人の内面を、統計ではなく一人ひとりの物語として想像する手がかりになる作家です。

関連する受賞者・団体

  • 国連難民高等弁務官事務所編集上の関連

    グルナは1960年代の終わりに難民としてイギリスに渡り、難民の経験を書き続けてきました。世界各地の難民の支援と保護にあたる国際機関の活動と、同じ問いを文学の側から考えられます。

  • ウォーレ・ショインカ編集上の関連

    グルナは大学で、ウォーレ・ショインカらの作家を中心に研究と教育を行いました。作家と、その作品を読み解いた研究者という関係で結べる組み合わせです。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Abdulrazak Gurnah)
  2. 2021年 ノーベル文学賞(NobelPrize.org)
  3. The Nobel Prize in Literature 2021 - Press release - NobelPrize.org
  4. The Nobel Prize in Literature 2021 - Biobibliography - NobelPrize.org
  5. Abdulrazak Gurnah – Facts – 2021 - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。