個人

南部陽一郎

Yoichiro Nambu

1921年生まれ・2015年没

  • 2008年 物理学賞

何をした人か

超伝導を説明する理論から着想を得て、「自発的対称性の破れ」という考え方を素粒子物理学に持ち込んだ理論物理学者です。

受賞理由のやさしい要約

2008年 物理学賞(賞の1/2)

素粒子の世界で対称性が自発的に破れるしくみを発見したことが評価され、賞の半分を受けました。残りの半分は、対称性の破れの起源を見つけた小林誠と益川敏英が分け合っています。受賞当時はシカゴ大学のエンリコ・フェルミ研究所に所属し、本人によると1970年からアメリカ国籍でした。

同じ年・部門の共同受賞:小林誠、益川敏英

公式の受賞理由(英語)
for the discovery of the mechanism of spontaneous broken symmetry in subatomic physics

何が新しかったか

先端で立てた鉛筆は、どの方向も対等な対称の状態にあります。倒れると一つの方向だけが選ばれて対称性は失われますが、そのかわり安定した状態になります。南部は1960年、法則そのものは対称でも、エネルギーが最も低い状態ではその対称性が表に現れないことがあるという考え方を、素粒子の数学的な記述にまとめました。本人によると、最初の論文は核子の質量やパイ中間子が生まれるしくみへの応用でした。

私たちの生活や社会とのつながり

2008年の受賞解説によると、南部の数学的な道具は標準模型にかかわるすべての理論に行き渡り、強い力の効果の計算にもよく使われています。標準模型は、物質をつくる最小の粒子と自然界の四つの力のうち三つを一つの理論にまとめたものです。素粒子に質量を与えたと多くの物理学者が考えるヒッグス機構も、自発的対称性の破れの一つです。

関連する受賞者・団体

  • 小林誠同じ賞の共同受賞

    2008年の物理学賞をともに受けました。

  • 益川敏英同じ賞の共同受賞

    2008年の物理学賞をともに受けました。

  • 朝永振一郎研究の継承

    南部陽一郎は学生時代に朝永振一郎らのセミナーに通い、朝永のグループに加わって素粒子物理学の研究を始めました。大阪市立大学に職を得たのも朝永の推薦によるものでした。

  • ピーター・ヒッグス編集上の関連

    素粒子に質量を与えたと考えられるヒッグス機構も、自発的対称性の破れの一つです。2008年の受賞解説は、その発見への道筋を描いたのが南部だったと説明しています。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Yoichiro Nambu)
  2. 2008年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
  3. Yoichiro Nambu – Biographical
  4. The 2008 Nobel Prize in Physics - Press release - NobelPrize.org
  5. Yoichiro Nambu – Facts - NobelPrize.org
  6. The Nobel Prize in Physics 2008 - Popular information - NobelPrize.org
  7. The Nobel Prize in Physics 2008 - Presentation Speech - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。