ジェンネの旧市街

登録年
1988年
所在国
マリ
登録区分
文化遺産
地域
アフリカ
登録基準
(iii) (iv)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 四つの考古遺跡と町

マリ。ジェンネ・サークルの首邑で、モプティ(州都)の南西130 km、バマコ(首都)の北東およそ570 km。サハラ以南アフリカでもっとも古い町の一つです。

資産は連続資産で、五つの部分からなります。

構成 中身
四つの考古遺跡 ジェンネ・ジェノ、ハンバルケトロ、カニアナ、トノンバ
現在のジェンネの町の古い織物 48.5 ha を覆い、十の地区に分かれている

この資産は、長年にわたって典型的なアフリカの都市を象徴してきたまとまりである。サハラ以南アフリカにおけるイスラム建築をとくによく代表するものでもある。

いつから

紀元前250年から居住されており、ジェンネは市場の中心となり、サハラ縦断の金交易の重要な結び目になりました。15・16世紀にはイスラムの伝播の中心の一つでした。

1977年・1981年・1996年・1997年の発掘が紀元前3世紀にさかのぼる人類史の並外れた一頁を明かし、イスラム以前の都市構造を証する考古学的なまとまりを明るみに出しました——djenné ferey の円形または矩形の構造の富と、葬送用の壺・土器・石臼・挽き器・金属の鉱滓などの多数の考古遺物です。

一覧に面積が無く、危機遺産である

一覧の面積 Property の行が無い
本文にある面積 現在の町の古い織物が48.5 ha(資産全体ではない。四つの考古遺跡は別)
登録 1988年、基準 (iii)(iv)
推薦書 116rev
構成 連続資産(serial)
危機遺産 2016年から現在まで

ポルト(755)と同じく、一覧に面積の行がありません。さらに本文にある48.5 ha は町の古い織物の面積で、資産全体の面積ではありません。ここを「資産は48.5 ha」と書くと誤りになります。

建築

資産は土の集中的で注目すべき使用——とくにその建築における——で特徴づけられます。記念碑的・宗教的に大きな価値をもつ際立ったモスクがその際立った例です。

町は市民の建造で知られ、垂直性とバットレス(控え壁)という際立った様式と、精巧なファサードをもつ優美な記念碑的住宅を伴います。

基準(iv)によれば、ジェンネの建築はモロッコ建築の影響(1591年)を受け、のちに1862年のトゥクロール帝国によって刻印され、垂直性と、二階建て住宅のファサードを句切るバットレス——その入口にはつねに特別な注意が払われることで特徴づけられます。モスクの再建(1906-1907年)が地域の宗教建築を代表する記念物の創出をもたらしました。

完全性 — 近代材料が美的価値を変えてきた

考古遺跡

四つの登録考古遺跡の遺物は無傷のままとされます(土器片・葬送用の壺・壁の遺構・伝統的な丸い泥煉瓦(djénné ferey)の円形または矩形の住居・小像と泥煉瓦・金属の鉱滓・石臼・挽き器・イスラムの墓地)。

小島が位置する沼地が、相対的な物理的完全性を確かにしているとされます。

しかしながら、これらの登録考古遺跡は浸出・侵食・悪天候によるガリー侵食・そして無統制の都市化といったきわめて深刻な脅威に脆弱である。

町の建築

ジェンネは、その名高いモスクに加えて、厳格な構成の優美な記念碑的住宅をいまも保ちます——ファサードがときにポーチで飾られ、支える柱型を伴い、その中央に「ポティジェ(potige)」——正面扉の位置を示す装飾の文様——がある。

この土の建築——資産を世界遺産リストに登録した基準の一つ——は、数十年にわたってその美的価値を変える改変を受けてきた。

改変
近代材料の導入——すなわちセメント、焼成煉瓦、金属の扉と窓
ファサードの装飾的特徴の消失——ジェンネの土の建築に特徴的なもの

紅河ハニ族棚田群(1111)の真正性の弱点が「伝統的な材料が入手しにくく、コンクリートブロックと瓦に置き換わっている」でした。ジェンネは、それが完全性の節に、「登録の基準の一つが変えられてきた」として書かれています。

真正性 — 技法が同業組合に委ねられている

遺跡の真正性、とくに登録された古い織物の真正性は、ほとんど改変されていない建設材料の使用によって証される——土が全体として特権的な材料である。

建設技法の伝承は、バレイ(Barey)同業組合——代々の石工たち——に委ねられている。

技法の継承先が、固有名で書かれています。

この章と前の章では、技能の継承がたびたび出てきました——カスビの王墓1022(若い教育を受けた人びとを訓練する継続的な必要)、ティムリチ・オヒンガ1450(若い徒弟に伝統的な維持技法を訓練し続けるべき)。ジェンネは、すでに担い手の組織が特定されています。

最後に、精神・知恵・もてなし、そして大モスクを通じて、ジェンネは「敬虔な町」であり、あり続ける。

真正性の節が、この一文で終わります。

誰が守っているか — 法と慣習、そして曖昧な境界

法と慣習の二重

層 中身
法 国家遺産への登録と、その保全のための文化ミッションの創設による法的保護
慣習 大モスク・コーラン学校・聖者の墓が慣習的な保護を受ける——モスクの管理委員会の設置、コーラン学校の協会、そして村長とその評議会および地区長による監督を通じて

バンディアガラ(516)も文化省がバンディアガラ文化ミッションに管理を委任していました。マリの二つの資産で同じ仕組みです。

管理計画と、三つの課題

遺跡は、共同体との協力のもと参加型の取り組みに従って準備された「保全管理計画」を、5年の期間(2008-2012年)について持っている。

期間は2008年から2012年です。バンディアガラ(516)の管理保全計画も2006-2010年でした。マリの二つの資産で、どちらも期限が切れています。

課題 中身
人口と投機 人口の増加と建築の投機で問題が起こりうる
境界 保護区域の境界が曖昧(vague)である。準備中の都市規則がその境界の確定を助け、町の持続的な発展に寄与し、遺産の価値を尊重しうる
資源 文化ミッションは、略奪とその他の文化遺産への脅威に対して資産を統制するために、人的・物的な資源の提供を要する

「保護区域の境界が曖昧」と一次資料が書いています。

この章では境界の書かれ方が多様でした——アレッポ21(緩衝地帯が必要)、ブダペスト400(具体的な地名を挙げて拡張が正当化される)、麗江811(修正の過程にある)。ジェンネは「曖昧」です。

2級で押さえること

連続資産で、四つの考古遺跡+現在の町の古い織物(48.5 ha・十地区)。一覧に面積の行が無い(ポルト755 と同じ)。48.5 ha は町の古い織物の面積で、資産全体ではない——「資産は48.5 ha」と書くと誤りになる。紀元前250年から居住、サハラ縦断の金交易の結び目、15・16世紀にイスラムの伝播の中心。完全性の節に「土の建築——登録の基準の一つ——が数十年にわたって美的価値を変える改変を受けてきた」と書かれ、セメント・焼成煉瓦・金属の扉と窓の導入とファサードの装飾的特徴の消失が挙げられている。真正性は土が特権的な材料であることと、建設技法の伝承がバレイ同業組合(代々の石工)に委ねられていること。節は「ジェンネは『敬虔な町』であり、あり続ける」で終わる。保護区域の境界が「曖昧」と書かれ、管理計画は2008-2012年で期限が切れている(バンディアガラ516 の2006-2010年と同じ)。危機遺産は2016年から。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産が出てくるキーワード

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
イスラム建築モスクが、その資産でどの役を与えられているか「モスクの再建(1906-1907年)」

いまのところ、この遺産が出てくるキーワードは1つです。ゼミの試作46本で数えた話で、公式テキストの分類ではありません。

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。このキーワードの練習では、ほかの参加記事と並べて読みます——同じ論点が、別の資産でどう書かれているかを見るためです。

キーワードで練習する

級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:ジェンネの旧市街の面積について、UNESCO のページの記述に合うものは?

  1. 一覧に48.5 ha と書かれている
  2. 一覧に面積の行が無く、本文の48.5 ha は現在の町の古い織物の面積で資産全体の面積ではない
  3. 一覧と本文がどちらも48.5 ha で一致している
  4. 一覧に面積の行が無く、本文の48.5 ha が四つの考古遺跡を含む資産全体の面積として書かれている
正解と解説を開く

正解:2.一覧に面積の行が無く、本文の48.5 ha は現在の町の古い織物の面積で資産全体の面積ではない

一覧に Property の行がありません(ポルト755 と同じ)。本文にある48.5 ha は「現在のジェンネの町の古い織物」の面積で、四つの考古遺跡(ジェンネ・ジェノ、ハンバルケトロ、カニアナ、トノンバ)は別です。「資産は48.5 ha」と書くと誤りになります。

確認2:ジェンネの旧市街の完全性の節で、土の建築について書かれていることは?

  1. 土の建築は無傷のまま保たれている
  2. 土の建築は真正性の節でのみ扱われている
  3. 登録の基準の一つであるこの土の建築が数十年にわたって改変を受けてきたが、近代材料の導入は食い止められている
  4. 登録の基準の一つであるこの土の建築が、数十年にわたって美的価値を変える改変を受けてきた
正解と解説を開く

正解:4.登録の基準の一つであるこの土の建築が、数十年にわたって美的価値を変える改変を受けてきた

> この土の建築——資産を世界遺産リストに登録した基準の一つ——は、数十年にわたってその美的価値を変える改変を受けてきた。挙げられているのは近代材料の導入(セメント、焼成煉瓦、金属の扉と窓)と、ファサードの装飾的特徴の消失です。食い止められているとは書かれていません。紅河ハニ族棚田群1111 では同じ問題が真正性の節にありました。

確認3:ジェンネの旧市街の真正性で、建設技法の伝承が委ねられているとされる相手は?

  1. 大モスクの管理委員会
  2. ジェンネ文化ミッション
  3. バレイ(Barey)同業組合——代々の石工たち
  4. 村長とその評議会および地区長で、コーラン学校の協会がそれを補助している
正解と解説を開く

正解:3.バレイ(Barey)同業組合——代々の石工たち

> 建設技法の伝承は、バレイ(Barey)同業組合——代々の石工たち——に委ねられている。技法の継承先が固有名で書かれています。モスクの管理委員会・コーラン学校の協会・村長とその評議会と地区長は、大モスク・コーラン学校・聖者の墓の慣習的な保護の担い手として保護管理の節に出てきます。文化ミッションは法的保護のために創設された組織です。

確認4:ジェンネの旧市街の保護管理で、境界について書かれていることは?

  1. 保護区域の境界が曖昧であり、準備中の都市規則がその確定を助けうるとされている
  2. 保護区域の境界は明確に確定されている
  3. 境界の拡張が望ましいとされている
  4. 保護区域の境界が曖昧であるため、都市規則の制定を待たずに暫定の境界が告示されている
正解と解説を開く

正解:1.保護区域の境界が曖昧であり、準備中の都市規則がその確定を助けうるとされている

> 保護区域の境界が曖昧(vague)である。準備中の都市規則がその境界の確定を助け、町の持続的な発展に寄与し、遺産の価値を尊重しうる。暫定の境界の告示についての記述はありません。この章では境界の書かれ方が多様です——アレッポ21 は緩衝地帯が必要、ブダペスト400 は具体的な地名を挙げて拡張が正当化される、麗江811 は修正の過程にある。

参考資料

確認日:2026年10月26日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。