カジュラーホの寺院群

登録年
1986年
所在国
インド
登録区分
文化遺産
地域
アジア
登録基準
(i) (iii)

どこにあり、何が登録されたのか — 残っている数が割れている

インド、マディヤ・プラデーシュ州。

登録 1986年、基準 (i)(iii)
一覧の面積 行が無い
緩衝地帯 一覧に数値が無い(保護管理の節に禁止区域・規制区域の記述あり)
dossier 240
連続性資産 はい(Serial: yes)

残っている寺院の数

書かれている場所 数
説明文 「約20の寺院のみ残る」
顕著な普遍的価値 「23の寺院(部分的に発掘された構造物1つを含む)」

説明文が概数なので幅のある書き方ですが、20と23では開きがあります。両方を記録します。

時期と分布

カジュラーホの寺院群は、紀元後10・11世紀にこの地域を支配したチャンデーラ朝の、北インド寺院美術と建築の頂点を証している。 絵のように美しい景観の中の6平方キロメートルの区域に分布し、カジュラーホ寺院群の西・東・南の集まりをなす23の寺院は、ナーガラ様式の寺院建築の独創性と高い質を示す、稀な生き残りの例である。

説明文は「チャンデーラ朝は950年と1050年のあいだにその頂点に達した」と書きます。

建築の形

砂岩で建てられ、各々の寺院は、きわめて装飾的な段状の壇すなわちジャガティによって周囲から高められている。その上に身舎すなわちジャンガーが立ち、その聖室は、ナーガラに独特な型の塔すなわちシカラによって頂かれている。そこでは、聖室の上の主たる尖塔の垂直性が、それに並ぶ一連の小尖塔によって強調され、それぞれが神々の住まいカイラーサ山を象徴している。

「小尖塔のそれぞれがカイラーサ山を象徴する」という読み方です。エローラー243 の16窟(カイラーサ寺院)も同じ山の名を持ちます。

空間の階層

寺院の平面は、軸に沿って並ぶ相互に結ばれた空間の空間的な階層を示している。

順 空間
① アルダマンダパ(装飾的な入口の玄関)
② マンダパ(主たる広間)
③ アンタラーラ(前室)
④ ガルバグリハ(聖室)

寺院の主たる広間は、しばしば張り出した窓を伴う側面の翼廊と、聖室の周りの周回路を伴っていた。より大きな寺院は追加の一対の翼廊を持ち、そのジャガティの四隅に副次の祠を伴っていた。

彫刻 — 聖と俗が同じ面にある

カジュラーホの寺院は、彫刻とその建築との調和した統合によって知られている。すべての面が、聖なる主題と俗なる主題を描く人間形と非人間形のモチーフで豊かに彫られている。

主題の群 中身
聖なる信の体系を映すもの 礼拝の行為、氏族と小神格、結合する男女を描く彫刻
社会生活を映すもの 家庭の場面、師と弟子、踊り手と楽人、愛し合う男女

巨匠の職人たちが達成した構成と精巧さが、カジュラーホの寺院の石の面に、稀な躍動と、人間の感情の温かさへの感受性を与えている。

基準

基準 中身
(i) 唯一無二の芸術的創造を表す。きわめて独創的な建築のゆえにも、多数の遊興の場面の神話的な目録からなる高い質の彫刻装飾のゆえにも。その目録には聖なるとも俗なるとも、さまざまな解釈に開かれた場面が含まれる
(iii) 13世紀初頭のデリー・スルタン朝の成立より前に中インドで栄えたチャンデーラ文化への例外的な証

基準(i)が「さまざまな解釈に開かれた場面」と書いています。

この資産には基準(vi)が付いていません。この章で(vi)が付いていないのは黄山547・カジュラーホ240・ラニ・キ・ヴァヴ922・プレア・ビヒア1224・メルヴ886・アブー・メナー90です。10件のうち6件に(vi)がありません。

完全性と真正性 — 柵で囲い、空港を監視する

完全性 — 三つの群をそれぞれ柵で囲っている

景観の環境の中で寺院を守るため、西・東・南の集まりはそれぞれ柵で囲われており、それによって保護の限界が画されている。これが、かつてチャンデーラ帝国の一部をなしていた集落のはみ出しを抑えている。

「柵で囲って限界を画す」という方法です。

これまで読んだなかで、柵が出てくる資産はもう一つあります——聖ヒラリオン修道院1749(柵で囲われた考古公園の区域に対応する)。

空港が脅威に挙げられている

資産の完全性への同定された潜在的な脅威には、近くのカジュラーホ空港が、起こりうる振動、塵の粒子の量の増加などの形で含まれる。

空港が脅威に挙げられる資産は、これまで読んだ72件でここだけです。

顕著な普遍的価値を長期に保つには、資産のすぐ周りの区域を守り統制し続けること、そして資産の価値・完全性・真正性へのいかなる負の影響も同定して除くため、近くの空港の状況を監視することが必要とされる。

脅威と、長期に必要とされることが対応しています。エローラー243 も同じ書き方でした。

真正性

資産はその立地と環境、形と意匠、材料と実体の点で完全に本物である。その歴史的な立地は変わっていない。 形・意匠・材料は、北インド寺院建築の成熟した形の要素を真正に例証している——サプタラタ平面と、ナーガラ様式に独特なシカラの形との組み合わせを含めて。 絵のように美しい景観に置かれ、これらの寺院はチャンデーラ文化と権力の祝祭を示している。

「完全に本物である(fully authentic)」と書かれる資産は少数です。メルヴ886 は「一般化するのは難しい」、ルアン・パバン479 は「多くの家の真正性の程度は低い」でした。

誰が守っているか — 100 m と 200 m

所有 インド政府
管理 インド考古調査局(ASI)
法 AMASR法(1958年)と規則(1959年)、改正(1992年)、改正・有効化法(2010年)

距離が数字で決まっている

AMASR法はまた、指定された記念物からそれぞれ100 m と 200 m 広がる禁止区域と規制区域を画する。

12章と13章では、資産の外側の距離の取り方がかなり違います。

遺産 距離
バガン1588 100 km × 100 km の保護区域
石窟庵と仏国寺736 境界から500 m の歴史文化環境保護区域
カジュラーホ240 記念物から100 m の禁止区域と200 m の規制区域
ラニ・キ・ヴァヴ922 建築構造の全方向100 m の保護非開発区域
ゴレ島26 大西洋が約4 km の自然の緩衝地帯

接する土地は共同で管理する

記念物に接する土地は、歳入官(すなわち県徴税官、マディヤ・プラデーシュ州政府)とインド考古調査局によって共同で管理され、最終の承認は後者が担う。

「最終の承認はASIが担う」と、決める人がはっきり書かれています。

農村景観は別の仕組みが扱う

上記の保護の指定に加えて、農村景観はナガル・パンチャーヤト(町レベルの統治)によって、遺産地を規制し保護できるマディヤ・プラデーシュ土地開発規則(1984年)を通じて管理される。 マディヤ・プラデーシュ・パンチャーヤティ・ラージヤ法(1993年)第49条第17項は、記念物の保存と維持のための規定を含む。

12章のサーンチー524 とまったく同じ法の組み合わせです。同じ州の資産なので、州の仕組みが共通しています。

毎年決める

インド考古調査局は、同定された必要と調和して資源の配分を見直し、戦略を立てる。介入・研修・研究・普及といった問題は、遺跡の点検と評価に基づいて毎年決められる。これらの行動は運用上の管理の仕組みの不可欠な部分をなし、必要に応じて専門家によって補強される。

「毎年決める」と周期が書かれています。

パンナ生物圏保存地域との重なりも記録されています。

2級で押さえること

基準(i)(iii)で、(vi)が付いていない。連続性資産(Serial: yes)、1986年登録。残っている寺院の数が、説明文「約20」と顕著な普遍的価値「23(部分的に発掘された構造物1つを含む)」で割れている(両方を記録)。チャンデーラ朝(説明文は950年と1050年のあいだに頂点、顕著な普遍的価値は10・11世紀に支配)。6平方キロメートルの区域に、西・東・南の三つの集まり。ナーガラ様式で、ジャガティ(段状の壇)→ジャンガー(身舎)→シカラ(塔)。主たる尖塔の垂直性が並ぶ小尖塔によって強調され、それぞれが神々の住まいカイラーサ山を象徴する。空間はアルダマンダパ→マンダパ→アンタラーラ→ガルバグリハ。すべての面が聖と俗の主題で豊かに彫られ、基準(i)は「さまざまな解釈に開かれた場面」と書く。完全性は、三つの集まりをそれぞれ柵で囲うことで保護の限界を画し、かつてチャンデーラ帝国の一部だった集落のはみ出しを抑えている。潜在的な脅威に「近くのカジュラーホ空港の起こりうる振動と塵の粒子の量の増加」が挙げられている——空港が脅威に挙がるのは72件でここだけ。真正性は「完全に本物である」で、歴史的な立地は変わっていない。AMASR法が、記念物から100 m の禁止区域と200 m の規制区域を画する。記念物に接する土地は歳入官とASIが共同で管理し、最終の承認はASIが担う。介入・研修・研究・普及は毎年決められる。

オリジナル確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:カジュラーホの寺院群に残っている寺院の数について、UNESCO のページの記述に合うものは?

  1. 説明文は「約20」、顕著な普遍的価値は「23(部分的に発掘された構造物1つを含む)」で割れている
  2. 説明文も顕著な普遍的価値も「23」で一致している
  3. 説明文も顕著な普遍的価値も「約20」で一致している
  4. 説明文は「約20」、顕著な普遍的価値は「23」で割れており、一覧は「25」として、合わせて三通りに割れている
正解と解説を開く

正解:1.説明文は「約20」、顕著な普遍的価値は「23(部分的に発掘された構造物1つを含む)」で割れている

説明文は「約20の寺院のみ残る」、顕著な普遍的価値は「23の寺院(部分的に発掘された構造物1つを含む)」です。一覧に寺院の数の記載はありません(`Serial: yes` だけ)。説明文が概数なので幅のある書き方ですが、20と23では開きがあるので両方を記録します。

確認2:カジュラーホの寺院群の完全性の節が、三つの集まりについて書いていることは?

  1. 三つの集まりは一続きの壁で囲われている
  2. それぞれ柵で囲われており、それによって保護の限界が画され、かつてチャンデーラ帝国の一部だった集落のはみ出しを抑えている
  3. 囲いについての記述は無い
  4. それぞれ柵で囲われて保護の限界が画されているが、かつてチャンデーラ帝国の一部だった集落のはみ出しはいまも抑えられていない
正解と解説を開く

正解:2.それぞれ柵で囲われており、それによって保護の限界が画され、かつてチャンデーラ帝国の一部だった集落のはみ出しを抑えている

> 景観の環境の中で寺院を守るため、西・東・南の集まりはそれぞれ柵で囲われており、それによって保護の限界が画されている。これが、かつてチャンデーラ帝国の一部をなしていた集落のはみ出しを抑えている。「抑えている」と現在の効果として書かれています。柵が出てくる資産はほかに聖ヒラリオン修道院1749(柵で囲われた考古公園の区域)があります。

確認3:カジュラーホの寺院群の潜在的な脅威として挙げられているものは?

  1. 地震と洪水
  2. 脅威は挙げられていない
  3. 近くのカジュラーホ空港の振動と塵、および西への都市の拡大による景観の変化
  4. 近くのカジュラーホ空港の、起こりうる振動と塵の粒子の量の増加など
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正解:4.近くのカジュラーホ空港の、起こりうる振動と塵の粒子の量の増加など

> 資産の完全性への同定された潜在的な脅威には、近くのカジュラーホ空港が、起こりうる振動、塵の粒子の量の増加などの形で含まれる。空港が脅威に挙げられるのは、これまで読んだなかでカジュラーホ240 だけです。西への都市の拡大が書かれるのはラニ・キ・ヴァヴ922(パタンの市の西への拡大)です。長期には近くの空港の状況を監視することが必要とされます。

確認4:カジュラーホの寺院群に適用されるAMASR法が画している区域は?

  1. 記念物から500 m の歴史文化環境保護区域
  2. 区域についての記述は無い
  3. 指定された記念物から100 m の禁止区域と200 m の規制区域
  4. 記念物から100 m の禁止区域と200 m の規制区域、および1 km の景観保護区域
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正解:3.指定された記念物から100 m の禁止区域と200 m の規制区域

> AMASR法はまた、指定された記念物からそれぞれ100 m と200 m 広がる禁止区域と規制区域を画する。1 km の景観保護区域についての記述はありません。境界から500 m の歴史文化環境保護区域は12章の石窟庵と仏国寺736 です。ラニ・キ・ヴァヴ922 は建築構造の全方向100 m の保護非開発区域です。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

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