どこにあり、何が登録されたのか — 計画された区域と、計画されなかった区域
エリトリアの首都。海抜2,000 m を超える高原の台地。
| 本体 | 481 ha |
|---|---|
| 緩衝地帯 | 1,203 ha(本体の約2.50倍) |
| 登録 | 2017年、基準 (ii)(iv) |
| dossier | 1550 |
| 保存状況報告 | 2019年・2021年・2023年・2025年 |
何が登録されたか
資産は、1893年と1941年のあいだのさまざまな計画の段階から生じた市の区域を包含し、またアルバテ・アスメラとアッバシャウェルの在来の計画されなかった近隣区域も包含している。
「計画された区域」と「計画されなかった区域」の両方が入っています。
都市計画の章ですが、計画の産物だけが登録されているのではありません。
どういう経緯で建ったか
| 時期 | 何が起きたか |
|---|---|
| 1890年代から | イタリアの植民地権力の軍の前哨地として発展 |
| 1935年より後 | 大規模な建設の計画。当時のイタリアの合理主義の語法を、政府の建物・住宅・商業建築・教会・モスク・シナゴーグ・映画館・ホテルなどに適用 |
| 1893–1941年 | 計画の各段階 |
教会・モスク・シナゴーグが並んでいます。
都市の形
その都市の配置は、主として直交の格子に基づいており、それが後に放射の体系の要素を取り込んだ。
アスマラは異例なほど無傷の人間の尺度を保っており、折衷的で合理主義的な建てられた形、よく定められた開かれた空間、公と私の建物を特徴としている。
「人間の尺度(human scale)」が繰り返し使われる語です。
顕著な普遍的価値 — 分離のために使われた計画
アスマラの都市の姿は、機能と人種の分離の原則に基づく植民地の計画が、象徴の意味と機能の要件を達するために、いかに在地の地理の条件に適用され適応されたかを、際立った仕方で伝えている。
「人種の分離(racial segregation)」が顕著な普遍的価値の中に書かれています。
この町は、エリトリアの人びとの自己決定のための闘いと結びつけられるようになった——その闘いは、彼らの植民地の過去の、有形でありながら例外的な証を抱きしめながら追求された。
「抱きしめながら(whilst embracing)」という書き方です。
二つの基準
| 基準 | 中身 |
|---|---|
| (ii) | アフリカの文脈における計画についての観念の移し替えと物質化の際立った例であり、それらは機能と分離の目的のために使われた。適応は、都市の配置と機能の区分けに、また建築の形に映されている——それらは近代の材料と技術を活かしながらも、在地の形態・建設の方法・材料・技能・労働に依拠し、大きく借りてもいた |
| (iv) | 直交の格子を放射の街路の型と組み合わせ、地形の特徴を取り込む絵画的な要素を伴い、異なる民族と宗教の集団が作る在地の文化の条件を考慮に入れ、人種の分離と機能の組織化を達するために区分けの原則を用いたことによって、20世紀初めの都市計画という新しい学科の発展と、そのイタリアの植民地の課題に仕えるためのアフリカの文脈への適用への、例外的な証をなす |
基準(iv)は「都市計画という新しい学科(the new discipline of urban planning)」と書きます。
20世紀初めには、都市計画が新しい学科だったという前提です。
アスマラの建築は計画を補い、一貫した全体をなしている——折衷主義と合理主義の語法を映しながらも。そして世界でもっとも完全で無傷なモダニズム/合理主義の建築の集成の一つである。
完全性と真正性 — 新築の一時停止が範囲を守った
完全性
意義あるすべての建築の構造物と元の都市の配置が、特徴的な特徴と公共空間のほとんどを含めて、全体として保たれてきた。
遺跡はまた、その歴史・文化・機能・建築の完全性を、その要素が大部分無傷で、概して比較的受け入れられる状態にあるままに保存してきた——ただし少なからぬ数の建物が維持の欠如に苦しんでいる。
| 負の影響 | 中身 |
|---|---|
| 修復 | 古い構造物の、ときおりのふさわしくない修復 |
| 新築 | 20世紀後半の、大きさ・尺度・性格の点でふさわしくない建物の建設 |
二つの措置が完全性を守った
継続する開発の圧力にもかかわらず、2001年以来の市の中心の周りの「歴史的周界」の設定と、市の当局によるこの周界内での新築の一時停止が、遺跡の完全性を保護してきた。
「新築の一時停止(moratorium)」が完全性を守ったと書かれる資産は、これまで読んだ102件でここだけです。
無形の属性も完全性と真正性に入る
何世紀にわたって遺跡の一部に住んできた在地の共同体に結びついた無形の属性の完全性は、文化の継続の過程を通じて維持されてきた——相次ぐ外国の影響の波にもかかわらず、それは近代の国民の意識と国の首都へうまく同化されてきた。
言語・文化の実践・同一性・場所の感覚に表れる在地の無形の属性の真正性は、経済と行政の在来の中心から、植民地の首都を経て、近代アフリカの首都へというアスマラの進化を通じて保たれてきた。
三つの段階が並べて書かれています。
真正性
その後の数十年にわたる気候・文化・経済・政治の条件が、市の建築の要素の芸術・材料・機能の属性の保持を、ほとんど唯一無二の程度の無傷性へと有利に働かせた——それはその建物の建設の歴史についての将来の研究も可能にする。
「将来の研究を可能にする」ことが、真正性の中身として書かれています。
誰が守っているか — 重複を避けることが課題
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 1938年建築規則(Regolamento Edilizio) | カフィエロの計画の時点で発せられた |
| 2001年の新築の一時停止 | — |
| 2015年文化・自然遺産布告 | 個別の指定を通じた法的保護の条件を与える |
法的保護が「個別の指定を通じて」与えられる、という形です。
| 機関 | 役割 |
|---|---|
| アスマラ遺産事業 | 建築許可の発行と、既存の規制に従う維持の作業への許可の付与(公共事業開発局と共に) |
| 公共事業開発局 | 同上 |
まだ策定中のもの
異なる尺度の計画の道具が、アスマラとその環境の法的保護を補い、その実効的な管理を保証するうえで決定的である——都市保全マスタープランと、策定中の関連するアスマラ計画規範・技術規制が、この点で鍵となる道具である。
計画規範と技術規制は「策定中(under development)」です。
どちらも、アスマラの都市と建てられた織物の無傷性、その人間の尺度、モダニズム的でありながらアフリカ的な固有の性格が保存されることを確かにする必要がある——その都市の織物と空間の、先を見越した維持・保全・復旧を優先させながら。
重複を避ける
すでに整っているいくつもの行政・技術の構造と道具を考えると、想定されている管理の枠組みは、既存の経験と構造の上に築かれ、調整と明確な委任を確かにし、重複を避ける必要がある。
「重複を避ける(avoid duplication)」が課題として書かれる資産は、これまで読んだ103件でここだけです。
この章では、管理の機関の数が資産ごとにかなり違いました。
| 遺産 | 機関 |
|---|---|
| 北京中軸線1714 | 19の機関が管理体系に関わる |
| アスマラ1550 | 二つの機関が許可を出す。いくつもの構造と道具があるので重複を避ける |
| ザモシチ564 | 市議会の中で動く特別な部局と地域の機関 |
| アムステルダム1349 | 水平の管理・監視の機関(アムステルダム世界遺産局) |
2級で押さえること
基準(ii)(iv)、本体481 ha・緩衝1,203 ha(約2.50倍)、2017年登録。海抜2,000 m を超える高原の台地。1890年代からイタリアの植民地権力の軍の前哨地として発展し、1935年より後に大規模な建設の計画で当時のイタリアの合理主義の語法が政府の建物・住宅・商業建築・教会・モスク・シナゴーグ・映画館・ホテルに適用された。資産は1893年と1941年のあいだの計画の各段階から生じた区域と、アルバテ・アスメラとアッバシャウェルの在来の「計画されなかった」近隣区域の両方を包含する——計画の産物だけが登録されているのではない。都市の配置は主として直交の格子で、後に放射の体系の要素を取り込んだ。顕著な普遍的価値に「機能と人種の分離の原則に基づく植民地の計画」と書かれ、基準(iv)も「人種の分離と機能の組織化を達するために区分けの原則を用いた」と書く。基準(iv)は都市計画を「20世紀初めの新しい学科」と呼ぶ。「世界でもっとも完全で無傷なモダニズム/合理主義の建築の集成の一つ」。完全性で、2001年以来の「歴史的周界」の設定と、その周界内での新築の一時停止(moratorium)が完全性を保護してきたと書かれる——一時停止が完全性を守ったと書かれるのは102件でここだけ。少なからぬ数の建物が維持の欠如に苦しんでいる。無形の属性の完全性と真正性が、「在来の中心→植民地の首都→近代アフリカの首都」の三段階を通じて維持されたと書かれる。真正性は「将来の研究を可能にする」ほとんど唯一無二の程度の無傷性として書かれる。1938年建築規則・2001年の一時停止・2015年文化自然遺産布告(個別の指定を通じた法的保護)。都市保全マスタープランはあるが、アスマラ計画規範と技術規制は策定中。管理の課題が「調整と明確な委任を確かにし、重複を避ける」こと——重複を避けることが課題として書かれるのは102件でここだけ。保存状況報告が2019年・2021年・2023年・2025年。
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:アスマラの資産に何が含まれるかについて、UNESCO の記述に合うものは?
- 計画の各段階から生じた区域だけ
- 1893年と1941年のあいだの計画の各段階から生じた区域と、アルバテ・アスメラとアッバシャウェルの在来の「計画されなかった」近隣区域の両方
- 在来の計画されなかった近隣区域だけ
- 計画の各段階から生じた区域と在来の計画されなかった近隣区域の両方で、さらに市の外に残る軍の前哨地の跡と、それらを取り囲む周囲の高原の台地も含まれる
正解と解説を開く
正解:2.1893年と1941年のあいだの計画の各段階から生じた区域と、アルバテ・アスメラとアッバシャウェルの在来の「計画されなかった」近隣区域の両方
> 資産は、1893年と1941年のあいだのさまざまな計画の段階から生じた市の区域を包含し、またアルバテ・アスメラとアッバシャウェルの在来の計画されなかった近隣区域も包含している。都市計画の章ですが、計画の産物だけが登録されているのではありません。市の外の区域についての記述はありません。
確認2:アスマラの完全性を保護してきたものとして UNESCO が挙げているのは?
- 2001年以来の市の中心の周りの「歴史的周界」の設定と、その周界内での新築の一時停止
- 都市保全マスタープランの完成
- 完全性を保護してきたものは挙げられていない
- 「歴史的周界」の設定と新築の一時停止、および2015年に完成したアスマラ計画規範と技術規制
正解と解説を開く
正解:1.2001年以来の市の中心の周りの「歴史的周界」の設定と、その周界内での新築の一時停止
> 継続する開発の圧力にもかかわらず、2001年以来の市の中心の周りの「歴史的周界」の設定と、市の当局によるこの周界内での新築の一時停止が、遺跡の完全性を保護してきた。アスマラ計画規範と技術規制は「策定中(under development)」で、完成していません。新築の一時停止が完全性を守ったと書かれる資産は、これまで読んだ102件でここだけです。
確認3:アスマラの基準(iv)が都市計画をどう呼んでいるか、UNESCO の記述に合うものは?
- 古代から続く学問
- 都市計画という語は使われていない
- 20世紀初めの「新しい学科」だが、アフリカでは適用されなかったとされている
- 20世紀初めの「新しい学科(the new discipline)」
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正解:4.20世紀初めの「新しい学科(the new discipline)」
> (iv): ……20世紀初めの都市計画という新しい学科の発展と、そのアフリカの文脈への適用への、例外的な証をなす。「イタリアの植民地の課題に仕える」ための適用として書かれており、適用されなかったとは書かれていません。20世紀初めには都市計画が新しい学科だった、という前提で書かれています。
確認4:アスマラの管理の枠組みについて、UNESCO が課題として書いていることは?
- 新しい管理機関を一から作る必要がある
- 管理の枠組みについての記述は無い
- 既存の経験と構造の上に築かれ、調整と明確な委任を確かにし、重複を避ける必要がある
- 既存の構造の上に築いて重複を避ける必要があり、かつ新しい管理機関を一から作る必要もある
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正解:3.既存の経験と構造の上に築かれ、調整と明確な委任を確かにし、重複を避ける必要がある
> すでに整っているいくつもの行政・技術の構造と道具を考えると、想定されている管理の枠組みは、既存の経験と構造の上に築かれ、調整と明確な委任を確かにし、重複を避ける必要がある。一から作るとは書かれていません。「重複を避ける」が課題として書かれる資産は、これまで読んだ103件でここだけです。
参考資料
確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。