個人
ピーター・ヒッグス
Peter W. Higgs
1929年生まれ・2024年没
何をした人か
素粒子がなぜ質量をもつのかを説明するしくみを理論で示し、その予言した粒子「ヒッグス粒子」に名を残すイギリスの物理学者です。
受賞理由のやさしい要約
2013年 物理学賞(賞の1/2)
素粒子の質量の起源を理解するしくみを理論的に発見し、それがCERNの大型ハドロン衝突型加速器でのATLASとCMSの実験で確かめられたことが評価されました。1964年に互いに独立して同じ理論を示した、フランソワ・アングレールとの共同受賞です。
同じ年・部門の共同受賞:François Englert(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for the theoretical discovery of a mechanism that contributes to our understanding of the origin of mass of subatomic particles, and which recently was confirmed through the discovery of the predicted fundamental particle, by the ATLAS and CMS experiments at CERN's Large Hadron Collider何が新しかったか
空っぽに見える空間にも目に見えない場が満ちていて、粒子はこの場とふれあうことで質量を得る、という考え方です。この理論は、物質と力の成り立ちを説明する素粒子の「標準模型」の中心的な部分です。2012年7月4日、CERNでそれぞれ約3000人の2つの研究グループが、膨大な衝突の記録からヒッグス粒子を見つけ出しました。
私たちの生活や社会とのつながり
ヒッグス粒子の発見で標準模型の欠けていたピースはそろいましたが、それで宇宙の謎がすべて解けたわけではありません。受賞発表によると、標準模型はニュートリノをほぼ質量のない粒子として扱い、目に見える物質しか説明しません。また、なぞに包まれた暗黒物質を探すことが、CERNでの研究の目標の一つに挙げられていました。
関連する受賞者・団体
- 小柴昌俊編集上の関連
ヒッグスの理論を含む標準模型はニュートリノをほぼ質量のない粒子として扱いますが、スーパーカミオカンデの観測はニュートリノに質量があることを示唆しました。「質量はどこから来るのか」という問いを、別の方向から照らすペアです。
- 南部陽一郎編集上の関連
素粒子に質量を与えたと考えられるヒッグス機構も、自発的対称性の破れの一つです。2008年の受賞解説は、その発見への道筋を描いたのが南部だったと説明しています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Peter Higgs)
- 2013年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
- Peter Higgs – Facts - NobelPrize.org
- The 2013 Nobel Prize in Physics - Press release - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。