ハ・ロン湾とカット・バ諸島

穏やかな湾にいくつも立ち上がる、緑に覆われた石灰岩の小島と木造の船。
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登録年
1994年
所在国
ベトナム
登録区分
自然遺産
地域
アジア
登録基準
(vii) (viii)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 2023年の拡張で名前が変わった

ベトナム北東部、クアンニン省とハイフォン市。

本体 65,650 ha
緩衝地帯 34,140 ha(本体の約0.52倍)
登録 1994年、基準 (vii)(viii)=2つ
重要な境界の変更 2000年、2023年(原文は `2000,2023` でコンマの後に空白が無い)
dossier 672ter
島と小島 1,133
保存状況報告 21年分(1995-2026年のうち)
ほかの保全の仕組み 1つの仕組み / 1要素——生物圏保存地域(カット・バ)
GIS データ 未受領
ページのタブ `Assistance`(国際援助)がある
`Activities` 3件(世界遺産海洋プログラム/SJ ベトナム世界遺産ワークキャンプ/自然の世界遺産遺跡の管理者のための経営技能プログラム)
訳のある言語 6つ(英・仏・アラビア・中・露・西)。日本語とオランダ語が無い

基準(vii)(viii)の組み合わせは、ナハニ24(4章)・レンソイス1611(30章)・ジャイアンツ・コーズウェイ369(30章)・グランマ889(同じ章)に続いてこれまで読んだ241件で5件目です。

2023年の拡張で名前が変わった

いまの資産名 `Ha Long Bay – Cat Ba Archipelago`
旧名 `Ha Long Bay`(動画の題に残る)
経緯 「国際的には、ハ・ロン湾が1994年と2000年に最初に世界遺産遺跡として認められた。カット・バ諸島は2004年に UNESCO 生物圏保存地域として認められ、2023年の重要な境界の変更を通じて資産に足された」

26章のストラスブール495 も、2017年の拡張で名前が変わり旧名が動画の題に残っていました。672 も同じ型です。

「1994年と2000年に最初に……認められた」という書き方は、二つの年を「最初」とまとめています。一覧は1994年を登録、2000年を重要な境界の変更としているので、一覧と本文の数え方が違います。両方を記録します。

説明文に打ち間違いが二つある

原文のまま 読めること
`a multitude of limestone islands of islets` `of` は `and` のはず。概要は`limestone islands and towering limestone pillars` と書く
`one of the world’s mots important areas` `mots` は `most` のはず。概要は `most important` と書く

どちらも概要では正しい形になっています。説明文にだけ打ち間違いがある例です。綴りを直さず、そのまま引いて「原文のまま」と添えます。

二つの基準 — 中国語の術語で書かれるカルスト

基準 中身
(vii) 「壮観な海岸の景観であり、湿潤熱帯の条件で形づくられた fengcong と fenglin カルストの優れた例である」。「石灰岩のカルストの地形は海によって侵入され、多数の堂々とした石灰岩の塔と、えぐれ(notches)と洞窟を含む岸の侵食の特徴を作った」。カット・バ諸島は「植生のある島々、海の湖、石灰岩の塔の壮観な眺め」を与え、「近づけない荒野の内部」を持つ地域最大の島を含む
(viii) 「海に侵入された塔カルストの地球規模でもっとも広大な例であり、fengcong(円錐の峰の群れ)と fenglin(孤立した塔の特徴)カルストの世界でもっとも重要な区域の一つである」。「沈んだドリーネを占める豊富な湖は fengcong カルストの際立った特徴の一つで、いくつかは潮の影響を受けているように見える」

中国語の術語が使われる

`fengcong`(峰叢)と `fenglin`(峰林)という中国語の術語が、ベトナムの資産の英文のなかで、括弧つきの説明を添えて四度使われます。一次資料がなぜ中国語の術語を使うかは書かれていないので推測せず、括弧の説明ごとそのまま写します。

洞窟が三種類と書かれるが、名前が二通り

どこ 三種類の洞窟
基準(viii)の前半 `remnants of phreatic caves`(飽和帯の洞窟の遺構)/`old karstic foot caves`(古いカルストの足元の洞窟)/`marine notch caves`(海のえぐれの洞窟)
基準(viii)の末尾 `ancient marine notch caves`(古代の海のえぐれの洞窟)/`old karstic foot caves`/`notch caves`(えぐれの洞窟)

同じ基準の文のなかで、同じ「三つの主要な型」が別の名前で二度挙げられます。どちらが正しいとは書かれていないので、両方を記録します。

拡張が何を加えたと書かれるか

カット・バ諸島の追加によって、資産は熱帯カルストの海の浸水の過程のすべての段階と、三つの主要な型の洞窟を含む。

「すべての段階を含む」ことが拡張の意味として書かれます。30章の黄海と渤海湾1606 の「段階に分けた推薦」とは別で、こちらは自然の過程の段階です。

「資産はまた、きわめて大きな規模で、きわめて長い地質の時間にわたるカルストの形成の過程の全範囲を示す」「これは、地球気候の歴史と、複雑な環境におけるカルストの過程の性質の将来の理解のための、唯一無二で広大なデータの貯蔵を与える」とも書かれます。「将来の理解のためのデータの貯蔵」という言い方で、これからの研究のための場所として書かれます。

完全性 — 生き物が基準に入っていないのに詳しく書かれる

境界と緩衝地帯

境界 「資産の際立った景観と地質の価値を十分に守るために必要な主要な要素は境界の内側に含まれる」
大きさ 「資産の規模と区域は、大規模な地形の過程が妨げられずに働くのに十分な完全性を与える」
緩衝地帯 「資産の大部分が大きく広大な緩衝地帯に囲まれており、それが……顕著な普遍的価値の属性を適切に緩衝する」

「資産の大部分が」囲まれていると書かれます。全部ではないことを、語のまま記録します。

人の活動の只中にある

高い観光、海の輸送、漁業、そして生活し商いを営む人びとの日々の活動の区域の内側にあり、資産の登録以来設けられた区域の管理は、完全性への影響を最小にする試みのなかで活動を厳格に規制し統制する。環境の完全性と質を改善する継続する課題がある。

「自然の景観の特徴と、島々、洞窟、グロットのような鍵となる地形の特徴は無傷のままであり、資産は全体として、この区域における人の利用の長い歴史にもかかわらず、高い水準の自然さを保っている」とされます。

生き物が基準に入っていないのに詳しく書かれる

生き物
固有種 ハロンヤシ(Livistona halongensis)/カットバトラヤモリ(Cat Ba Tiger Gecko)
脅威にある種 セマルハコガメ属のリュウキュウヤマガメ類(Keeled Box Turtle)/コツメカワウソ/カモシカ類(Mainland Serow)/キングコブラ
旗艦種 カットバラングール——「絶滅危機にある固有の霊長類で、諸島の旗艦種」。「観光からの妨害、少数の個体による遺伝子の流れの制限、断片化した亜個体群によって影響され続けている」

基準は(vii)(viii)だけで、生物多様性の基準(x)は付いていません。それでも完全性の節は固有種と脅威にある種を名前つきで並べ、カットバラングールの個体群の問題まで書きます。本文に書かれていることと、付いている基準は別です。

同じ章のグランマ889 も、基準(x)が無いのに植物の固有の割合や種数を書いていました。31章の二つで同じことが起きます。

保護管理 — 作業指針の項の番号が引かれ、国立公園の線を世界遺産に合わせる

国内の指定が年を追って並ぶ

対象 年 何になったか
ハ・ロン湾 1962年 国家景勝地
ハ・ロン湾 2009年 特別国家記念物に格上げ
カット・バ諸島 1986年 国立公園
カット・バ諸島 2004年 UNESCO 生物圏保存地域
カット・バ諸島 2010年 海洋保護区
カット・バ諸島 2013年 特別国家記念物
カット・バ諸島 これから 「カット・バ=ロンチャウ海洋保護区に含められるだろう。それは資産の拡張の時点で設立されつつあった」

一つの資産の二つの部分について、国内の指定が年を追って七つ書かれる資産は少数です。

国立公園の線を世界遺産に合わせるよう求められる

さらに効果的な国の保護を確かにするために、カット・バ国立公園の境界はカット・バ諸島世界遺産資産の境界と揃えられるべきである(should be aligned)。

世界遺産の線に国内の制度の線を合わせるよう求められる資産です。

遺産 どちらの線がどちらに合わせるか
ハ・ロン湾とカット・バ672 世界遺産が2023年に広がり、国立公園がこれから合わせるべき
プリトヴィツェ98(同じ章) 国立公園が1997年に広がり、世界遺産が2000年に合わせて、いまは同一
アペニン1692(同じ章) 生物圏保存地域の区分を世界遺産の管理と揃えることが求められる
ドロットニングホルム559(26章) 登録のとき、境界は1935年の国内指定の区域と一致していた
ナハニ24(4章)/エヴァーグレーズ76(33章) 国立公園が広がっても世界遺産の範囲は変わらない

31章の三つで、線の合わせ方が三通り出ます。

作業指針の項の番号が引かれる

資産の境界の内側と越えた開発の事業は、作業指針の第172項に従って注意を要し、緩衝地帯と緩衝地帯に隣接するいかなる関連の事業にも遺産影響評価が求められるだろう。

作業指針の項の番号が本文に引かれる資産は、これまで読んだ241件でここだけです。

真正性の節で作業指針第82項の属性が使われる資産は多いですが、あれは節の書式です。672 の第172項は締約国の義務を定める項として引かれるので、引かれ方が違います。

「遺産影響評価が求められる」範囲が緩衝地帯と、緩衝地帯に隣接する区域の両方だと書かれます。26章のドロットニングホルム559 は遺産影響評価がすでに行われたと書いていました。672 は「求められるだろう」でこれからのことです。

管理が三つの単位に分かれる

部分 管理する単位
ハ・ロン湾 ハ・ロン湾管理委員会が「直接に保護し管理する」
カット・バ諸島 カット・バ国立公園とカット・バ湾管理委員会

「これらの個々の単位の管理と保護における別個の役割は、ベトナムと国際の法の関連の規定に定められている」。「加えて、二つの遺跡の管理委員会のあいだの体系的な調整が整っている」とされます。

「資産の成功した管理の本質的な要素は、クアンニン省とハイフォン市、そして関連の当局の調和した共同の努力を確かにすることである」と書かれます。

計画が三つ名前つきで並ぶ

計画
ハ・ロン湾世界自然遺産の保全、管理、促進のためのマスタープラン —
カット・バ諸島生物圏保存地域包括管理計画 —
カット・バ国立公園の保全、管理、促進のためのマスタープラン —

ほかに「クアンニン省とハイフォン市の規程、マスタープラン、行動計画」(クルーズ船の管理と廃棄物の排出についての規程を例に挙げる)と、「遺産の保存についての地元の共同体のための参加、教育、意識の向上」が挙げられます。

住む人の移転が「相談を続ける」と書かれる

地元の共同体を資産の管理と保護に完全かつ公平に関与させることは不可欠であり、……地元の共同体との適切な相談を続けることが不可欠である——とくに中核区域から移転させられるかもしれない人びとと。

資産の中に住む人について、移転の可能性が書かれる資産は、これまで読んだ241件でここだけです。

遺産 資産の中に住む人 書かれ方
ハ・ロン湾とカット・バ672 「生活し商いを営む人びと」 「中核区域から移転させられるかもしれない人びと」と相談を続けることが不可欠
九寨溝637(同じ章) 約800人(六つの村) 自発的な合意で徐々に減らす
グランマ889(同じ章) 漁の共同体カボ・クルス 資源の利用を監視する
レンソイス1611(30章) 4,000人超 権利が守られる必要がある
ヘーガ・クステン898(30章) 約7,000人 「無視できる影響」

五通りの扱いが並びます。「移転させられるかもしれない」は可能性の形で、決まったこととは書かれていません。書かれていない決定を補いません。

訪問者の収容力が「資産の全体の生態の収容力」と書かれる

開発の事業と観光の水準が資産の全体の生態の収容力(the ecological carrying capacity of the entire property)を超えず、長期において顕著な普遍的価値の維持と両立することを確かにする必要がある。

「生態の収容力」という語が使われる資産は、同じ章のアペニン1692(「収容力」)とこの672 の二つです。

「歩道、階段、遊歩道のような接近の基盤施設の質と公共の安全への注意は高い水準にあり、着実に増える訪問者の数をもって、訪問者の管理の質を維持することが不可欠である」とも書かれます。数は書かれず「着実に増える」とだけ書かれます。

保存状況報告が21年分ある

1995年から2026年のうち21年分で、危機遺産リストに載ったことはありません。30章のカナイマ701 も載ったことがないのに8年分ありました。報告の数の多寡だけで資産の状態を判断しません。

2級で押さえること

本体65,650 ha/緩衝地帯34,140 ha=本体の約0.52倍、1,133の島と小島、1994年登録・重要な境界の変更2000年と2023年(原文は `2000,2023` でコンマの後に空白が無い)、基準(vii)(viii)=2つで241件で5件目、dossier 672ter、保存状況報告21年分(1995-2026年のうち)、生物圏保存地域1要素(カット・バ)、GIS データ未受領、ページのタブに `Assistance` がある、`Activities` 3件(世界遺産海洋プログラム/SJ ベトナム世界遺産ワークキャンプ/自然の世界遺産遺跡の管理者のための経営技能プログラム)、訳のある言語は6つで日本語とオランダ語が無い。2023年の拡張で名前が変わった——いまの資産名は `Ha Long Bay – Cat Ba Archipelago`、旧名 `Ha Long Bay` は動画の題に残る。「国際的には、ハ・ロン湾が1994年と2000年に最初に世界遺産遺跡として認められた。カット・バ諸島は2004年に UNESCO 生物圏保存地域として認められ、2023年の重要な境界の変更を通じて資産に足された」。26章のストラスブール495 と同じ型。「1994年と2000年に最初に……認められた」は二つの年を「最初」とまとめているが、一覧は1994年を登録・2000年を重要な境界の変更とするので、一覧と本文の数え方が違う。両方を記録する。説明文に打ち間違いが二つある——`a multitude of limestone islands of islets`(`of` は `and` のはず)と`one of the world’s mots important areas`(`mots` は `most` のはず)。どちらも概要では正しい形になっているので、説明文にだけ打ち間違いがある。綴りを直さず、そのまま引いて「原文のまま」と添える。基準(vii)は「壮観な海岸の景観であり、湿潤熱帯の条件で形づくられたfengcong と fenglin カルストの優れた例である」「石灰岩のカルストの地形は海によって侵入され、多数の堂々とした石灰岩の塔と、えぐれと洞窟を含む岸の侵食の特徴を作った」。カット・バ諸島は「植生のある島々、海の湖、石灰岩の塔の壮観な眺め」を与え「近づけない荒野の内部」を持つ地域最大の島を含む。基準(viii)は「海に侵入された塔カルストの地球規模でもっとも広大な例」で、「沈んだドリーネを占める豊富な湖は fengcong カルストの際立った特徴の一つで、いくつかは潮の影響を受けているように見える」。中国語の術語が使われる——`fengcong`(峰叢)と `fenglin`(峰林)がベトナムの資産の英文のなかで括弧つきの説明を添えて四度使われる。一次資料がなぜ中国語の術語を使うかは書かれていないので推測せず、括弧の説明ごとそのまま写す。洞窟が三種類と書かれるが、名前が二通り——基準(viii)の前半は `remnants of phreatic caves`/`old karstic foot caves`/`marine notch caves`、末尾は `ancient marine notch caves`/`old karstic foot caves`/`notch caves`。同じ基準の文のなかで同じ「三つの主要な型」が別の名前で二度挙げられるので、どちらが正しいとは書かれていない両方を記録する。拡張が何を加えたか——「カット・バ諸島の追加によって、資産は熱帯カルストの海の浸水の過程のすべての段階と、三つの主要な型の洞窟を含む」。「すべての段階を含む」ことが拡張の意味として書かれ、30章の黄海と渤海湾1606 の「段階に分けた推薦」とは別で、こちらは自然の過程の段階。「資産はまた、きわめて大きな規模で、きわめて長い地質の時間にわたるカルストの形成の過程の全範囲を示す」「これは、地球気候の歴史と、複雑な環境におけるカルストの過程の性質の将来の理解のための、唯一無二で広大なデータの貯蔵を与える」で、これからの研究のための場所として書かれる。緩衝地帯は「資産の大部分が」囲まれていると書かれ、全部ではないことを語のまま記録する。人の活動の只中にある——「高い観光、海の輸送、漁業、そして生活し商いを営む人びとの日々の活動の区域の内側にあり、資産の登録以来設けられた区域の管理は、完全性への影響を最小にする試みのなかで活動を厳格に規制し統制する」「環境の完全性と質を改善する継続する課題がある」「資産は全体として、この区域における人の利用の長い歴史にもかかわらず、高い水準の自然さを保っている」。生き物が基準に入っていないのに詳しく書かれる——固有種はハロンヤシ(Livistona halongensis)とカットバトラヤモリ、脅威にある種はリュウキュウヤマガメ類・コツメカワウソ・カモシカ類・キングコブラ、旗艦種はカットバラングール(「絶滅危機にある固有の霊長類で、諸島の旗艦種」)で「観光からの妨害、少数の個体による遺伝子の流れの制限、断片化した亜個体群によって影響され続けている」。基準は(vii)(viii)だけで(x)は付いていないのに、完全性の節が固有種と脅威にある種を名前つきで並べ個体群の問題まで書くので、本文に書かれていることと付いている基準は別。同じ章のグランマ889 も(x)が無いのに植物の固有の割合や種数を書いていた。国内の指定が年を追って七つ並ぶ——ハ・ロン湾は1962年に国家景勝地、2009年に特別国家記念物に格上げ。カット・バ諸島は1986年に国立公園、2004年に UNESCO 生物圏保存地域、2010年に海洋保護区、2013年に特別国家記念物、そして「カット・バ=ロンチャウ海洋保護区に含められるだろう。それは資産の拡張の時点で設立されつつあった」。国立公園の線を世界遺産に合わせるよう求められる——「さらに効果的な国の保護を確かにするために、カット・バ国立公園の境界はカット・バ諸島世界遺産資産の境界と揃えられるべきである」。同じ章のプリトヴィツェ98 は逆(国立公園が先に広がり世界遺産が合わせて同一)、アペニン1692 は生物圏保存地域の区分を世界遺産の管理と揃えることが求められるので、31章の三つで線の合わせ方が三通り出る。作業指針の項の番号が引かれる——「資産の境界の内側と越えた開発の事業は、作業指針の第172項に従って注意を要し、緩衝地帯と緩衝地帯に隣接するいかなる関連の事業にも遺産影響評価が求められるだろう」。作業指針の項の番号が本文に引かれる資産は241件でここだけ。真正性の節で第82項の属性が使われる資産は多いが、あれは節の書式で、第172項は締約国の義務を定める項として引かれるので引かれ方が違う。遺産影響評価が求められる範囲が「緩衝地帯と、緩衝地帯に隣接する区域」の両方だと書かれ、26章のドロットニングホルム559 はすでに行われたと書いていたので、672 は「求められるだろう」でこれからのこと。管理が三つの単位に分かれる——ハ・ロン湾はハ・ロン湾管理委員会が「直接に保護し管理する」、カット・バ諸島はカット・バ国立公園とカット・バ湾管理委員会。「これらの個々の単位の管理と保護における別個の役割は、ベトナムと国際の法の関連の規定に定められている」「二つの遺跡の管理委員会のあいだの体系的な調整が整っている」「資産の成功した管理の本質的な要素は、クアンニン省とハイフォン市、そして関連の当局の調和した共同の努力を確かにすることである」。計画が三つ名前つきで並ぶ——ハ・ロン湾世界自然遺産の保全、管理、促進のためのマスタープラン/カット・バ諸島生物圏保存地域包括管理計画/カット・バ国立公園の保全、管理、促進のためのマスタープラン。ほかにクアンニン省とハイフォン市の規程(クルーズ船の管理と廃棄物の排出についての規程を例に挙げる)と「遺産の保存についての地元の共同体のための参加、教育、意識の向上」。住む人の移転が「相談を続ける」と書かれる——「地元の共同体との適切な相談を続けることが不可欠である——とくに中核区域から移転させられるかもしれない人びとと」。資産の中に住む人について移転の可能性が書かれる資産は241件でここだけ。九寨溝637(自発的な合意で徐々に減らす)・グランマ889(資源の利用を監視する)・レンソイス1611(権利が守られる必要がある)・ヘーガ・クステン898(「無視できる影響」)とあわせて五通りの扱いが並ぶ。「移転させられるかもしれない」は可能性の形で決まったこととは書かれていないので、書かれていない決定を補わない。訪問者の収容力が「資産の全体の生態の収容力」と書かれる——「開発の事業と観光の水準が資産の全体の生態の収容力を超えず、長期において顕著な普遍的価値の維持と両立することを確かにする必要がある」。「生態の収容力」という語が使われる資産は同じ章のアペニン1692 とこの672 の二つ。「歩道、階段、遊歩道のような接近の基盤施設の質と公共の安全への注意は高い水準にあり、着実に増える訪問者の数をもって、訪問者の管理の質を維持することが不可欠である」で、数は書かれず「着実に増える」とだけ書かれる。保存状況報告が21年分あるのに危機遺産リストに載ったことはない。30章のカナイマ701 も載ったことがないのに8年分あったので、報告の数の多寡だけで資産の状態を判断しない。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産は、準1級のキーワードで3通りに出てきます

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
カルスト地形溶ける岩が、その資産で何をしているか「沈んだドリーネを占める豊富な湖は fengcong カルストの際立った特徴の一つで」
固有の生態系と絶滅危惧種固有と絶滅のおそれは別。数え方の粒度が違う「絶滅危機にある固有の霊長類で、諸島の旗艦種」
観光課題「多い=脅威」の一本道では書かれない「資産の全体の生態の収容力」

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。同じ資産が、キーワードごとに別の一文で引かれます。「この遺産はどのテーマか」ではなく、「このキーワードで読むと、この遺産の何が見えるか」で読みます。

キーワードで練習する

級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:ハ・ロン湾とカット・バ諸島の作業指針について、保護管理の節に書かれているのは?

  1. 開発の事業は作業指針の第172項に従って注意を要する
  2. 作業指針への言及は無い
  3. 真正性の属性が作業指針の第82項に従って八つすべて示されている
  4. 作業指針の第82項に従って、緩衝地帯の設定が免除されている
正解と解説を開く

正解:1.開発の事業は作業指針の第172項に従って注意を要する

作業指針の項の番号が本文に引かれる資産は241件でここだけです。真正性の節で第82項の属性が使われる資産は多いですが、あれは節の書式です。第172項は締約国の義務を定める項として引かれます。

確認2:ハ・ロン湾とカット・バ諸島のカット・バ国立公園の境界について、保護管理の節に書かれているのは?

  1. 国立公園の境界については書かれていない
  2. 世界遺産資産の境界と揃えられるべきである
  3. 世界遺産資産の境界が国立公園の境界に揃えられるべきであると書かれている
  4. 国立公園の境界と世界遺産資産の境界はすでに完全に一致していると書かれている
正解と解説を開く

正解:2.世界遺産資産の境界と揃えられるべきである

世界遺産の線に国内の制度の線を合わせるよう求められる例です。同じ章のプリトヴィツェ98 は逆の向きで、31章の三つで線の合わせ方が三通り出ます。

確認3:ハ・ロン湾とカット・バ諸島の地元の共同体について、保護管理の節に書かれているのは?

  1. 地元の共同体については書かれていない
  2. 中核区域の住民はすべて移転を終えており、いまは無人であると書かれている
  3. 中核区域から移転させられるかもしれない人びとと相談を続けることが不可欠である
  4. 中核区域の住民の権利は「約束の条項」によって公式に認められていると書かれている
正解と解説を開く

正解:3.中核区域から移転させられるかもしれない人びとと相談を続けることが不可欠である

資産の中に住む人について、移転の可能性が書かれる資産は241件でここだけです。「移転させられるかもしれない」は可能性の形で、決まったこととは書かれていません。

確認4:ハ・ロン湾とカット・バ諸島の説明文の打ち間違いとして、概要と比べて読めるのは?

  1. 説明文に打ち間違いは無い
  2. 概要にだけ打ち間違いがあり、説明文はどちらも正しい形になっている
  3. 説明文と概要の両方に同じ打ち間違いがあり、どちらも直されていないので、どちらの節から引いても同じ形になるため節を書き分ける必要が無い
  4. `islands of islets` と `mots important` の二つが、概要では正しい形になっている
正解と解説を開く

正解:4.`islands of islets` と `mots important` の二つが、概要では正しい形になっている

説明文にだけ打ち間違いがある例です。綴りを直さず、そのまま引いて「原文のまま」と添えます。

参考資料

確認日:2026年10月28日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。