400km²におよぶ遺跡群です。寺院だけでなく、水をあつかう施設や道まで含めて一つの遺産になっています。
UNESCO の説明から
カンボジア北部のシェムリアップ州にあり、およそ400km²に広がります。含まれるのは、たくさんの寺院と、ため池・堤・貯水池・水路といった水をあつかう施設、そして道です。9世紀から15世紀にかけてのクメール王国の、いくつもの都の跡が重なっています。
寺院だけではない
アンコール・ワット、バイヨン、プリヤ・カン、タ・プロームといった寺院がよく知られています。しかし UNESCO が数え上げるのは寺院と水と道です。都をささえた仕組みまで含めて一つの遺産にしている点が、建物だけを選んだ遺産との違いです。いまも園内には村があり、人びとが稲作をしています。
(ii)と(iv) — 受け取って、作り変えて、与えた
(ii)は「価値観の交流」。UNESCO は、アンコールで育ったクメール美術が東南アジアの広い範囲へ深く影響したとします。(iv)は「ある時代を代表する建築や景観の見本」。クメール建築はもともとインド亜大陸の建築から育ち、やがてはっきり別のものになった、と説明されます。受け取って、作り変えて、こんどは自分が影響を与える。法隆寺の(ii)や明治日本の(ii)と、同じ筋で読めます。
(iii) — 残ったのは信仰の建物だけ
(iii)は「文化的伝統や文明の、ある時期を伝える証拠」。UNESCO は、9〜14世紀のクメール王国が東南アジアの政治と文化をつくる役を果たしたとしたうえで、その文明について残っているのは、れんがと石でできた信仰の建物だけだと書きます。何が残らなかったかまで込みで、(iii)の証拠になっています。
(i) — 五百年分のひとそろい
(i)は「人間の創造的才能を表す傑作」。UNESCO は、アンコールが9世紀から14世紀までのクメール美術の全体を表し、疑いようのない傑作をいくつも含むとしています。一つの建物ではなく、五百年分のひとそろいが(i)の対象です。
覚えておきたいこと
- 1992年・カンボジア・文化遺産・登録基準(i)(ii)(iii)(iv)
- およそ400km²。寺院・水をあつかう施設・道を含む
- 9〜14世紀のクメール美術の全体が(i)の対象
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:アンコールの遺跡群の登録範囲に含まれるものは?
- 寺院の建物だけで、周りの土地は含まれない
- 王宮の跡だけが選ばれて含まれている
- 現在の都市の市街地が丸ごと含まれている
- 寺院に加えて、ため池や水路などの水をあつかう施設と道
正解と解説を開く
正解:4.寺院に加えて、ため池や水路などの水をあつかう施設と道
およそ400km²に広がります。都をささえた仕組みまで含めて一つの遺産です。
確認2:アンコールの登録基準(iv)についての説明として正しいものは?
- インドの建築をそのままの形で持ち込んで建て続けた
- 中国の木造建築をもとにして生まれた
- インド亜大陸の建築から育ち、やがてはっきり別のものになった
- ほかのどこからも影響を受けずに独力で生まれた
正解と解説を開く
正解:3.インド亜大陸の建築から育ち、やがてはっきり別のものになった
受け取って、作り変えて、こんどは自分が影響を与える。法隆寺の(ii)や明治日本の(ii)と同じ筋で読めます。
確認3:アンコールの登録基準(iii)で、残っているとされているものは?
- れんがと石でできた信仰の建物
- 木でつくられた王の住まい
- 文字で書かれた法律の記録
- 当時の衣服や道具のひとそろい
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正解:1.れんがと石でできた信仰の建物
9〜14世紀のクメール王国について残っているのはこれだけだ、と書かれています。何が残らなかったかまで込みで(iii)の証拠になっています。
確認4:アンコールの登録基準(i)が対象にしているものは?
- アンコール・ワットという一つの建物だけ
- 9世紀から14世紀までのクメール美術の全体
- 20世紀に行われた修復の技術
- 園内で続いている稲作のやり方
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正解:2.9世紀から14世紀までのクメール美術の全体
一つの建物ではなく、五百年分のひとそろいが(i)の対象です。
参考資料
- UNESCO 世界遺産一覧 668 Angkor(2026-10-03 取得)
- 英語で読んでみよう!日本語訳(3級)第5版。遺産名と掲載ページ46件(2026-10-02 取得)
- 世界遺産検定 受検の目安(2026-10-01 取得)
確認日:2026年10月2日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。