青海フフシル(可可西里)

登録年
2017年
所在国
中国
登録区分
自然遺産
地域
アジア
登録基準
(vii) (x)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 中国の資産なのに中国語の訳が無い

中国。青蔵高原の北東の隅で、標高4,500 m を超える高山の山地とステップの体系。座標は N35 22 49 E92 26 21。

本体 3,735,632 ha
緩衝地帯 2,290,904 ha(本体の約0.61倍。ただし西と北には無い。後述)
登録 2017年、基準 (vii)(x)=2つ
区分 自然遺産
dossier 1540(bis / ter / rev なし)
シリアル 一覧に行が無い
保存状況報告 節が無い
お知らせ 1件(2017年7月7日「世界遺産委員会が三つの自然の遺跡と一つの拡張を UNESCO の世界遺産リストに登録」)
リンク 節が無い
ほかの保全の仕組み 2つの仕組み / 2要素——2003年無形文化遺産保護条約1要素(ゲサル叙事詩の伝統)とジオパーク1要素(崑崙山 UNESCO 世界ジオパーク)
訳のある言語 4つ(英・仏・西・蘭。中国語・アラビア語・ロシア語・日本語が無い)

中国の資産なのに、説明文の訳に中国語がありません。訳のある言語は資産ごとに違い、その国の言語があるとは限りません。ほかの保全の仕組みに無形文化遺産条約の要素が出ます(ゲサル叙事詩の伝統)。自然遺産の一覧に無形文化遺産の要素が並ぶ形です。ジオパークは同じ章のンゴロンゴロ39 でも出ました(35章で二つ)。

名前の表記

どこ 表記
本(2級の教本) 青海フブスル(可可西里)
ゼミの作業リストの名前 青海フフシル(可可西里)
一次資料(UNESCO) Qinghai Hoh Xil

本の表記とゼミの表記が違います。ゼミは「フフシル」を使い、本の表記を別に記録します。UNESCO ID(1540)は同じなので、同定の誤りではありません。一次資料の中にも揺れがあります——概要に `Hoh Xii`(最後が `i` 二つ)、完全性の節にも `Hoh Xii National Nature Reserve` とあり、題と基準の文では `Hoh Xil` です。原文のまま引いて記録します。

二つの基準

基準 何を根拠にするか
(vii) 規模の対比と、感覚(後述)。湖盆は「青蔵高原でもっともよく保存された平坦化面」と「比類のない湖の集中」を含み、長江の源の重要な集水域をなす。チベットカモシカの主要な出産地
(x) 高山草原が全植生の45%(Stipa purpurea が優占)。脊椎動物74種(哺乳類19・鳥48・魚6・爬虫類1=`Phrynocephalus vliangalii`)。世界のチベットカモシカのほぼ40%、世界の野生ヤクの最大50%。出産地は毎年最大30,000頭を支え、「全分布域で識別された出産集合地域のほぼ80%」を含む。冬に約40,000頭が資産にとどまり、世界個体群の20-40%にあたる

割合の分母がそろいません——45%は資産の全植生、40%と50%は世界の個体群、80%は全分布域の出産集合地域、20-40%は世界個体群です。「最大(up to)」「ほぼ(almost)」「20-40%」と、数に幅と限定が付きます。

基準(vii)が、匂いと風と色を書く

資産は、人の次元を小さく見せる規模の並外れた美しさの場所であり、すべての感覚を包み込む(embraces all the senses)。規模の対比がフフシルにおいて繰り返される主題であり、高原の体系が壮大な規模で妨げられずに機能し、野生生物が広大な樹の無い背景に対して鮮やかに並べ置かれ、小さなクッション植物が高くそびえる雪に覆われた山と対比される。夏には、小さなクッション植物が植生の海をなし、花が咲くと異なる色の波を作る。雪に覆われた高くそびえる山の麓の温泉の周りでは、埃、灰、硫黄の匂いが、氷河からの鋭い冷たい風と混ざる。

基準(vii)が、視覚だけでなく匂いと肌に当たる風を書きます。これまで読んだ256件で初めてです。

何に訴えるか 書かれていること
宣言 「すべての感覚を包み込む」
視覚(規模) 「人の次元を小さく見せる規模」「広大な樹の無い背景」「高くそびえる雪に覆われた山」
視覚(色) 「花が咲くと異なる色の波を作る」「あらゆる色と形の数万の湖」
嗅覚 「埃、灰、硫黄の匂い」
触覚 「氷河からの鋭い冷たい風」

「すべての感覚を包み込む」と宣言したうえで、嗅覚と触覚を具体に書く形です。基準(vii)は「自然美」の基準ですが、美を目で見るものに限っていません。基準(vii)のほかの書き方と並べます。

遺産 基準(vii)が何を書くか
青海フフシル1540(35章) すべての感覚(規模・色・匂い・風)
ンゴロンゴロ39(同じ章) 景観と野生生物の集中が「惑星のもっとも大きな自然の驚異の一つ」
レッドウッド134(34章) 「もっとも背の高い知られている木」(高さ)
ヨセミテ308(32章) 「世界でもっとも高い滝のうちの五つ」(高さと見え方)

1540 だけが、目以外の感覚を書きます。「規模の対比」が主題だと一次資料が自分で書く点も記録します——「規模の対比がフフシルにおいて繰り返される主題(a recurring theme)である」。何が価値の軸かを一次資料が名づける形です。概要も同じ向きで書きます——「この厳しく人の住まない野生の景観は、時のなかで凍りついた場所のように見える。しかしそれは、絶えず変化し続ける地形と生態の体系を示す場所である」。「見える」と「である」を逆に並べる形で、見かけと中身を書き分けます。

緩衝地帯が、西と北には無い

資産の西と北には緩衝地帯が設定されていない。なぜなら資産が、青海省、チベット自治区、新疆自治区にある三つの既存のよく保護された区域に隣接しているからである。しかしこれは、それらの隣接する区域が、資産の保全との直接の結びつきを考えて、実効的に保全されたままである必要を含意する。

一覧の緩衝地帯 2,290,904 ha(ある)
西と北 緩衝地帯が設定されていない
理由 三つの既存のよく保護された区域に隣接している(青海省/チベット自治区/新疆自治区)
そこから出る要請 それらの区域が実効的に保全されたままである必要がある

一覧に緩衝地帯の面積があるのに、方向によって有無が違う資産です。

遺産 緩衝地帯の分かれ方
青海フフシル1540(35章) 方向で分かれる(西と北には無い。理由は隣接する保護区域)
ニュングウェ1697(34章) 構成要素で分かれる(三つのうち一つにだけある)
グレート・バリア・リーフ154 ほか 一覧に行が無い

1540 は「無い理由」と「そこから出る要請」の両方が書かれます。「緩衝地帯が無い」で止めず、何が代わりに守っているかと、それに何を求めているかを読みます。ただし一次資料は、隣接する三つの区域を「緩衝」とは呼びません。だから「事実上の緩衝地帯がある」とは書けません。書けるのは「西と北には緩衝地帯が無く、理由として隣接する保護区域が挙げられている」までです。完全性の節は、資産の拡張にも触れます——「非常に大きいにもかかわらず、さらに資産を拡張して、追加の意義深い自然の区域を包む機会がある」。人の住み方も東西で分かれます——西部(フフシル国立自然保護区)は「完全に人が住んでおらず、したがって原始の状態にとどまる」、東部(三江源国立自然保護区のソジャ=クマル川小区域)は「ほぼ原始の状態」で、「長いあいだその保全と共存してきたチベット牧畜民の伝統の遊牧の生活様式を支える」。32章のラポニア774 も東西で暮らし方が違いました。

道と鉄道が資産を貫き、「乱された証拠は無い」と書かれる

資産の保護における注目すべき挑戦は、青海とチベットをつなぐ公路と鉄道であり、それは資産の東部を北から南へ通る。この区域における動物の移動は、回廊の建設と、移動の季節のあいだの交通回廊の能動的な管理を通じて促進されている。これらの措置は、チベットカモシカとほかの種が変化に素早く適応するのを助けており、移動のパターンが悪影響を受けて乱されたという証拠は無い。

段 書かれていること
① 挑戦 公路と鉄道が資産の東部を貫く
② 手立て 回廊の建設/移動の季節の交通回廊の能動的な管理
③ 結果 「適応するのを助けており」「乱されたという証拠は無い」

道が、脅威として書かれたうえで対策が効いていると書かれる資産です。34章で道は三つの役(いまある脅威/建設中/取り除かれたもの)に分かれました。1540 は四つ目の役です。

遺産 道の役
青海フフシル1540(35章) 緩和された脅威——貫いているが「乱された証拠は無い」
ニュングウェ1697(34章) いまある脅威——「妨害、野生動物の死、汚染をもたらしている」
ピマチオウィン・アキ1415(34章) これからの脅威——建設中
レッドウッド134(34章) 回復の手段——取り除かれた

「証拠は無い」は「影響が無い」ではありません。一次資料は乱された証拠が無いと書くだけで、乱されていないと断定していません。それでも保護管理の節は、交通回廊を長期の課題として残します——管理計画が「資産とその緩衝地帯を横切る交通回廊沿いの長期の管理」に取り組み、「責任ある国と省の当局が、交通回廊への開発と変更が実施の前に完全に評価されることを確かにすることが大きな重要性を持つだろう」。「いま乱されていない」ことと「これから守る必要がある」ことが両方書かれます。チベットカモシカの移動路の評価も、同じ形で限定されます——「この移動路は、青蔵公路と鉄道を横切ることによって挑戦を受けているにもかかわらず、今日知られているチベットカモシカのすべての移動路のうちもっともよく守られている」。「もっともよく守られている」は、比較のなかでの評価で、挑戦が無いとは書かれていません。観光と密猟も「影響しない」「止められた」と書かれます——「少数の自由旅行の観光客(主に夏、青蔵公路沿い)は資産の完全性に著しく影響しない」、「当局による厳格な執行により、大規模な密猟と違法な採掘の事件は実質的に止められた」。どちらも限定の付いた言い方です。

気候変動が、脅威と研究の機会の両方として書かれる

完全性の節が、気候変動の影響を長く並べます。

書かれていること
記録 「登録前の60年間に平均気温の著しい上昇が記録に示される」
永久凍土と氷河 融解
植生 「高山低木の高山草原への侵入」
草原 砂漠化
地震のあと 「数多くの新しい温泉と断層が形成されている」
湖 「氷河の融解と増加した降水が、一つの自然の湖岸を氾濫させ、下流に新しい湖を形成し、動的な流動の状態にある生息地を作り出した」

そしてそのあとに、こう書かれます。

これらの地質と生態の動態は、科学の観察と長期の研究のまれな機会(a rare opportunity)を与える。

同じ変化が、脅威として並べられたうえで、研究の機会として書かれます。これまで読んだ「同じものが逆に評価される」例と並べます。

遺産 同じものの二つの役
青海フフシル1540(35章) 気候変動の動態——脅威の列挙と「科学の観察と長期の研究のまれな機会」
ピマチオウィン・アキ1415(34章) 火——基準(ix)の生態の過程とお知らせの脅威
三江併流1083(32章) 人が住んでいること——シリアルにした理由と連続の弱みの原因

1540 が違うのは、同じ節の中で、同じ文章の流れで役が変わることです。節をまたぐのではなく、列挙の直後に機会として書かれます。そのうえで、これからの圧力も二つ書かれます——「温暖化は、低標高の種が高原の新しい生息地の待避所へ移動することにつながるかもしれない」、「より暖かい条件は、以前は住みにくかった区域への人の居住の移動からの、より大きな圧力を引き起こすかもしれない」。どちらも「かもしれない」です。完全性の節は、資産の大きさを気候変動への備えとして書きます——「資産の設計は大型哺乳類の分布域に対応し、地球の気候変動による生態系の変化を緩衝する通常より良い機会を持つ大きさである」、「遺跡の広大さと際立った標高の勾配は、人の活動と侵入種からの影響がよく管理されうることを確かにするための相当な回復力に寄与するべきである」。大きさそのものが備えとして書かれる形です。

誰が守っているか

所有 「資産内のすべての区域は国有であり、国レベルの保護区域である」
法 「中央と地方の法的な保護」とだけ書かれ、法令の名前は一つも無い
体系 「管理の体系と調整の仕組みが確立され、中央と地方政府、共同体、NGO、研究機関の支援を得て、人と財源を確かにしている」
機関 「統合された管理機関が、中央・省・市・地方の当局の努力を調整する」(四つの水準)
計画 青海フフシル資産管理計画。「資産と緩衝地帯に住む地元のチベット牧畜民を、保全・管理・教育の努力に認め能動的に関与させる」
職員 「多様な背景と関連の経験を持つ十分な職員が提供されるだろう」(将来形。)

法令の名前が一つも書かれない資産です。34章のスリランカ中央高地1203・ニュングウェ1697 と同じ形です。職員が「提供されるだろう」という将来形で書かれる点も記録します。「十分な職員がいる」とは書かれていません。管理計画が牧畜民を「認め能動的に関与させる」と書く点は、35章のンゴロンゴロ39 の「居住する共同体の意思決定の過程への能動的な参加が不可欠である」と近い向きです。39 は求め、1540 は計画の内容として書きます。

2級で押さえること

本体3,735,632 ha/緩衝地帯2,290,904 ha(ただし西と北には設定されていない)、2017年登録、基準(vii)(x)=2つ、区分は自然遺産、dossier 1540、シリアルの行が無い、保存状況報告の節が無い、お知らせ1件、リンクの節が無い、ほかの保全の仕組みは2003年無形文化遺産保護条約1要素(ゲサル叙事詩の伝統)+ジオパーク1要素(崑崙山)、訳のある言語は4つで中国の資産なのに中国語が無い。名前の表記が三通り——本は青海フブスル、ゼミの作業リストは青海フフシル、一次資料は `Qinghai Hoh Xil`。UNESCO ID は同じなので同定の誤りではない。一次資料の中にも揺れがあり、概要と完全性の節は `Hoh Xii`(最後が `i` 二つ)。基準(vii)が匂いと風を書く——「すべての感覚を包み込む」と宣言し、「埃、灰、硫黄の匂いが、氷河からの鋭い冷たい風と混ざる」。256件で初めてで、「規模の対比が繰り返される主題である」と価値の軸を一次資料が自分で名づける。概要は「時のなかで凍りついた場所のように見える。しかしそれは、絶えず変化し続ける地形と生態の体系を示す場所である」と見かけと中身を書き分ける。緩衝地帯が方向で分かれる——一覧に2,290,904 ha あるのに、西と北には設定されていない。理由は青海省・チベット自治区・新疆自治区の三つの既存のよく保護された区域に隣接しているからで、そこから「それらの区域が実効的に保全されたままである必要」が導かれる。ただし一次資料は隣接区域を「緩衝」と呼ばないので「事実上の緩衝地帯がある」とは書けない。道と鉄道が資産の東部を貫くが「乱されたという証拠は無い」と書かれる——回廊の建設と移動の季節の交通回廊の能動的な管理が手立てで、34章の三つの役(いまある脅威/建設中/取り除かれたもの)に四つ目「緩和された脅威」が足される。「証拠は無い」は「影響が無い」ではない。それでも保護管理は交通回廊を長期の課題に残し、開発と変更が実施の前に完全に評価されることを求める。気候変動が脅威と研究の機会の両方として書かれる——登録前60年の気温上昇、永久凍土と氷河の融解、高山低木の侵入、草原の砂漠化、地震後の新しい温泉と断層、氷河融解と降水増加による湖岸の氾濫と下流の新しい湖を並べたうえで、「これらの地質と生態の動態は、科学の観察と長期の研究のまれな機会を与える」。同じ節の、同じ文章の流れの中で役が変わる。これからの圧力は「低標高の種の移動」「以前は住みにくかった区域への人の居住の移動」でどちらも「かもしれない」。資産の大きさそのものが気候変動への備えとして書かれる。人の住み方が東西で分かれる——西部(フフシル国立自然保護区)は完全に無人で原始の状態、東部(三江源国立自然保護区のソジャ=クマル川小区域)はほぼ原始の状態でチベット牧畜民の伝統の遊牧を支える。すべて国有で国レベルの保護区域だが法令の名前は一つも書かれない。統合された管理機関が中央・省・市・地方の四つの水準を調整し、職員は「提供されるだろう」という将来形。割合の分母がそろわない——高山草原45%は資産の全植生、チベットカモシカほぼ40%と野生ヤク最大50%は世界の個体群、出産集合地域ほぼ80%は全分布域、冬の約40,000頭は世界個体群の20-40%。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産は、準1級のキーワードで3通りに出てきます

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
無形文化遺産別の条約のもの。要素の名は資産の名と違うことが多い「ゲサル叙事詩の伝統」
密猟脅威の順位・内と外・止められたという書き方「実質的に止められた」
気候変動基準・完全性・脅威・機会のどこに置かれるか「科学の観察と長期の研究のまれな機会」

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。同じ資産が、キーワードごとに別の一文で引かれます。「この遺産はどのテーマか」ではなく、「このキーワードで読むと、この遺産の何が見えるか」で読みます。

キーワードで練習する

級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:青海フフシルの基準(vii)に書かれているものとして、正しいのは?

  1. 高原の形がどのように作られたかという地質の過程と、平坦化面の年代の測定の方法
  2. 出産に集まるチベットカモシカの頭数と、その数が世界の個体群に占める割合の推移
  3. 温泉の周りの埃と灰と硫黄の匂い、そして氷河からの冷たい風
  4. 湖の水質と水温の季節の変化、および湖底の堆積物に残された気候の記録の読み取り
正解と解説を開く

正解:3.温泉の周りの埃と灰と硫黄の匂い、そして氷河からの冷たい風

「すべての感覚を包み込む」と宣言したうえで、匂いと風を具体に書きます。目以外の感覚を書く基準(vii)は、これまで読んだ256件で初めてです。「規模の対比がフフシルにおいて繰り返される主題である」と、価値の軸を一次資料が自分で名づけます。夏のクッション植物が「植生の海」をなし「異なる色の波」を作るという色の記述も並びます。

確認2:青海フフシルの緩衝地帯について、完全性の節が書いているのは?

  1. 資産の四方すべてに同じ幅の緩衝地帯が設定されていて、一覧の面積はその合計だと書かれている
  2. 西と北には設定されておらず、理由として隣接する保護区域が挙げられる
  3. 緩衝地帯はいっさい設定されておらず、一覧にも緩衝地帯の行が無いと読むのが正確である
  4. 緩衝地帯は資産の内側に設けられていて、外側には隣接する省や自治区の区域が広がると書かれている
正解と解説を開く

正解:2.西と北には設定されておらず、理由として隣接する保護区域が挙げられる

一覧には2,290,904 ha の緩衝地帯があります。そのうえで「資産の西と北には緩衝地帯が設定されていない」と書かれます。理由は青海省、チベット自治区、新疆自治区にある三つの既存のよく保護された区域に隣接していることで、そこから「それらの区域が実効的に保全されたままである必要」が導かれます。一次資料は隣接する区域を「緩衝」と呼んでいないので、そこまでは読みません。

確認3:青海フフシルを貫く公路と鉄道について、一次資料が書いているのは?

  1. 公路と鉄道は資産の境界の外を通っているので、動物の移動には影響しないということ
  2. 移動のパターンが大きく乱されたことが確認され、路線の付け替えが決まったということ
  3. 公路と鉄道については書かれておらず、脅威として挙がるのは観光と密猟だけだということ
  4. 回廊の建設などの措置があり、乱されたという証拠は無いということ
正解と解説を開く

正解:4.回廊の建設などの措置があり、乱されたという証拠は無いということ

「青海とチベットをつなぐ公路と鉄道」が「資産の東部を北から南へ通る」と書かれ、これを「注目すべき挑戦」と呼びます。手立ては回廊の建設と、移動の季節のあいだの交通回廊の能動的な管理です。「証拠は無い」は「影響が無い」ではありません。保護管理の節は、交通回廊への開発と変更を実施の前に完全に評価することを求め続けます。

確認4:青海フフシルの完全性の節が、気候変動による地質と生態の動態について書いているのは?

  1. 脅威として並べたうえで、研究のまれな機会を与えると書いている
  2. 脅威として並べるだけで、そこから何かが得られるという書き方はいっさいしていない
  3. 研究の機会としてだけ書き、永久凍土の融解や草原の砂漠化は脅威に挙げていない
  4. 動態そのものは書かれておらず、登録前60年の平均気温の記録だけが挙げられている
正解と解説を開く

正解:1.脅威として並べたうえで、研究のまれな機会を与えると書いている

永久凍土と氷河の融解、高山低木の侵入、草原の砂漠化、地震のあとの新しい温泉と断層、氷河融解と降水の増加による湖岸の氾濫と下流の新しい湖を並べます。そのすぐあとに「これらの地質と生態の動態は、科学の観察と長期の研究のまれな機会を与える」と書かれます。節をまたぐのではなく、列挙の直後に役が変わるので、同じ文章の流れの中で評価が反転します。

参考資料

確認日:2026年10月29日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。