個人
根岸英一
Ei-ichi Negishi
1935年生まれ・2021年没
何をした人か
パラジウムを触媒に炭素原子どうしをつなぐ「根岸反応」を開発した化学者です。中国の長春で生まれた日本国籍の研究者で、受賞時は米国のパデュー大学に所属していました。
受賞理由のやさしい要約
2010年 化学賞(賞の1/3)
有機合成でパラジウムを触媒に使うクロスカップリングの開発が評価され、リチャード・ヘック、鈴木章との3人で受賞しました。受賞発表によると、3人の反応ではパラジウム原子の上で炭素原子どうしが出会い、近づくことで反応が始まります。
同じ年・部門の共同受賞:Richard F. Heck(未収録)、鈴木章
公式の受賞理由(英語)
for palladium-catalyzed cross couplings in organic synthesis何が新しかったか
炭素原子どうしは安定で、なかなか反応しません。以前の方法では炭素を反応しやすくしていましたが、複雑な分子では不要な副産物が多くできました。根岸は1977年、炭素原子を反応しやすくするグリニャール試薬のマグネシウムを、亜鉛に替えた方法を開発しました。亜鉛が炭素原子をパラジウムに渡し、そこで別の炭素原子と結びつきやすくなります。
私たちの生活や社会とのつながり
カリブ海の海綿から見つかり、試験管内でがん細胞の増殖を止めた物質ディスコデルモライドを人工的に作る重要な段階で、根岸の方法が使われました。ただし受賞解説は、これが命を救う薬になるかは将来にならないとわからないとしています。
関連する受賞者・団体
- 鈴木章同じ賞の共同受賞
2010年の化学賞をともに受けました。
- 野依良治編集上の関連
野依良治は金属を含むキラルな触媒、根岸英一はパラジウムを触媒にした炭素どうしの結合で、どちらも受賞時に医薬品などの合成での利用が紹介された方法にかかわりました。金属の触媒で有機分子を狙いどおりに組み立てる研究を、別々の反応で進めた2人です。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Ei-ichi Negishi)
- 2010年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
- Press release: The Nobel Prize in Chemistry 2010 - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Chemistry 2010 - Popular information - NobelPrize.org
- Ei-ichi Negishi – Facts - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。