個人
マイブリット・モーセル
May-Britt Moser
1963年生まれ
何をした人か
脳の中で自分の位置を知る手がかりとなる「グリッド細胞」を見つけた、ノルウェーの神経科学者です。
受賞理由のやさしい要約
2014年 生理学・医学賞(賞の1/4)
脳の中で位置を知るしくみをつくる細胞の発見が評価されました。賞の半分はジョン・オキーフに、残り半分は、オスロ大学で出会いのちに夫となったエドバルド・モーセルとマイブリットの2人に贈られました。オキーフは1971年に、ラットが部屋の特定の場所にいるときに働く「場所細胞」を見つけていました。
同じ年・部門の共同受賞:John O'Keefe(未収録)、Edvard I. Moser(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries of cells that constitute a positioning system in the brain何が新しかったか
2人は2005年、ラットの海馬につながる回路を調べるうちに、近くの嗅内皮質で、六角形の格子状に並ぶ地点を通るたびに活動する細胞を見つけました。このグリッド細胞は座標のような目盛りをつくり、頭の向きや部屋の壁を感じ取る細胞とともに、海馬の場所細胞と回路を組んでいることを示しました。
私たちの生活や社会とのつながり
受賞発表によると、脳画像や脳神経外科の患者を対象にした研究から、場所細胞やグリッド細胞が人にもある証拠が得られています。アルツハイマー病では海馬や嗅内皮質が早い段階から影響を受けることが多く、患者は道に迷いがちです。受賞発表は、この発見がそうした空間の記憶が失われるしくみの理解に役立つかもしれないとしています。
関連する受賞者・団体
- サンティアゴ・ラモン・イ・カハール編集上の関連
カハールは、神経系が一つひとつ独立した神経細胞からできていることを示しました。モーセルらは、ある種の神経細胞の集まりが、脳の中で位置を表す座標のような役割を担っていることを見つけました。
- リンダ・バック編集上の関連
バックは、同じ受容体をもつ嗅細胞の信号が脳の同じ場所に集まり、においが脳の中で模様として表されることを示しました。モーセルらは、空間の中の位置が脳の細胞の活動で表されるしくみを示しました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(May-Britt Moser)
- 2014年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- May-Britt Moser – Facts - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2014 - Press release - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。