どこにあり、何が登録されたのか — 三つの交差路
ヨルダン、マアーン県。紅海と死海のあいだ。
| 本体 | 26,171 ha |
|---|---|
| 緩衝地帯 | 一覧に行が無い |
| 登録 | 1985年、基準 (i)(iii)(iv) |
| dossier | 326 |
境界はペトラ国立公園の境界と一致しています。
先史時代から人が住み、ナバテア人の岩を刻んだ首都は、ヘレニズムとローマの時代に、アラビアの乳香、中国の絹、インドの香辛料の主要な隊商の中心となった——アラビア、エジプト、シリア・フェニキアのあいだの交差路である。
三つの品と三つの地域が対応して書かれています。
| 品 | 産地 |
|---|---|
| 乳香 | アラビア |
| 絹 | 中国 |
| 香辛料 | インド |
ペトラは半ば建てられ、半ば岩に彫られており、通路と峡谷で穴だらけの山々に囲まれている。 巧妙な水管理の体系が、ナバテア、ローマ、ビザンツの時代に、本質的に乾燥した区域の広範な定住を可能にした。
顕著な普遍的価値がどこに宿るか
ペトラの顕著な普遍的価値は、次のものに宿っている。
| ① | 精緻な墓と神殿の建築の広大な広がり |
|---|---|
| ② | 宗教的な高所 |
| ③ | 季節の雨を統制し保存した貯水槽と貯水池の広大な網と組み合わされた、水路・トンネル・分水ダムの遺構 |
| ④ | 銅の採掘を含む広範な考古遺構、神殿、教会、そのほかの公共建築 |
ヘレニズムの建築のファサードと、伝統的なナバテアの岩を刻んだ神殿/墓——カズネ、壺の墓、宮殿の墓、コリント式の墓、デイル(「修道院」)を含む——との融合は、唯一無二の芸術的達成と、紀元前後数世紀の顕著な建築アンサンブルを表している。
三つの基準 — 時代の幅がきわめて広い
基準(i)
東からの主たる入口である自然の曲がりくねった岩の裂け目(シーク)を通って接近される劇的なナバテア/ヘレニズムの岩を刻んだ神殿/墓は、唯一無二の芸術的達成を表している。それらは、19世紀初頭以来訪問者を魅了してきた失われた都市の傑作である。 入口の接近と集落そのものが、広範な水の配分と貯蔵の体系の創造的な才能によって可能になった。
基準(iii) — 列挙が長い
基準(iii)は、紀元前4世紀から紀元後1世紀のナバテア文明への証として、次のものを挙げます。
| アッシリアから記念碑的なヘレニズムまでの建築の影響を映す、多数の岩を刻んだ墓の密集した列 |
|---|
| ジェベル・マドバ、メイスラ、クブサ、ハビス、アル・マドラスを含む、犠牲とそのほかの宗教的な高所 |
| 広範な水の工学の体系、城壁、独立した神殿 |
| 庭の段々 |
| 葬祭の石柱と碑文 |
| 北(バリドすなわち小ペトラ)と南(サブラ)からの接近路にある外郭の隊商の中継地——そこにも墓、神殿、貯水槽、貯水池がある |
さらに、ペトラ区域の過去の諸文明への証として次のものが挙げられます。
| 遺構 | 時代 |
|---|---|
| ベイダの集落 | 新石器時代 |
| ウンム・アル・ビヤーラの集落 | 鉄器時代 |
| ウンム・アル・アマドの採掘場 | 銅石器時代 |
| 列柱街路、三連アーチの入口門、劇場、ニンファエウム、浴場 | ギリシア・ローマの市民計画 |
| 三つのアプスを持つバシリカ教会と、壺の墓に造られた教会 | ビザンツ |
| ハビスとウエイラの要塞の遺構 | 十字軍 |
| ジェベル・ハールーンのモスクの基礎 | 伝統的に預言者アロンの埋葬地 |
新石器時代から十字軍までが一つの資産に入っています。
基準(iv)
いわゆる「王家の墓」とデイル(「修道院」)は、ヘレニズム建築と東方の伝統の顕著な融合を示し、われらの時代の第一千年紀の転換期における東と西の意義ある出会いを印している。
基準(iv)はさらに二つを挙げます。
ウンム・アル・アマドの銅鉱山と地下の坑道は、紀元前第四千年紀に遡る採掘構造の顕著な例である。 分水ダム、ムスリム(Muthlim)のトンネル、水路、水道、貯水池、貯水槽の遺構は、紀元前後数世紀に遡る水工学の顕著な例である。
「ムスリム(Muthlim)」は地名で、イスラム教徒を指す語ではありません。
一つの基準の中に、建築・採掘・水工学の三つが入っています。
完全性 — 住民の再定住が侵食を止めるためだった
赤い砂岩の崖と峡谷の乾いた景観の中のすべての主たる独立した記念物と岩を刻んだ記念物、そして広範な考古遺構が、ペトラ国立公園の境界と一致する資産の境界内にある。
放牧と風で運ばれる砂
記念物は風と雨による継続する侵食を受けており、過去には、放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂によって悪化していた。 20年以上前のブドゥル(ベドウィン)族とその家畜の、ペトラ盆地のかつての季節の住まいからウンム・サイフーンの新しい村への再定住は、部分的にはこの過程を止めることを狙ったものだった。
住民の再定住が、侵食を止めるための措置として書かれています。
この章では、住民の動きが四通りに書かれました。
| 遺産 | 住民の動き |
|---|---|
| ペトラ326 | 再定住が、侵食を止めることを部分的に狙った |
| ヴェネツィア394 | 人口の著しい減少。住民の家が宿泊に置き換えられている |
| ジッダ1361 | 歴史的な家が放棄され、貧しい移民によって不法占拠されている |
| ブリッゲン59 | ドイツ商人が小さな個別の木の家に冬の住まいを取っていた(歴史の記述) |
鉄砲水
記念物はまた、ナバテアの分水の体系が継続的に監視され、修理され、維持されなければ、曲がりくねった峡谷(シーク)を通るワディ・ムーサ沿いの鉄砲水にも脆弱である。
古代の水の体系を維持しないと、いまの危険になるという構造です。
観光とインフラ
資産は観光の圧力のもとにあり、それは登録の時から大きく増加した——とくにシークのような混雑点。
資産はまた、在地の共同体と観光客のインフラの必要にも脆弱である。
| 資産の中にすでにあるもの |
|---|
| 新しい下水処理場(資産の北に設けられ、再生水が隣接する点滴灌漑の農業事業に使われている) |
| 境界の内側で提案されているもの |
|---|
| 電力供給と変電所 |
| 共同体/来訪者センター |
| 共同体の行事のための野外劇場 |
| ピクニック区域 |
| キャンプ場 |
| カスル・アル・ビントの神殿近くの新しいレストラン |
そのすべてが、資産の完全性に影響する可能性を持つ。
提案されている施設が具体的に列挙される資産は、これまで読んだ93件でここだけです。
真正性
神殿/墓の記念物の属性と、その立地と環境が、顕著な普遍的価値を明確に表している。砂岩の建築の自然の劣化が、長期的に資産の真正性を脅かしている。 カスル・アル・ビントの神殿と、壺の墓の教会へのビザンツの前庭を支えるヴォールト構造を含む、独立した記念物の安定化が、登録より前に行われた。
誰が守っているか — 職員数の増加が運動を可能にした
二つの主体
| 古物の保護 | ヨルダン国内法のもとで、観光古物省のもとの別個の主体である古物局にある |
|---|---|
| 資産 | 観光古物省が管理するペトラ考古公園内の保護区域 |
| インフラ事業 | 全体の計画と実施の責任は、主にペトラ地域庁(PRA)にある——もとはペトラ地域計画評議会(PRPC)だが、いまは地域の共同体の社会的・経済的な福祉を覆うよう拡大されている |
古物の保護とインフラ事業が別の主体に分かれています。
職員数の増加
職員数の増加が、点検と統制の運動を可能にし、観光客のアクセスと在地の共同体の関与を管理する戦略が策定された——共同体が運営する店/キオスクの立地と設計を含めて。
「職員数の増加」が成果として書かれる資産は、これまで読んだ93件でここだけです。
この章と前の章では、職員と資金の書かれ方がまったく違いました。
| 遺産 | 職員と資金 |
|---|---|
| ペトラ326 | 職員数の増加が点検と統制の運動を可能にした |
| 泉州1561 | 十分な財政・人的・技術的な保証 |
| ゴア234 | 人手も資金も十分である |
| グラン・プラス857 | 予算と人員の点で増やされた手段が望ましい |
| サント・ドミンゴ526 | より有能でより多数の技術職員が必要 |
| エローラー243 | 保全職員の能力が完全性への潜在的な脅威 |
| ヴェネツィア394 | 資格ある作業者の欠如 |
運営計画が覆うもの
ペトラ考古公園運営計画のもとで策定される規則と方針が、PRAが行うインフラ事業を覆うことになる——ペトラ考古公園の電化と、植樹を含む水の再生の農業事業に関わる工事を含めて。 それらはまた、公園の照明、観光の小道、解釈の標識、レストランと店、共同体の娯楽の区域と事業、そして公園内の公共の行事と活動といった来訪者の施設も覆うことになる。
「覆うことになる(will cover)」と将来形で書かれています。
長期に必要とされていること
長期には、来訪者の圧力に起因する損害から資産を守りつつ、地域の経済的・社会的な存立に寄与する観光からの収入を高めることを狙った、持続可能な発展と管理の実践のための枠組みが必要である。
「守ること」と「収入を高めること」を同時に狙う枠組みが必要だとされます。
この章では、観光と収入の関わりがいくつも書かれました。
| 遺産 | 観光と収入 |
|---|---|
| ペトラ326 | 守りつつ収入を高める枠組みが必要 |
| ポトシ420(23章) | 強い景気の後退があり、文化観光が社会的・経済的・教育的な支えを与えると期待されている |
| ラニ・キ・ヴァヴ922(13章) | 在地の共同体の関心と収益の模型を含む来訪者管理の構想があればためになるだろう |
| ヴェネツィア394 | 持続可能な観光戦略が管理計画の優先事項 |
ペトラとワディ・ルムのベドウの文化空間が無形文化遺産として記録されています。
2級で押さえること
基準(i)(iii)(iv)、本体26,171 ha、一覧に緩衝地帯の行が無い、1985年登録。境界はペトラ国立公園の境界と一致している。紅海と死海のあいだで、ナバテア人の岩を刻んだ首都がヘレニズムとローマの時代に、アラビアの乳香・中国の絹・インドの香辛料の主要な隊商の中心となった——アラビア、エジプト、シリア・フェニキアのあいだの交差路。半ば建てられ、半ば岩に彫られている。巧妙な水管理の体系が、本質的に乾燥した区域の広範な定住を可能にした。ヘレニズムの建築のファサードと伝統的なナバテアの岩を刻んだ神殿/墓(カズネ、壺の墓、宮殿の墓、コリント式の墓、デイル)との融合。基準(iii)には新石器時代(ベイダ)・鉄器時代(ウンム・アル・ビヤーラ)・銅石器時代の採掘場(ウンム・アル・アマド)・ギリシア・ローマの市民計画・ビザンツの教会・十字軍の要塞・預言者アロンの埋葬地のモスクの基礎までが入る。記念物は風と雨による継続する侵食を受けており、過去には放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂によって悪化していた。20年以上前のブドゥル(ベドウィン)族とその家畜の再定住は、部分的にはこの過程を止めることを狙った。ナバテアの分水の体系を継続的に監視・修理・維持しなければ、シークを通るワディ・ムーサ沿いの鉄砲水に脆弱。境界の内側で提案されているインフラ(電力供給と変電所・共同体/来訪者センター・野外劇場・ピクニック区域・キャンプ場・新しいレストラン)が具体的に列挙され、「そのすべてが資産の完全性に影響する可能性を持つ」。古物の保護は観光古物省のもとの古物局、インフラ事業の計画と実施は主にペトラ地域庁(PRA)。職員数の増加が点検と統制の運動を可能にした。長期には、来訪者の圧力に起因する損害から資産を守りつつ、観光からの収入を高めることを狙った枠組みが必要。
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:ペトラが隊商の中心として扱った品と産地の対応で、正しいものは?
- 乳香はアラビア、絹は中国、香辛料はインド
- 乳香は中国、絹はインド、香辛料はアラビア
- 品と産地の対応は書かれていない
- 乳香はアラビア、絹は中国、香辛料はインドで、さらに銅はエジプトから運ばれた
正解と解説を開く
正解:1.乳香はアラビア、絹は中国、香辛料はインド
> ヘレニズムとローマの時代に、アラビアの乳香、中国の絹、インドの香辛料の主要な隊商の中心となった。銅についての記述は、エジプトからの輸入ではなく「ウンム・アル・アマドの銅鉱山と地下の坑道」(紀元前第四千年紀に遡る採掘構造)です。ペトラはアラビア、エジプト、シリア・フェニキアのあいだの交差路とされます。
確認2:ペトラのブドゥル(ベドウィン)族の再定住について、UNESCO の記述に合うものは?
- 観光客の受け入れ区域を広げることを狙った
- 再定住についての記述は無い
- 放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂による侵食を止めることと、観光客の受け入れ区域を広げることの両方を狙った
- 部分的には、放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂による侵食の悪化を止めることを狙った
正解と解説を開く
正解:4.部分的には、放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂による侵食の悪化を止めることを狙った
> 記念物は風と雨による継続する侵食を受けており、過去には、放牧する動物が地被を減らしたために風で運ばれる砂によって悪化していた。20年以上前のブドゥル(ベドウィン)族とその家畜の、ペトラ盆地のかつての季節の住まいからウンム・サイフーンの新しい村への再定住は、部分的にはこの過程を止めることを狙ったものだった。観光についての記述はありません。「部分的には」という限定が付いています。
確認3:ペトラの境界の内側で提案されているインフラについて、UNESCO の記述に合うものは?
- 提案されているインフラは無い
- 下水処理場だけが提案されている
- 電力供給と変電所、共同体/来訪者センター、野外劇場、ピクニック区域、キャンプ場、新しいレストランで、そのすべてが資産の完全性に影響する可能性を持つ
- 電力供給と変電所、共同体/来訪者センター、野外劇場、ピクニック区域、キャンプ場、新しいレストランで、そのいずれも資産の完全性には影響しないとされている
正解と解説を開く
正解:3.電力供給と変電所、共同体/来訪者センター、野外劇場、ピクニック区域、キャンプ場、新しいレストランで、そのすべてが資産の完全性に影響する可能性を持つ
> 境界の内側で提案されているさらなるインフラの開発には電力供給と変電所、共同体/来訪者センター、共同体の行事のための野外劇場、ピクニック区域、キャンプ場、カスル・アル・ビントの神殿近くの新しいレストランが含まれ、そのすべてが資産の完全性に影響する可能性を持つ。下水処理場は「すでに資産の北に設けられた」もので、再生水が隣接する点滴灌漑の農業事業に使われています。
確認4:ペトラの職員について、UNESCO の記述に合うものは?
- 職員が足りないとされている
- 職員数の増加が、点検と統制の運動を可能にした
- 職員についての記述は無い
- 職員数の増加が点検と統制の運動を可能にしたが、観光客のアクセスを管理する戦略はまだ策定されていない
正解と解説を開く
正解:2.職員数の増加が、点検と統制の運動を可能にした
> 職員数の増加が、点検と統制の運動を可能にし、観光客のアクセスと在地の共同体の関与を管理する戦略が策定された——共同体が運営する店/キオスクの立地と設計を含めて。戦略は策定されています。「職員数の増加」が成果として書かれる資産は、これまで読んだ93件でここだけです(ゴア234 は「十分」、サント・ドミンゴ526 は「より多数が必要」)。
参考資料
確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。