ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区のツガイ森林群

登録年
2023年
所在国
タジキスタン
登録区分
自然遺産
地域
アジア
登録基準
(ix)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 基準が(ix)だけ

タジキスタン南西部、ヴァフシュ川とパンジ川の間。アフガニスタンとの国境。

本体 49,786 ha
緩衝地帯 17,672 ha(本体の約0.36倍)
登録 2023年、基準 (ix)だけ=1つ
dossier 1685(bis / rev なし)
軽微な範囲変更 一覧に記載なし
保存状況報告 一覧に記載なし
GIS データ 未受領
ほかの保全の仕組み ラムサール1要素(パンジ川下流部)
区分 国家自然保護区(IUCN カテゴリー Ia)

二つの川が合流してアムダリヤになる

「合流はアムダリヤとして続き、中央アジア最大の川としてアラル海へ流れる」とされます。

何が含まれるか

広大な河畔のツガイ生態系 —
砂のカシュカクム砂漠 —
ブリタウ峰 —
ホジャ・カジヨン山地 アルクタウ山脈の南の支脈の低い山(標高1,000-1,200 m)

「資産は、沖積土に覆われた一連の氾濫原の段丘からなり、谷にきわめて固有な生物多様性を伴うツガイの河畔林を含む」とされます。

緩衝地帯が本体より小さい

本体49,786 ha に対して緩衝地帯17,672 ha(約0.36倍)。22章のアッコ1042 と同じ約0.36倍です。

基準(ix)だけで、何が価値とされているか

ティグローヴァヤ・バルカの自然の複合は、砂漠=ツガイの生物群集(biocenoses)とその特徴的な植物と動物の群落の進化と発展において起きている連続的な生態と生物の過程の際立った例である。

生息地が複数重なる

生息地
ツガイの河畔林 —
淡水の水域と沼沢 —
半砂漠 —
タキル(takirs) 粘土質の平坦地
ソロンチャク(solonchaks) 塩類土壌

「保護区は、ツガイの低地林だけでなく、ステップと半砂漠の区域とそのさまざまな移行帯(ecotones)も含み、そこには多くの狭適応(stenoeceous)の植物種が見出される」とされます。

「保護区の森、砂と塩の半砂漠、山麓の半サバンナ、さまざまな湿地は、領域の水文の体制の変化に動的に適応している」と書かれます。

木と動物

樹木と低木 耐水性で好熱性、耐塩性——アジアポプラ(青ポプラ)、ジダ(グミ)、多枝のギョリュウ
バクトリアジカ 「保護区における個体群は300頭を超える」
ほかの動物 ゴイタードガゼル、シマハイエナ、ハイイロオオトカゲ、タジクキジ、および多くの水鳥

世界で唯一の場所

保護区の24,100 ha のツガイ林は、この種のツガイ林として中央アジアで最大かつ最も無傷であり、ここは、アジアポプラのツガイ生態系がこの大きさの区域にわたって元の状態で保存されている世界で唯一の場所である。

「49,786 ha の資産のうち24,100 ha がツガイ林」です。資産の面積とツガイ林の面積は別なので、混ぜません。

完全性 — 八つのダムが、依存する洪水を減らしている

一体性 「保護区は不可分の自然の複合であり、その主要な構成要素は共通の起源と自然の発展の動態によって互いに分離できないほど結びついている」
大きさ 「資産の大きさ(49,786 ha)は、ツガイ生態系の持続可能な機能を支えるのに十分である」
緩衝地帯 「保護区の緩衝地帯(17,672 ha)は、場所によっては狭いが、資産の完全性への追加の保証を与える」

緩衝地帯が「場所によっては狭い」と明記される資産は、これまで読んだ176件でここだけです。面積だけでなく形まで書かれています。

八つのダムが洪水を減らしている

資産の完全性はヴァフシュ川とパンジ川の河畔の動態に依存する。ヴァフシュが最も重要だが、八つのダムによって最も改変されてもいる。これらのダムは季節間と年間の流れの動態を変え、河畔のツガイ生態系が依存する洪水を減らしている。パンジ川沿いの区間だけがいまも自然の河畔の動態の何らかの影響のもとにあるが、その河畔の林は限られた大きさである。

「最も重要」と「最も改変されている」が同じ川について書かれます。どちらかに寄せず、両方を記録します。

水の体制は「回復されたが、絶え間ない注意を要する」

水の均衡はいまや、灌漑体系からの二次的な水源によって部分的に支えられている。資産内の水の体制は、資産の完全性が確保される程度まで回復されたが、その事柄は絶え間ない注意と行動を要する。

「回復された」と「絶え間ない注意を要する」が並びます。27章のコルドゥアン灯台1625 の「絶え間ない改修を不可欠にする」と同じ型で、状態を保つために働き続けることが前提になっています。

隣接地の経済活動

生物物理の過程と自然の景観の特性は、隣接する土地で行われる経済活動(灌漑農業と牛の放牧)によって間接的に影響されるが、登録の時点では資産に著しい影響を与えておらず、その水の足跡は大きく減らされている。

「登録の時点では」という限定に注意します。その後どうなったかは書かれていません。

保護管理 — レンジャーの人数が書かれ、水路を掃除する

法令と地位

地位 「1938年以来国家自然保護区の地位を持つ——タジキスタンの最高の自然保護の地位で、IUCN カテゴリー Ia に対応する」
所属 「タジキスタン共和国政府のもとの国家環境保護委員会の構造的下部区分」
法 「2014年11月27日の法『特別に保護された自然領域について』に従って運営する」

レンジャーの人数が書かれる

保護区の保護は、30人のレンジャーと5人の上級レンジャーからなる特別監察業務の責任であり、彼らは日々の巡回と夜間パトロールを行う。

職員の人数が書かれる資産は少ないので、そのまま記録します。合わせて35人です。

遺産 職員について書かれていること
ティグローヴァヤ・バルカ1685 30人のレンジャーと5人の上級レンジャー。日々の巡回と夜間パトロール
マルボルク847(22章) 「高度に資格のある保全と教育の部局と適切な資金を自由に使える」(人数は無い)
サント・ドミンゴ526 「より有能でより多数の技術職員を与えることが必要」(不足)

境界の内と外

農業、畜産、ほかの経済活動は資産の境界内では厳しく禁じられているが、隣接する領域では起きている。「ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区の自然保護の制度は、資産内の攪乱されない自然の過程を確かにするための必要な物質と人の資源を持っている」。

管理計画と「能動的管理」

管理計画 「保護区の管理者は中期の管理計画に従って運用の保護と保存を行う。それは保護、科学研究、保存状況の監視、環境教育、地元の人々との相互作用の固有の措置、その実施の時期、行為者、資金源、期待される結果を定める」

管理計画の中身が「時期、行為者、資金源、期待される結果」まで書かれる資産は少ないので、そのまま記録します。

水路を掃除する

保護区の管理者は、上流のダムによる水文の体制の攪乱に対抗するため、広範な能動的管理(active management)の事業を行う。その中心にあるのは、ヴァフシュ川から湖へ、また湖のあいだに水を届けるための水路の定期的な掃除である。顕著な普遍的価値の維持は、上流の水源からの定期的な水の供給に依存する。

自然遺産の管理が「能動的管理」と呼ばれ、具体的な作業(水路の掃除)が書かれる資産は、これまで読んだ176件でティグローヴァヤ・バルカ1685 とメ渓谷261(種子の収集と植え付け)の二つです。

「顕著な普遍的価値の維持は、上流の水源からの定期的な水の供給に依存する」という一文で節が終わります。資産の外(上流)の条件に価値の維持が依存すると明記される例です。

2級で押さえること

基準(ix)だけ=1つ、本体49,786 ha / 緩衝地帯17,672 ha(本体の約0.36倍)、2023年登録、dossier 1685(bis / rev なし)、一覧に軽微な範囲変更・保存状況報告の記載は無い、GIS データ未受領、ラムサール1要素(パンジ川下流部)、国家自然保護区(IUCN カテゴリー Ia)、自然遺産なので節は三つ。ヴァフシュ川とパンジ川の間、アフガニスタンとの国境。合流はアムダリヤとして続き、中央アジア最大の川としてアラル海へ流れる。広大な河畔のツガイ生態系、砂のカシュカクム砂漠、ブリタウ峰、アルクタウ山脈の南の支脈の低い山(標高1,000-1,200 m)のホジャ・カジヨン山地。「沖積土に覆われた一連の氾濫原の段丘」からなる。緩衝地帯が本体より小さい(約0.36倍。22章のアッコ1042 と同じ比)。基準(ix)だけで、「砂漠=ツガイの生物群集(biocenoses)とその特徴的な植物と動物の群落の進化と発展において起きている連続的な生態と生物の過程の際立った例」。生息地はツガイの河畔林/淡水の水域と沼沢/半砂漠/タキル(粘土質の平坦地)/ソロンチャク(塩類土壌)で、「ステップと半砂漠の区域とそのさまざまな移行帯(ecotones)」に「多くの狭適応(stenoeceous)の植物種」が見出される。「保護区の森、砂と塩の半砂漠、山麓の半サバンナ、さまざまな湿地は、領域の水文の体制の変化に動的に適応している」。樹木と低木は耐水性で好熱性、耐塩性(アジアポプラ=青ポプラ、ジダ=グミ、多枝のギョリュウ)。バクトリアジカの個体群は「300頭を超える」。ほかにゴイタードガゼル、シマハイエナ、ハイイロオオトカゲ、タジクキジ、多くの水鳥。「保護区の24,100 ha のツガイ林は、この種のツガイ林として中央アジアで最大かつ最も無傷であり、ここは、アジアポプラのツガイ生態系がこの大きさの区域にわたって元の状態で保存されている世界で唯一の場所である」——資産の面積(49,786 ha)とツガイ林の面積(24,100 ha)は別なので混ぜない。完全性で、緩衝地帯が「場所によっては狭い」と明記される資産は176件でここだけ(面積だけでなく形まで書かれる)。八つのダムが、依存する洪水を減らしている——「資産の完全性はヴァフシュ川とパンジ川の河畔の動態に依存する。ヴァフシュが最も重要だが、八つのダムによって最も改変されてもいる。これらのダムは季節間と年間の流れの動態を変え、河畔のツガイ生態系が依存する洪水を減らしている。パンジ川沿いの区間だけがいまも自然の河畔の動態の何らかの影響のもとにあるが、その河畔の林は限られた大きさである」。「最も重要」と「最も改変されている」が同じ川について書かれるので、どちらかに寄せず両方を記録する。「水の均衡はいまや、灌漑体系からの二次的な水源によって部分的に支えられている。資産内の水の体制は、資産の完全性が確保される程度まで回復されたが、その事柄は絶え間ない注意と行動を要する」——27章のコルドゥアン灯台1625 の「絶え間ない改修を不可欠にする」と同じ型で、状態を保つために働き続けることが前提になっている。隣接地の経済活動(灌漑農業と牛の放牧)は「間接的に」影響するが「登録の時点では資産に著しい影響を与えておらず、その水の足跡は大きく減らされている」——限定に注意し、その後は書かれていない。1938年以来の国家自然保護区(タジキスタンの最高の自然保護の地位、IUCN カテゴリー Ia)。国家環境保護委員会の構造的下部区分で、2014年11月27日の法「特別に保護された自然領域について」に従って運営する。レンジャーの人数が書かれる——「保護区の保護は、30人のレンジャーと5人の上級レンジャーからなる特別監察業務の責任であり、彼らは日々の巡回と夜間パトロールを行う」。合わせて35人。農業、畜産、ほかの経済活動は「資産の境界内では厳しく禁じられているが、隣接する領域では起きている」。「自然保護の制度は、資産内の攪乱されない自然の過程を確かにするための必要な物質と人の資源を持っている」。管理計画の中身が「保護、科学研究、保存状況の監視、環境教育、地元の人々との相互作用の固有の措置、その実施の時期、行為者、資金源、期待される結果」まで書かれる(中期の管理計画)。自然遺産の管理が「能動的管理(active management)」と呼ばれ、具体的な作業が書かれる——「上流のダムによる水文の体制の攪乱に対抗するため、広範な能動的管理の事業を行う。その中心にあるのは、ヴァフシュ川から湖へ、また湖のあいだに水を届けるための水路の定期的な掃除である」。メ渓谷261(種子の収集と植え付け)と二つ。「顕著な普遍的価値の維持は、上流の水源からの定期的な水の供給に依存する」で節が終わる——資産の外(上流)の条件に価値の維持が依存すると明記される例。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産は、準1級のキーワードで2通りに出てきます

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
気候帯気候帯が、その資産で果たしている役「領域の水文の体制の変化に動的に適応している」
人為的な環境問題起きたことと、起こりうることの書き分け「八つのダム」

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。同じ資産が、キーワードごとに別の一文で引かれます。「この遺産はどのテーマか」ではなく、「このキーワードで読むと、この遺産の何が見えるか」で読みます。

キーワードで練習する

級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:ヴァフシュ川について、完全性の節に書かれているのは?

  1. ヴァフシュ川については書かれていない
  2. 資産の完全性にとって最も重要で、いまも自然の河畔の動態を保っている
  3. 八つのダムによって最も改変されているので、資産の完全性にとっては重要でないとされている
  4. 資産の完全性にとって最も重要だが、八つのダムによって最も改変されてもいる
正解と解説を開く

正解:4.資産の完全性にとって最も重要だが、八つのダムによって最も改変されてもいる

「最も重要」と「最も改変されている」が同じ川について書かれます。どちらかに寄せず、両方を記録します。ダムは「河畔のツガイ生態系が依存する洪水を減らしている」とされます。

確認2:ティグローヴァヤ・バルカの能動的管理の中心にあるのは?

  1. ヴァフシュ川から湖へ、また湖のあいだに水を届けるための水路の定期的な掃除
  2. 能動的管理については書かれていない
  3. 上流のダムの運用を変えさせるための関係機関との交渉
  4. ヴァフシュ川から湖へ、また湖のあいだに水を届けるための新しい水路の建設と、上流のダムの撤去
正解と解説を開く

正解:1.ヴァフシュ川から湖へ、また湖のあいだに水を届けるための水路の定期的な掃除

自然遺産の管理が「能動的管理」と呼ばれ具体的な作業が書かれる資産は、メ渓谷261(種子の収集と植え付け)とこの二つです。節は「顕著な普遍的価値の維持は、上流の水源からの定期的な水の供給に依存する」で終わります。

確認3:ティグローヴァヤ・バルカのレンジャーについて、保護管理の節に書かれているのは?

  1. レンジャーの人数は書かれていない
  2. 30人のレンジャーと5人の上級レンジャーが、日々の巡回と夜間パトロールを行う
  3. 30人のレンジャーと5人の上級レンジャーがいるが、人員が不足していると書かれている
  4. 5人のレンジャーと30人の上級レンジャーが、日々の巡回と夜間パトロールを行う
正解と解説を開く

正解:2.30人のレンジャーと5人の上級レンジャーが、日々の巡回と夜間パトロールを行う

職員の人数が書かれる資産は少ないので、そのまま記録します。合わせて35人です。一次資料は「必要な物質と人の資源を持っている」と書いているので、不足とは書かれていません。

確認4:ティグローヴァヤ・バルカの緩衝地帯について、完全性の節に書かれているのは?

  1. 緩衝地帯については書かれていない
  2. 17,672 ha で、資産の全周にわたって十分な幅を持っている
  3. 17,672 ha で、場所によっては狭いが、資産の完全性への追加の保証を与える
  4. 17,672 ha で、場所によっては狭いので、資産の完全性への保証にはなっていない
正解と解説を開く

正解:3.17,672 ha で、場所によっては狭いが、資産の完全性への追加の保証を与える

緩衝地帯が「場所によっては狭い」と明記される資産は、これまで読んだ176件でここだけです。面積だけでなく形まで書かれています。それでも「追加の保証を与える」とされるので、評価をそのまま写します。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。