リューカン・ノトッデンの産業遺産

登録年
2015年
所在国
ノルウェー
登録区分
文化遺産
地域
ヨーロッパ
登録基準
(ii) (iv)

どこにあり、何が登録されたのか — 座標が二行に重複している

ノルウェー。山、滝、河谷の劇的な景観の中。

本体 4,959.5 ha
緩衝地帯 33,967.6 ha(本体の約6.85倍)
登録 2015年、基準 (ii)(iv)=2つ
dossier 1486(bis / rev なし)
軽微な範囲変更 一覧に記載なし
保存状況報告 一覧に記載なし
ほかの保全の仕組み 一覧に記載なし
座標 `N59 52 43 E8 35 37` が二行に重複して書かれている

座標が二行に書かれる資産

遺産 座標の行
リューカン・ノトッデン1486 `N59 52 43 E8 35 37`/`N59 52 43 E8 35 37`(同じ値が2回)
フォース鉄道橋1485 `N56 00 04 W3 23 20`/`N56 0 4 W3 23 20`(同じ値の表記違い)

一覧の座標は顕著な普遍的価値の本文ではありません。値が同じなので食い違いではなく、一覧の書き方の問題として記録します。どちらも2015年登録の資産です。

何が登録されたのか

水力発電所、送電線、工場、輸送体系、そして町のまとまりです。

ノルスク・ハイドロ社が、ヨーロッパと北アメリカの科学と研究の成果を結び合わせて設立しました。目的は水力電気を生み、空気中の窒素から人工肥料を製造することで、20世紀初頭の西洋世界の、農業生産の増大への要求に応えるためでした。

会社の町と、二つの基準

リューカンとノトッデンは「会社の町」

「リューカンとノトッデンの会社の町(company towns)は、国際的な計画の思想に影響された労働力の供給における社会の革新を組み込んでおり、それが革新的な輸送の解決とあわせて、世界中の市場のための新しい、地球規模で意義ある製品の供給を可能にした」とされます。

説明文は「リューカンとノトッデンの会社の町は、肥料が積み込まれた港へ鉄道とフェリーで結ばれた労働者の住居と社会の制度を示している」と書きます。

二つの基準

基準 中身
(ii) 「景観に結びついた産業の主題と資産の例外的な組み合わせを明らかにし、それが20世紀初頭の技術の発展における重要な交流を示している」
(iv) 「ダム、トンネル、管、発電所、送電線、工場区域と設備、会社の町、鉄道線とフェリーの便からなるリューカン・ノトッデンの技術のアンサンブルは、自然の地形が水力電気を必要な大量に生むことを可能にした景観に位置し、20世紀初頭の新しい地球規模の産業の例として際立っている」

基準(iv)が構成要素を九つ並べる点に注意します。「自然の地形が……可能にした」という書き方で、景観が産業の条件として価値に入っています。

21章のスクーグスシュルコゴーデン558 は「建築が景観と競合しない」、リューカン1486 は「景観が産業を可能にした」です。景観と人の仕事の関係の書き方が違います。

完全性と真正性が、どちらもきわめて短い

完全性(三文)

全般に、20世紀初頭のノルウェーにおける農業用の人工肥料の生産の産業の先駆の時期への証言である重要な残存する物理的な構造物と物体はすべて、資産の意義を伝える特徴と過程の完全な表現を確かにするのに適切な大きさである区域の境界の内側にある。資産の物理的な組織とその意義ある特徴は全般に良い状態にある。資産は悪影響と放置を受けていない。

真正性(一文)

資産は、20世紀初頭の人工肥料の生産のための先駆的な産業の企てとしての顕著な普遍的価値を、信用でき真実に伝える建物、構造物、遺構を組み込んでいる。

真正性の節が一文の資産を並べます。

遺産 真正性の節
リューカン・ノトッデン1486 一文
フォース鉄道橋1485 一文(形と設計/材料と実体/用途と機能の三組を挙げる)
アトランティダの教会1612(21章) 一文(要素に「時間」が挙がる)
ストックレ邸1298(20章) 一文(「ストックレ邸とそのすべての要素は真正である」)
グリメトン1134 年ごとの改変の履歴を部材ごとに書く(長い)

同じ章の中で、真正性の節の長さが一文から十数文まで分かれます。長さは資産の価値や状態とは関係しません。

保護管理 — 約束が将来形と期限で並ぶ

法令

資産 文化遺産法1978年(2009年改正)と計画建築法2009年(2012年改正)
期限つきの将来形 「すべての特定された項目は、2015年6月までに文化遺産法または計画建築法の特定の遺産条項によって保護される」
緩衝地帯 文化遺産法と、計画建築法に従うゾーニングの統制のもとで保護される

登録は2015年です。登録と同じ年の6月という期限が書かれています。その後どうなったかは書かれていないので、「2015年6月までに保護されるとされていた」までにとどめます。

意向宣言が署名された

「『意向宣言(Declaration of Intent)』が、締約国と関係する県議会・自治体によって署名され、顕著な普遍的価値と緩衝地帯を守ることを引き受けている」とされます。

「暫定の」協議会

文化遺産局、県当局、自治体、ノルウェー産業労働者博物館の代表からなる暫定の世界遺産協議会(provisional World Heritage Council)が、資産のための管理構造を届けるために設けられた。全域に責任を持つ世界遺産コーディネーターが任命されることになる(will be appointed)。

「暫定の」協議会が書かれる資産は、これまで読んだ164件でここだけです。管理の体制そのものがまだ定まっていない段階で、コーディネーターも未任命です。

管理計画

「管理計画2014-2019 は、保全、顕著な普遍的価値の強化、能力構築と研究、情報と提示、訪問者管理についての目標と行動を伴う行動計画を含み、危機への備えの戦略を含むことになる(will include)」とされます。

この節には将来形が三つ並びます——「保護される」「任命されることになる」「含むことになる」。登録の時点での約束として記録し、「保護された」「任命された」と書き換えません。

2級で押さえること

基準(ii)(iv)、本体4,959.5 ha / 緩衝地帯33,967.6 ha(本体の約6.85倍)、2015年登録、dossier 1486(bis / rev なし)、一覧に軽微な範囲変更・保存状況報告・ほかの保全の仕組みの記載は無い、一覧の座標 `N59 52 43 E8 35 37` が二行に重複して書かれている——フォース鉄道橋1485(同じ値の表記違いが二行)と同じ型で、どちらも2015年登録。座標は顕著な普遍的価値の本文ではなく、値が同じなので食い違いではない。水力発電所、送電線、工場、輸送体系、町のまとまり。ノルスク・ハイドロ社が「ヨーロッパと北アメリカの科学と研究の成果を結び合わせて」設立し、水力電気を生み空気中の窒素から人工肥料を製造した——20世紀初頭の西洋世界の農業生産の増大への要求に応えるため。リューカンとノトッデンの「会社の町(company towns)」は「国際的な計画の思想に影響された労働力の供給における社会の革新」を組み込み、それが革新的な輸送の解決とあわせて「世界中の市場のための新しい、地球規模で意義ある製品の供給」を可能にした。説明文は「肥料が積み込まれた港へ鉄道とフェリーで結ばれた労働者の住居と社会の制度」と書く。基準(iv)が構成要素を九つ並べる(ダム、トンネル、管、発電所、送電線、工場区域と設備、会社の町、鉄道線、フェリーの便)うえで、「自然の地形が水力電気を必要な大量に生むことを可能にした景観」に位置するとする——景観が産業の条件として価値に入っている。21章のスクーグスシュルコゴーデン558 の「建築が景観と競合しない」とは関係の書き方が違う。完全性は三文(「全般に良い状態にある」「悪影響と放置を受けていない」)、真正性は一文(「20世紀初頭の人工肥料の生産のための先駆的な産業の企てとしての顕著な普遍的価値を、信用でき真実に伝える建物、構造物、遺構を組み込んでいる」)。この章では真正性の節の長さが一文(1486・1485)から年ごとの改変の履歴(1134)まで分かれるので、長さは資産の価値や状態とは関係しない。保護は文化遺産法1978年(2009年改正)と計画建築法2009年(2012年改正)。保護管理の節に将来形が三つ並ぶ——「すべての特定された項目は、2015年6月までに文化遺産法または計画建築法の特定の遺産条項によって保護される」(登録と同じ年の期限)/「全域に責任を持つ世界遺産コーディネーターが任命されることになる」/管理計画2014-2019 が「危機への備えの戦略を含むことになる」。登録の時点での約束として記録し、「保護された」「任命された」と書き換えない。「意向宣言(Declaration of Intent)」が締約国と関係する県議会・自治体によって署名され、顕著な普遍的価値と緩衝地帯を守ることを引き受けている。「暫定の」協議会が書かれる資産は164件でここだけ——「文化遺産局、県当局、自治体、ノルウェー産業労働者博物館の代表からなる暫定の世界遺産協議会が、資産のための管理構造を届けるために設けられた」。管理の体制そのものがまだ定まっていない段階で、コーディネーターも未任命。

オリジナル確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:リューカン・ノトッデンの保護管理の節に書かれているのは?

  1. 保護管理の節は無い
  2. すべての特定された項目がすでに保護され、コーディネーターも任命され、管理計画も危機への備えの戦略を含んでいる
  3. すべての特定された項目が2015年6月までに保護されること、コーディネーターが任命されること、管理計画が危機への備えの戦略を含むことという三つの将来形
  4. すべての特定された項目が2015年6月までに保護されることだけが将来形で、コーディネーターの任命と危機への備えの戦略はすでに実現していると書かれている
正解と解説を開く

正解:3.すべての特定された項目が2015年6月までに保護されること、コーディネーターが任命されること、管理計画が危機への備えの戦略を含むことという三つの将来形

登録は2015年で、登録と同じ年の6月という期限が書かれています。その後どうなったかは書かれていないので、「保護されるとされていた」までにとどめ、「保護された」と書き換えません。

確認2:リューカン・ノトッデンの世界遺産協議会について、保護管理の節に書かれているのは?

  1. 「暫定の」世界遺産協議会が、資産のための管理構造を届けるために設けられた
  2. 世界遺産協議会については書かれていない
  3. 恒久の世界遺産協議会が設けられ、すでに管理構造を届けている
  4. 「暫定の」世界遺産協議会が設けられ、あわせて全域に責任を持つコーディネーターもすでに任命されている
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正解:1.「暫定の」世界遺産協議会が、資産のための管理構造を届けるために設けられた

「暫定の」協議会が書かれる資産は、これまで読んだ164件でここだけです。管理の体制そのものがまだ定まっていない段階で、全域に責任を持つ担当者もまだ置かれていません。

確認3:リューカン・ノトッデンの基準(iv)が、景観について書いているのは?

  1. 景観については書かれていない
  2. 産業の構造物が景観と競合しないように設計されていると書かれている
  3. 自然の地形が水力電気を必要な大量に生むことを可能にした景観に位置しているが、その景観は資産の価値には含まれないとされている
  4. 自然の地形が水力電気を必要な大量に生むことを可能にした景観に位置している
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正解:4.自然の地形が水力電気を必要な大量に生むことを可能にした景観に位置している

景観が産業の条件として価値に入っている書き方です。21章のスクーグスシュルコゴーデン558 は「建築が景観と競合しない」でした。景観と人の仕事の関係の書き方が違います。

確認4:リューカン・ノトッデンの一覧の座標について、UNESCO のページに書かれているのは?

  1. 座標の記載は無い
  2. 同じ値が二行に重複して書かれている
  3. 二つの異なる地点の座標が二行に書かれている
  4. 同じ値が二行に重複して書かれているが、一次資料はその一方が誤りであると注記している
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正解:2.同じ値が二行に重複して書かれている

座標は顕著な普遍的価値の本文ではありません。値が同じなので食い違いではなく、一覧の書き方の問題として記録します。同じ章のフォース鉄道橋1485 は同じ値の表記違いが二行に並びます。どちらも2015年登録の資産です。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

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