個人
野依良治
Ryoji Noyori
1938年生まれ
何をした人か
鏡に映したように互いに逆の形をもつ分子のうち、片方だけを作る水素化の触媒を、幅広く使えるものへと発展させた化学者です。
受賞理由のやさしい要約
2001年 化学賞(賞の1/4)
右手と左手のように、鏡に映した関係にある2つの形をもつ分子を「キラル」といいます。キラルな触媒を使い、水素化反応で目的の形の分子だけを生み出す研究が評価されました。ウィリアム・ノールズと賞の半分を分け合い、残り半分は酸化反応の触媒を開発したバリー・シャープレスに贈られました。受賞発表は、触媒の分子1つで、目的の形の分子を何百万個も作り出せると説明しています。
同じ年・部門の共同受賞:William Knowles(未収録)、K. Barry Sharpless(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their work on chirally catalysed hydrogenation reactions何が新しかったか
1980年、野依らは、金属に結びついて触媒の一部となる分子(配位子)のBINAPについて、両方の鏡像体を合成したと発表しました。さらに、より幅広く使える触媒を求めて金属をロジウムからルテニウムに替え、さまざまな種類の分子を水素化できるようにしました。この反応は目的の形を高い割合と収率で生み、工業規模にも拡大できます。
私たちの生活や社会とのつながり
受賞発表は、薬では2つの形の違いが命にかかわることがあり、1960年代のサリドマイドの惨事がその例だと述べています。2001年の解説によると、野依のルテニウムとBINAPの触媒は、抗生物質レボフロキサシンの工業合成の原料づくりに使われています。2001年の解説によると、BINAPは1980年代初めから香料成分メントールの工業合成に使われてきました。
関連する受賞者・団体
- ヤコブス・ファント・ホッフ編集上の関連
2001年の解説は、アラニンを例に、中心の炭素原子に4つの異なる原子団が四面体の角に並ぶことが鏡像の2つの形が生まれる理由だとし、この配置を1874年に見つけた一人としてファント・ホッフを紹介しています。
- 根岸英一編集上の関連
野依良治は金属を含むキラルな触媒、根岸英一はパラジウムを触媒にした炭素どうしの結合で、どちらも受賞時に医薬品などの合成での利用が紹介された方法にかかわりました。金属の触媒で有機分子を狙いどおりに組み立てる研究を、別々の反応で進めた2人です。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Ryoji Noyori)
- 2001年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
- Press release: The 2001 Nobel Prize in Chemistry - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Chemistry 2001 - Popular information - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。