基本を学ぶ
どこにあり、何が登録されたのか — 基準が五つ
北中部太平洋。ハワイ諸島の主要部から北西へ約1,931 kmにわたって延びる、小さく低平な島々と環礁の、孤立した線状のまとまりとその周囲の海です。
| 本体 | 36,207,499 ha(約362,075 km²) |
|---|---|
| 緩衝地帯 | 設定されていない |
| 登録 | 2010年 |
| 基準 | (iii)(vi)(viii)(ix)(x) |
| 区分 | 複合遺産(文化2つ+自然3つ) |
基準が五つ付いています。この章のほかの資産は最大で四つ(カスビの王墓1022)でした。世界最大級の海洋保護区で、陸として出ている部分はわずか14 km²です。
文化の側 — 生きているハワイ文化の宇宙観
手つかずの自然遺産は、生きているネイティブ・ハワイアンの文化に深い宇宙論的・伝統的な意義を持つとされます。
| 意義 |
|---|
| 祖先の環境として |
| 人と自然界との親族関係というハワイの概念の体現として |
| 生命が始まり、死後に霊が帰ると信じられている場所として |
ニホア島とモクマナマナ島に、ヨーロッパ人到来前の居住と利用に関わる考古遺構があります。そこにはパパハナウモクアケアに固有の型の祭祀場——ヘイアウ(heiau)——の大きな一組があり、タヒチ内陸のものに似ています。
マルケサスの似た彫刻と強い関係を示す石像の遺跡とあわせて、ハワイのタヒチとマルケサスへの強い文化的つながりの理解に寄与するとされます。
文化の基準が「3,000年の連続体」の中に置かれている
| 基準 | 対象 |
|---|---|
| (iii) | ニホアとモクマナマナのよく保存されたヘイアウと、それに結びついたいまも生きている伝統。ハワイに固有でありながら、より広い3,000年の太平洋/ポリネシアの marae-ahu 文化連続体の中に位置づけられ、長い移動の時期から生じたハワイ・タヒチ・マルケサス間の強い文化的つながりの例外的な証とされる |
| (vi) | パパハナウモクアケアに結びついた生気に満ちた持続する信仰。太平洋の社会文化的な信仰の進化の型の鍵となる要素として際立った意義を持ち、ポリネシアの「中心」ライアテアに見られるような古代の marae-ahu が果たした鍵となる役割の深い理解を与える |
ハワイ単独ではなく、太平洋全体の文化連続体の中で価値づけられています。
基準(vi)は、自然の豊かさと生と死の聖なる領域との結びつきを讃えるハワイの人びとの生きた伝統が、ニホアとモクマナマナのヘイアウ、そしてその北西の手つかずの島々と直接かつ物として結びついているとしています。
自然の基準 — 固有率と、海鳥の数
| 基準 | 中身 |
|---|---|
| (viii) | ハワイ-天皇ホットスポット列の重要な部分を含み、島のホットスポット進行の際立った例。世界最長かつ最古の火山列の主要部分で、その規模・明瞭さ・直線性は比類がなく、プレートテクトニクスとホットスポットの理解を形づくってきた。地質的価値はハワイ火山国立公園(世界遺産)の価値と直接つながっており、両者で合わせてホットスポット火山活動のきわめて重要な証をなす |
| (ix) | 海面下4,600 m から海面上275 m までの多数の生息地。深海域・海山・沈んだ堆・サンゴ礁・浅い潟・沿岸・砂丘・乾いた草原と低木林・超塩湖。固有率がきわめて高い |
| (x) | 分布がこの地域にほぼ、または完全に限られる多くの絶滅危惧・危急種の生存に不可欠 |
固有率
| 既知の約7,000の海洋種 | 4分の1が固有 |
|---|---|
| 魚類 | 5分の1以上がこの諸島に固有 |
| サンゴ | 固有率40%超 |
多くの種と生息地がまだ詳しく研究されていないため、これらの数は上がる見込みとされます。
孤立・規模・高い保護の度合いによって、サメのような頂点捕食者がいまも優占するサンゴ礁生態系の比類ない例を与えており、これは人の活動によってほかのほとんどの島嶼環境から失われた特徴だとされます。
海鳥
| 営巣 | 年550万羽 |
|---|---|
| 季節的な滞在 | 1,400万羽 |
| 総体として世界最大の熱帯海鳥繁殖地 | |
| コアホウドリ(危急) | 世界の99% |
| クロアシアホウドリ(絶滅危惧) | 世界の98% |
ほかにハワイモンクアザラシ(絶滅寸前)、固有鳥4種(レイサンガモ・レイサンヒワ・ニホアヒワ・ニホアヨシキリ)、絶滅危惧植物6種(オウギヤシなど)。
ほかの多くのサンゴ礁環境に比べれば種の多様性は比較的低いとしつつ、現地での生物多様性保全の価値はきわめて高いと結ばれています。
完全性と真正性 — 境界が海の中にある
完全性
資産の境界はすべて海の中にあるが、それでもなお明確に定義され、海図の上に表示され、広く周知されてきた。
陸の目印がない資産の境界をどう示すかという問題への答えが書かれています。カスビの王墓(1022)が生きた樹皮布の木で境界を標していたのと並べて読めます。
大きさが多様な生息地の型を含むことと生息地の型の高い反復を確かにしているとされます。
過去の利用が一部の陸上環境を改変したが、資産はいまも大部分が自然の状態にある。その自然保護の状態は例外的である。
これは孤立と、100年以上前にさかのぼるものもある管理と保護の努力の組み合わせによるとされます。
文化的属性はすべて境界内にあり、考古遺跡は文化的な要因による撹乱を比較的受けていません。どの属性も深刻な脅威の下にはないとしつつ、いくつかの考古遺跡は植物と野生生物による損傷に対するさらなる保全と保護を必要とするとされます。
真正性
モクマナマナとニホアの祭祀場の独特な配置は、太平洋のほかの似た遺跡と結びついた聖なる宗教的な連想のために、詳細に読み解かれる必要があるとされます。モクマナマナ島の強い精神的・宗教的な連想は生きており今日的であるとされます。
自然の腐朽の過程による損傷と、野生生物による撹乱も、それらの配置と意味を明らかに示す能力を乱しうる。
「意味を示す能力」が真正性の対象になっています。石が残るかではなく、配置が読めるかです。
誰が守っているか — 管轄が複雑
法の層
2009年の大統領宣言によって設けられた高度に保護された区域で、それが既存の州・連邦・国際の法的権限に加わっています。
| 法 |
|---|
| 国の古物法のもとで海洋国家記念物に指定 |
| 国家歴史保護法 |
| 歴史的遺跡法 |
| 考古資源保護法 |
| ネイティブ・ハワイアンの伝統的なプロトコルが資産の物的・無形の文化遺産を守っている |
連邦と州の立法と規制の複数の層が、自然遺産と文化遺産の両方——記念物と景観の両方——を守っているとされます。
管轄の複雑さ
UNESCO は同じことを二度書いています。
複数の管轄が資産の管理のための複雑な制度環境を作り出したが、管理の計画と介入の実践は適切である。(一度目) 複数の管轄が……複雑な制度環境を作り出したが、管理の計画と介入の実践はよく構想されている。(二度目)
管理機関は三つ——米国魚類野生生物局・米国海洋大気庁・ハワイ州土地天然資源局。
資産が直面する脅威に鑑みれば、よく統治された複数機関の関与と参加は強みである——ただしその複雑さが運用能力を損なわないかぎり。
足りない人材
資産の管理において、自然・考古・文化遺産の実効的な技能を確立し維持する必要がある。考古学者/文化遺産の専門家が資産に必要であり、その自然の価値の管理を補完する。
複合遺産でありながら、文化の側の専門家が足りないと書かれています。五つの基準で登録されても、管理の体制はそれに追いついていません。
2級で押さえること
基準が五つ((iii)(vi)(viii)(ix)(x))の複合遺産で、この章で最多(カスビは四つ)。36,207,499 ha で世界最大級の海洋保護区だが、陸はわずか14 km²。文化の価値が3,000年の太平洋/ポリネシアの marae-ahu 文化連続体の中に置かれ、ハワイ・タヒチ・マルケサスのつながりとして価値づけられている。境界はすべて海の中だが、海図に表示され広く周知されている。真正性の対象が配置が意味を明らかに示す能力になっている。管轄が複雑で管理機関は三つ、考古学者/文化遺産の専門家が足りないと書かれている——五つの基準で登録されても管理の体制は追いついていない。固有率は海洋種の4分の1、魚類の5分の1以上、サンゴは40%超。世界最大の熱帯海鳥繁殖地(コアホウドリの99%、クロアシアホウドリの98%)。
準1級
準1級向けに理解を深める
準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。
この遺産が出てくるキーワード
| キーワード | このキーワードで見るもの | 本文の手がかり |
|---|---|---|
| 火山 | 火山が、その資産でどの向きで働いているか | 「世界最長かつ最古の火山列」 |
いまのところ、この遺産が出てくるキーワードは1つです。ゼミの試作46本で数えた話で、公式テキストの分類ではありません。
準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。このキーワードの練習では、ほかの参加記事と並べて読みます——同じ論点が、別の資産でどう書かれているかを見るためです。
キーワードで練習する
級別の確認問題
2級 確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:パパハナウモクアケアの登録基準について正しいものは?
- 自然の基準のみ三つで登録された自然遺産である
- (iii)(vi)(viii)(ix)(x) の五つで、文化2つと自然3つの複合遺産である
- 文化の基準のみ二つで登録された文化遺産である
- 文化の基準2つと自然の基準3つで登録されたが、区分は自然遺産として扱われており、文化の属性は緩衝地帯にある
正解と解説を開く
正解:2.(iii)(vi)(viii)(ix)(x) の五つで、文化2つと自然3つの複合遺産である
基準は(iii)(vi)(viii)(ix)(x) の五つ——文化が(iii)(vi)、自然が(viii)(ix)(x) の複合遺産です。この章のほかの資産は最大で四つ(カスビの王墓1022)でした。本体は36,207,499 ha で世界最大級の海洋保護区ですが、陸として出ている部分はわずか14 km²です。
確認2:パパハナウモクアケアの文化の価値は、どのような枠組みの中で位置づけられているか。
- ハワイ諸島に固有の孤立した文化として
- ヨーロッパ人到来後の接触の歴史の中
- 北中部太平洋の航海術の発展史の中で、ハワイが到達の最終地点であったことを示すものとして
- より広い3,000年の太平洋/ポリネシアの marae-ahu 文化連続体の中
正解と解説を開く
正解:4.より広い3,000年の太平洋/ポリネシアの marae-ahu 文化連続体の中
ニホアとモクマナマナのヘイアウとそれに結びついた生きた伝統はハワイに固有でありながら、より広い3,000年の太平洋/ポリネシアの marae-ahu 文化連続体の中に位置づけられ、長い移動の時期から生じたハワイ・タヒチ・マルケサス間の強い文化的つながりの例外的な証とされます。基準(vi)もポリネシアの「中心」ライアテアの marae-ahu を引き合いに出しています。
確認3:パパハナウモクアケアの完全性で、海の中にある境界について書かれていることは?
- 明確に定義され、海図の上に表示され、広く周知されてきた
- 海の中にあるため明確な定義ができていない
- 周囲の排他的経済水域の境界をそのまま用いている
- 緩衝地帯の設定によって境界が示されており、本体の境界そのものは航行の都合で毎年見直されている
正解と解説を開く
正解:1.明確に定義され、海図の上に表示され、広く周知されてきた
> 資産の境界はすべて海の中にあるが、それでもなお明確に定義され、海図の上に表示され、広く周知されてきた。陸の目印がない資産の境界をどう示すかへの答えです。カスビの王墓1022 が生きた樹皮布の木で境界を標していたのと並べて読めます。なお緩衝地帯は設定されていません。
確認4:パパハナウモクアケアの管理について、UNESCO が「必要である」と書いているものは?
- 管理機関を三つから一つに統合すること
- 緩衝地帯を設定すること
- 自然の価値の管理を補完する、考古学者/文化遺産の専門家
- 複数の管轄を整理して連邦の一機関に管理を集約し、州の関与を解消すること
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正解:3.自然の価値の管理を補完する、考古学者/文化遺産の専門家
> 資産の管理において、自然・考古・文化遺産の実効的な技能を確立し維持する必要がある。考古学者/文化遺産の専門家が資産に必要であり、その自然の価値の管理を補完する。複合遺産でありながら、文化の側の専門家が足りないと書かれています。複数機関の関与は「よく統治されていれば強み」とされており、統合を求める記述はありません。
参考資料
確認日:2026年10月26日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。