三か国にまたがる道の網が遺産です。登録されているのはシルク・ロード全体ではなく、その一区間です。
UNESCO の説明から
シルク・ロードは、アジア・インド亜大陸・中央アジア・西アジア・近東の古い社会を結んだ道の網でした。直線で測っておよそ7,500km、道筋に沿えば35,000kmを超えます。紀元前2世紀までには行き来の量がはっきり増え、東と西のあいだで価値の高い品の取引が盛んになりました。
登録されているのは「長安―天山回廊」
正式な登録名は「シルク・ロード:長安から天山回廊の交易網」です。シルク・ロードの全体ではありません。中国・カザフスタン・キルギスの三か国にまたがる天山回廊という区間が対象です。どこまでを一つの遺産にするかを決めた例として読めます。
(ii) — 広さと長さと多様さがそのまま理由
(ii)は「価値観の交流を示すもの」。UNESCO が挙げるのは、道の網の広大さ、使われた期間のきわめて長いこと、残っているものの多様さとその結びつき、交わされた文化の豊かさ、そしてつないだ土地の環境の違いです。規模そのものが(ii)の中身になっている点が変わっています。
(v) — 水をあつかう仕組みが町を支えた
(v)は「ある文化を代表する伝統的な集落や土地の使い方を示すもの、とくに失われやすいもの」。UNESCO は、価値の高い品の長距離の取引が大きな町や都市を育て、それを川・井戸・地下の湧き水から水を集める、念入りで洗練された水の仕組みが支えたとします。アルハンブラでも水の技術が先にありました。道も宮殿も、水の仕組みの上に成り立っています。
(vi) — 張騫の旅と、仏教の伝来
(vi)は「出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術・文学的作品と直接または明白に関連するもの」。天山回廊は、張騫(ちょうけん)の西域への使いと直接結びついているとされます。あわせて、仏教が古代中国へ入っていったことの目に見える跡を深く映しているとも書かれます。法隆寺の(vi)が仏教の伝来と結びついていたのと、同じ流れの別の場所にあたります。
覚えておきたいこと
- 2014年・中国とカザフスタンとキルギス・文化遺産・登録基準(ii)(iii)(v)(vi)
- 登録されているのは全体ではなく「長安―天山回廊」の区間
- (vi)は張騫の西域への使いと、仏教が中国へ入ったこと
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:シルク・ロードの登録範囲についての説明として正しいものは?
- ヨーロッパから中国までのシルク・ロード全体が対象
- シルク・ロード全体ではなく、長安から天山回廊までの区間が対象
- 中国の国内にある区間だけが対象
- 海の道(海上シルクロード)だけが対象
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正解:2.シルク・ロード全体ではなく、長安から天山回廊までの区間が対象
中国・カザフスタン・キルギスの三か国にまたがります。どこまでを一つの遺産にするかを決めた例として読めます。
確認2:シルク・ロードの登録基準(ii)で挙げられているものは?
- 一つの都市に集まった建物の美しさ
- 最初に道を切り開いた人物の功績
- 運ばれた絹の生産量の多さ
- 道の網の広大さ、使われた期間の長さ、残っているものの多様さ
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正解:4.道の網の広大さ、使われた期間の長さ、残っているものの多様さ
つないだ土地の環境の違いも挙げられています。規模そのものが(ii)の中身になっている点が変わっています。
確認3:シルク・ロードの沿線で町や都市が大きくなったのを支えたものは?
- 川・井戸・地下の湧き水から水を集める、念入りな水の仕組み
- 街道沿いに置かれた宿場と馬の取り替え所
- 国が置いた関所と通行の許可証のしくみ
- 隊商を守るために築かれた城壁と見張り塔
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正解:1.川・井戸・地下の湧き水から水を集める、念入りな水の仕組み
価値の高い品の長距離の取引が大きな町や都市を育て、水の仕組みがそれを支えたとされます。アルハンブラでも水の技術が先にありました。
確認4:シルク・ロードの登録基準(vi)が結びついているものは?
- 始皇帝による中国の統一という出来事
- マルコ・ポーロの旅と『東方見聞録』
- 張騫の西域への使いと、仏教が古代中国へ入ったこと
- モンゴル帝国が大陸を一つにまとめた時代
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正解:3.張騫の西域への使いと、仏教が古代中国へ入ったこと
法隆寺の(vi)が仏教の伝来と結びついていたのと、同じ流れの別の場所にあたります。
参考資料
- 世界遺産検定 受検の目安(2026-10-01 取得)
- 英語で読んでみよう!日本語訳(3級)第5版。遺産名と掲載ページ46件(2026-10-02 取得)
- UNESCO 世界遺産一覧 1442 Silk Roads: the Routes Network of Chang’an-Tianshan Corridor(2026-10-03 取得)
- UNESCO 世界遺産一覧 1442 のギャラリー(2026-10-03 取得)。この遺産の写真として、交河故城(Site of Yar)と鎖陽城(Site of Suoyang)の保存機関が提供した写真が載っている。構成資産の一覧そのものではないが、UNESCO 自身がこの二つをこの遺産と結びつけている。
確認日:2026年10月2日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。