個人

李遠哲

Yuan T. Lee

1936年生まれ

  • 1986年 化学賞

何をした人か

2本の分子の流れを交差させて化学反応を詳しく調べる方法を発展させた、台湾・新竹生まれの化学者です。

受賞理由のやさしい要約

1986年 化学賞(賞の1/3)

化学反応の素過程の動力学についての貢献が評価されました。交差分子線の方法を発展させたダドリー・ハーシュバック、反応でできたばかりの分子が出す弱い赤外線を測る方法を開発したジョン・ポラニーとの3人での受賞です。受賞発表は、3人の研究が反応動力学という化学の新しい分野の発展に大きな意味をもったと述べています。

同じ年・部門の共同受賞:Dudley R. Herschbach(未収録)、John C. Polanyi(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for their contributions concerning the dynamics of chemical elementary processes

何が新しかったか

気体や液体の中では分子がばらばらの向きと速さで動くため、反応の細部はぼやけてしまいます。李はハーシュバックの研究室で、交差する2本の分子線と動かせる質量分析計を備えた装置の開発を主に担いました。それまでほぼアルカリ金属の反応に限られていた研究を広げ、比較的大きな分子の重要な反応も調べました。

私たちの生活や社会とのつながり

受賞発表は、燃焼化学や大気化学に直接かかわる重要な反応も李が研究してきたと紹介しています。1994年、32年間の米国での研究と教育を経て台湾に戻り、2006年まで中央研究院の院長を務めました。2011年から2014年には国際科学会議(ICSU)の会長も務めています。

関連する受賞者・団体

  • マリー・キュリー編集上の関連

    李遠哲は若いころにキュリー夫人の伝記から強い影響を受け、科学者になると決めたと伝記に記されています。

  • アハメッド・ズウェイル編集上の関連

    李遠哲は交差させた分子線の中で起きる反応を測って化学反応を描き出し、ズウェイルは数フェムト秒の光の閃光を使って反応を描き出しました。化学反応の進み方を、別々の方法で細かく見ようとした2人です。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Yuan T. Lee)
  2. 1986年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Press release: The 1986 Nobel Prize in Chemistry - NobelPrize.org
  4. Yuan T. Lee – Biographical - NobelPrize.org
  5. Yuan T. Lee – Facts - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。