どこにあり、何が登録されたのか
エチオピア北部、ゴンダール地方。何百万年にわたる大規模な侵食が鋸歯状の山頂・深い谷・約1,500 m 落ちる鋭い断崖を作り出しました。
| 本体 | 13,600 ha |
|---|---|
| 緩衝地帯 | 設定されていない |
| 登録 | 1978年、基準 (vii)(x) |
| 危機遺産 | 1996年から2017年(解除された) |
この章で危機遺産になり、解除された資産です。前の章ではカスビの王墓1022(2010-2023年)、ウィーン1033(2017-2026年)がありました。シミエンは1996-2017年で、21年間です。
基準(vii) — グランド・キャニオンに匹敵する
シミエン山塊は主要なエチオピア高原の北の限界に位置し、エチオピアの最高点ラス・デジェンを含みます。
| 崖の高さ | 一部は1,500 m に達する |
|---|---|
| 北の崖壁 | 約35 km にわたって伸びる |
| 周囲 | 北・東・南を深い谷が囲み、下の峡谷のような低地への広大な眺望を与える |
シミエン山地の壮観な景観は、グランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられている。
一次資料が、ほかの世界遺産を引き合いに出して価値を説明している例です。
この章と前の章では、比較の書かれ方がいくつかありました——ブダペスト400 の議会がロンドン・ミュンヘン・ウィーン・アテネに並ぶ、パパハナウモクアケア1326 の地質的価値がハワイ火山国立公園と直接つながっている。
基準(x) — 固有種の名前が並ぶ
資産は生物多様性の保全に世界的な意義を持ち、アフロアルパイン植物多様性中心と東アフロモンタン生物多様性ホットスポットの一部をなします。
| 種 | 中身 |
|---|---|
| ワリアアイベックス(Capra walie) | 絶滅危惧。シミエン山地に固有の野生の山羊。公園の崖の区域が主たる生息地 |
| エチオピアオオカミ(シミエンギツネ、Canis simensis) | 絶滅危惧。世界でもっとも希少なイヌ科と考えられている |
| ゲラダヒヒ(Theropithecus gelada) | エチオピア高地に固有 |
後の二つはエチオピア高地に固有で、アフロアルパインの草原とヒース地に依存します。
ほかの大型哺乳類にアヌビスヒヒ、マントヒヒ、クリップスプリンガー、キンイロジャッカル。
| 数 | |
|---|---|
| 大型哺乳類 | 20種超 |
| 鳥 | 130種超 |
| エリトリアおよび/またはエチオピア固有 | 小型哺乳類5種と鳥16種 |
公園は重要野鳥生息地でもあり、中央エチオピア高地というより大きな固有鳥生息地の一部で、希少なヒゲワシ(lammergeyer)の重要な個体群も抱えています。
種の豊かさは、大きな高度・地形・気候の多様性の結果で、それがアフロモンタンとアフロアルパインの生態系を形づくってきたとされます。
完全性 — 登録の時点で公園の80%が人の利用の下にあった
この節の最初の一文が、この資産の特徴です。
資産は人が住む区域に設定され、登録の時点で公園の80%が何らかの形の人の利用の下にあった。
「人が住む区域に設定された」と明記されています。
| 脅威 |
|---|
| 人の集落、耕作、土壌侵食——とくにギチ村の周辺 |
| ツリーヒースの森の頻繁な火災 |
| 過剰な数の家畜 |
耕作と牧畜の活動——資産のかなりの区域の耕作と、大きな個体数の動物の放牧がとくに——が、資産の自然の価値を深刻に損なってきた。ワリアアイベックスとエチオピアオオカミの決定的な生息地を含めて。
イエローストーン(28)の基準(ix)が「落雷起源の火災は燃えるままにする」でした。シミエンは「頻繁な火災」が脅威です。同じ火が、資産によって価値と脅威に分かれます。
境界が足りていない
資産の境界は景観の価値を保つのに不可欠な鍵となる区域を含んでいる。しかしながら、ワリアアイベックスとエチオピアオオカミの個体群を維持し高めるのに必要なすべての区域を含んではおらず、境界を見直し拡張する提案が当初の推薦書で出されていた。
登録の時の推薦書に、すでに拡張の提案が入っていました。
提案された二つの拡張——マサレリヤとリマリモ野生生物保護区、およびラス・デジェン山とシルキ-キディス・ヤレド区域——とそれらを結ぶ回廊は、人の集落と耕作が無く、顕著な普遍的価値の中心をなす鍵となる種を支えているとされます。
いくつかの評価は、人口が無視できる区域を含む国立公園の拡張された境界に資産を合わせる拡張が、その顕著な普遍的価値を維持するための不可欠な要件であると考えてきた。
誰が守っているか — 暮らしの代わりを作ることが保護になっている
国立公園は1969年に設定され、国の保護地域の法令のもとで認知され保護されています。
資産は実効的な管理の存在と、職員の水準の維持と増加、そして訓練を要する。
管理の鍵となる仕事
| 仕事 |
|---|
| 公園の旗艦種の実効的な保護 |
| 地域共同体との密な協力——農業の拡大・家畜の過剰・自然資源の過剰な採取から生じる公園の資源への圧力を減らすため |
資産への圧力は、地球規模の気候変動の結果としてさらに増すと見込まれる。
要るもの
公園の管理と、地域共同体のための代わりの生計の選択肢の開発に、相当な財政的支援が必要である。 管理計画の開発・実施・見直し・監視と、地域共同体の完全な参加を伴う公園の境界の見直しと拡張が、不可欠である。
「代わりの生計の選択肢」が保護の条件として書かれています。
この章と前の章では、同じ論点が繰り返し出てきました——バンディアガラ516(地域共同体の福利を考慮することによってのみ保全されうる。高所への給水)、オルホン渓谷1081(牧畜を持続させることが管理の手段)、英国の湖水地方422(補助金の制度の変化が完全性の危険)、バリのスバック1194(農民が土地に留まることを可能にする便益)。シミエンでは、暮らしの代わりを作ることが保護です。
2級で押さえること
「資産は人が住む区域に設定され、登録の時点で公園の80%が何らかの形の人の利用の下にあった」と完全性の節に明記されている。耕作と放牧がワリアアイベックスとエチオピアオオカミの決定的な生息地を含めて自然の価値を深刻に損なってきた。境界は登録の当初の推薦書の時点で既に拡張が提案されていた——鍵となる種の個体群を維持するのに必要な区域を含んでいないため。危機遺産は1996年から2017年の21年間で、解除された。基準(vii)はグランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられていると、ほかの世界遺産を引き合いに出して書かれている。ワリアアイベックスはシミエン山地に固有、エチオピアオオカミは世界でもっとも希少なイヌ科。保護には地域共同体のための代わりの生計の選択肢の開発が必要と書かれている。イエローストーンは落雷起源の火災を燃えるままにするが、シミエンでは頻繁な火災が脅威——同じ火が資産によって価値と脅威に分かれる。
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:シミエン国立公園の完全性の節が、登録の時点について書いていることは?
- 公園は無人の区域に設定された
- 人の利用は公園の20%にとどまっていた
- 資産は人が住む区域に設定され、公園の80%が何らかの形の人の利用の下にあった
- 資産は人が住む区域に設定されたが、登録の時点では人の利用は周縁部に限られていた
正解と解説を開く
正解:3.資産は人が住む区域に設定され、公園の80%が何らかの形の人の利用の下にあった
> 資産は人が住む区域に設定され、登録の時点で公園の80%が何らかの形の人の利用の下にあった。耕作と放牧がワリアアイベックスとエチオピアオオカミの決定的な生息地を含めて資産の自然の価値を深刻に損なってきたとされます。「人が住む区域に設定された」と明記されています。
確認2:シミエン国立公園の境界について、UNESCO の記述に合うものは?
- 鍵となる種の個体群を維持するのに必要なすべての区域は含んでおらず、拡張の提案が当初の推薦書で出されていた
- 境界は必要なすべての区域を含んでいる
- 境界の拡張は2017年の危機遺産の解除とともに完了した
- 景観の価値を保つ鍵となる区域は含むが鍵となる種の区域は含まず、境界を拡張する提案は危機遺産に記載されたあとに初めて出された
正解と解説を開く
正解:1.鍵となる種の個体群を維持するのに必要なすべての区域は含んでおらず、拡張の提案が当初の推薦書で出されていた
> 資産の境界は景観の価値を保つのに不可欠な鍵となる区域を含んでいる。しかしながら、ワリアアイベックスとエチオピアオオカミの個体群を維持し高めるのに必要なすべての区域を含んではおらず、境界を見直し拡張する提案が当初の推薦書で出されていた。登録の時の推薦書に、すでに拡張の提案が入っていました。提案された二つの拡張は人の集落と耕作が無い区域です。
確認3:シミエン国立公園の基準(vii)が、景観の価値をどう説明しているか。
- エチオピア高原で唯一の火山景観である
- 世界最大のカルデラを含んでいる
- シミエン山地の壮観な景観はグランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられており、同じ地質学的な過程で形成された
- シミエン山地の壮観な景観は、グランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられている
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正解:4.シミエン山地の壮観な景観は、グランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられている
> シミエン山地の壮観な景観は、グランド・キャニオン(米国)に匹敵すると考えられている。一次資料がほかの世界遺産を引き合いに出して価値を説明している例です。形成の過程が同じという記述はありません(シミエンは何百万年にわたる侵食)。世界最大のカルデラはイエローストーン28 です。
確認4:シミエン国立公園の保護について「必要である」と書かれているものは?
- 公園からの住民の全面的な移転
- 公園の管理と、地域共同体のための代わりの生計の選択肢の開発への相当な財政的支援
- 家畜の全面的な禁止
- 公園の管理への相当な財政的支援と、地域共同体を公園の外へ段階的に移転させる計画の策定
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正解:2.公園の管理と、地域共同体のための代わりの生計の選択肢の開発への相当な財政的支援
> 公園の管理と、地域共同体のための代わりの生計の選択肢の開発に、相当な財政的支援が必要である。移転や全面禁止は書かれていません。管理の鍵となる仕事として地域共同体との密な協力が挙げられ、地域共同体の完全な参加を伴う境界の見直しと拡張が不可欠とされます。暮らしの代わりを作ることが保護です。
参考資料
確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。