ヴェゼール渓谷の装飾洞窟と先史遺跡

登録年
1979年
所在国
フランス
登録区分
文化遺産
地域
ヨーロッパ
登録基準
(i) (iii)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 遺跡の数が三通りに書かれる

フランス、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏ドルドーニュ県。

本体 105.733 ha
緩衝地帯 17,022 ha(本体の約161倍)
登録 1979年
軽微な範囲変更 2023年
基準 (i)(iii)
dossier 85bis
連続性資産 はい(Serial: yes)
概要の見出し `Brief description`(`Brief synthesis` ではない)
保存状況報告 6年分(2008〜2015年)
ほかの保全の仕組み 生物圏保存地域1要素——ドルドーニュ盆地

概要の見出しが `Brief description` なのは、8章のル・アーヴル1181 と同じです。

遺跡の数が三通りに書かれる

書かれている場所 数
説明文 「旧石器時代に遡る147の先史遺跡と25の装飾洞窟」
概要(前半) 「旧石器時代に遡る150を超える堆積と、約30の装飾洞窟」
概要(後半) 「この資産は、強い旧石器時代の占拠を証する15の先史遺跡からなる」

「147/25」「150超/約30」「15」の三つです。

渓谷全体には147(または150超)あり、登録されているのは15件と読めます。

24章で記録した `_part_of_a_whole`(これが全部ではない)の系統です。「資産の数」と「地域にある数」を混同しません。

範囲

この広大な領域はおよそ30 km × 40 kmで、その洞窟絵画——とくに1940年に発見されたラスコー洞窟のもの——をもって、民族学・人類学・美の観点から際立った関心を引く。

それはまた、ヨーロッパの第四紀の先史の文明のための年代の枠組みの確立を可能にした。

「年代の枠組みの確立を可能にした」という書き方です。

15の遺跡に何が含まれるか

種類
装飾洞窟
葬送の場所
工房
原材料の採取の区域
住まい
狩猟の場面

さらに、考古の保留地としてのその潜在力は相当なものであり、世界遺産リストへの登録以来、予防の発掘として行われた発見がそれを示している。

「登録以来の発見」が潜在力の証拠として挙げられています。

二つの基準 — ラスコーと、名前のある作品

基準 中身
(i) ヴェゼール渓谷の洞窟に見られる具象の総体の一部は、先史芸術の傑作として普遍的に認められている
(iii) ヴェゼール渓谷で見つかった物と芸術作品は、長く絶滅した、理解がきわめて難しい文明のきわめてまれな証人である

基準(i)に挙がる三つ

作品 場所
ローセルのヴィーナス マルケー
高浮彫の馬のフリーズ カップ・ブラン
ラスコー洞窟の壁画 モンティニャック

ラスコー洞窟の発見は、1940年、先史芸術の歴史における重要な日付を印している——巧みに構成された狩猟の場面が100近い動物の姿を示し、その観察の精確さ、色の豊かさ、描写の生き生きとしたさまにおいて驚くべきものである。

基準(iii)

この資料は、人類の歴史のもっとも遠い時代の知識にとってかけがえのないものであり、旧石器時代に遡り、歴史・民族学・人類学・美の観点から例外的な関心を引く。

四つの観点が並んでいます。

この章では、「理解がきわめて難しい」「目的は不明のままである」のように、分からないことが書かれる資産がいくつもありました。

遺産 分からないこと
ヴェゼール渓谷85 長く絶滅した、理解がきわめて難しい文明
ストーンヘンジ373 シルベリー・ヒルの目的は不明のままである。記念物の元の儀礼の使用は知られていない
マルタの巨石神殿群132 形と配置、また中で見つかった人工物が、それらが高度に組織された社会の重要な儀礼の焦点であったことを示唆している
カカドゥ147 小型哺乳類の減少の原因は不明

ゼミは、「不明」「示唆している」をそのまま記録します。説明を補いません。

完全性と真正性 — ラスコーは1963年に閉じられた

完全性

旧石器時代の遺跡の結びつきと密度が、ヴェゼール渓谷を顕著な普遍的価値の属性を完全に映す総体にしている。 その年代(40万年前から1万年前)によって、これらの遺跡は先史の人類の占拠と芸術の生産の多様性を映している。

年代の幅が「40万年前から1万年前」と書かれています。

この章では、年代の幅がもっとも広い資産です。

遺産 年代の幅
ヴェゼール渓谷85 40万年前から1万年前
サンギラン593 過去240万年(人類・動物・文化の進化)
南アフリカの更新世の居住地群1723 162,000年前から38,000年前=約124,000年の時間幅
ヒマー1619 少なくとも7,000年
ストーンヘンジ373 紀元前3700年ごろから1600年ごろ=約2000年

遺跡の本質的なものは、それらが発見されたときの状態で保存されており、その真正性を確かにしている。 その環境の完全性も、主として伝統的な田園の文脈の中で保存されている。

研究の長い歴史

遺構はよく保存され記録されている。 先史学のこの先駆の地域における研究の長い歴史が、遺跡の例外的な水準の理解と記録を与えている——国と領域の共同体のための共有の普及の道具「ポール・アンテルナシオナル・ド・ラ・プレイストワール」を含めて。

「研究の長い歴史が理解と記録を与えている」ことが完全性の中身として書かれます。

真正性 — 二度の脅威

ラスコーの絵の保全に関する脅威——それは1963年に洞窟の公開を閉じること、国による取得、厳格な管理措置の採択にすでに至っていた——が、2000年に生物の増殖のあいだに新たに生じたにもかかわらず、絵と堆積の真正性は確かにされている。

年 何が起きたか
1963年 洞窟の公開を閉じる/国による取得/厳格な管理措置の採択
2000年 生物の増殖

「茶色の斑点」によって変えられたラスコーの絵の表面は、最小である。

「最小である」と書かれています。「無い」ではありません。

誰が守っているか — アクセスはつねに暫定的

法

資産をなす15の先史遺跡のこの連なりは、高い水準の法的保護の恩恵を受けている——歴史記念物として記載され、一部の遺跡は環境法典のもとで記載されている。

洞窟は閉じられている

その保全を保証するため、いくつかの洞窟は、その脆弱性のゆえに公開を閉じられている。アクセスはつねに暫定的である。

「アクセスはつねに暫定的である(Access is always provisional)」と書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。

この章では、保護の手段が「暫定」と明記される資産が二つありました。

遺産 暫定と書かれるもの
ヴェゼール渓谷85 洞窟へのアクセスはつねに暫定的
マルタの巨石神殿群132 軽量で取り外せる保護の覆いが、寿命を延ばす暫定の戦略として実施されてきた
カイロ89(11章) 2022年9月に暫定の行政構造を採択

誰が監視するか

それらの保全の状態の監視は、国の権限のもとで、科学界の参加をもって、これらの区域の管理者によって確かにされている。

科学界の担い手
国立先史センター
歴史記念物研究実験室
ラスコー洞窟国際科学委員会

三つの機関が名指しされています。

渓谷全体の保護

渓谷の領域の総体のための保護は、いまや数年にわたって実施されてきた。それは、遺跡を取り囲む直近の環境の保護と、解説センターにおけるそれらの提示を優先する方針に基づいている——モンティニャックの洞窟芸術国際センターのような。それはラスコー洞窟の新しい複製を含んでいる。

「洞窟の複製」が保護の方針の一部として書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。

在地の委員会

すべての相手を集め、国によって調整される在地の委員会は、資産の顕著な普遍的価値・完全性・真正性を保存するために行われるべき主要な論点と行動を定めることを目的とし、とくに、領域で並行して行われている「グラン・シット・ド・フランス」の運営に結びついたすべての作業に基づいている。

「領域で並行して行われている運営」に基づくという書き方です。

2級で押さえること

基準(i)(iii)、本体105.733 ha・緩衝17,022 ha(約161倍)、1979年登録・2023年に軽微な範囲変更(dossier は 85bis)、連続性資産(Serial: yes)、概要の見出しが `Brief description`(8章のル・アーヴル1181 と同じ)、保存状況報告6年分(2008〜2015年)、生物圏保存地域1要素(ドルドーニュ盆地)。遺跡の数が三通りに書かれる——説明文「147の先史遺跡と25の装飾洞窟」/概要前半「150を超える堆積と約30の装飾洞窟」/概要後半「この資産は……15の先史遺跡からなる」。渓谷全体には147(または150超)あり、登録されているのは15件と読める——24章の「これが全部ではない」の系統で、「資産の数」と「地域にある数」を混同しない。範囲はおよそ30 km × 40 km。「ヨーロッパの第四紀の先史の文明のための年代の枠組みの確立」を可能にした。15の遺跡には装飾洞窟・葬送の場所・工房・原材料の採取の区域・住まい・狩猟の場面が含まれ、「考古の保留地としてのその潜在力は相当なもの」で、登録以来の予防の発掘での発見がそれを示している。基準(i)に挙がるのはマルケーのローセルのヴィーナス、カップ・ブランの高浮彫の馬のフリーズ、モンティニャックのラスコー洞窟の壁画で、ラスコーの1940年の発見は「先史芸術の歴史における重要な日付を印している」。狩猟の場面は100近い動物の姿を示し、観察の精確さ・色の豊かさ・描写の生き生きとしたさまにおいて驚くべきもの。基準(iii)は「長く絶滅した、理解がきわめて難しい文明のきわめてまれな証人」とし、歴史・民族学・人類学・美の四つの観点を挙げる。完全性で年代が「40万年前から1万年前」と書かれ、この章でもっとも広い幅。「遺跡の本質的なものは、それらが発見されたときの状態で保存されており、その真正性を確かにしている」。環境の完全性も「主として伝統的な田園の文脈の中で」保存されている。「先史学のこの先駆の地域における研究の長い歴史が、遺跡の例外的な水準の理解と記録を与えている」——ポール・アンテルナシオナル・ド・ラ・プレイストワールを含む。真正性でラスコーの脅威が二度書かれる——1963年に洞窟の公開を閉じ、国が取得し、厳格な管理措置を採択するに至った脅威が、2000年に生物の増殖のあいだに新たに生じた。それでも「絵と堆積の真正性は確かにされている」。「茶色の斑点」によって変えられた表面は「最小である」(「無い」ではない)。15の遺跡は歴史記念物として記載され、一部は環境法典のもとで記載されている。「いくつかの洞窟は、その脆弱性のゆえに公開を閉じられている。アクセスはつねに暫定的である」——「つねに暫定的」と書かれるのは120件でここだけ。監視は国の権限のもとで科学界の参加をもって行われ、国立先史センター・歴史記念物研究実験室・ラスコー洞窟国際科学委員会が名指しされる。渓谷全体の保護は、遺跡を取り囲む直近の環境の保護と、解説センターにおける提示を優先する方針に基づき、モンティニャックの洞窟芸術国際センターは「ラスコー洞窟の新しい複製」を含む——洞窟の複製が保護の方針の一部として書かれるのも120件でここだけ。在地の委員会は国によって調整され、「グラン・シット・ド・フランス」の運営に結びついたすべての作業に基づいている。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産が出てくるキーワード

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
芸術(音楽・絵画)作品が登録の理由なのか、資産の中身なのか「1940年に発見されたラスコー洞窟」

いまのところ、この遺産が出てくるキーワードは1つです。ゼミの試作46本で数えた話で、公式テキストの分類ではありません。

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。このキーワードの練習では、ほかの参加記事と並べて読みます——同じ論点が、別の資産でどう書かれているかを見るためです。

キーワードで練習する

級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:ヴェゼール渓谷の遺跡の数について、UNESCO のページに書かれているのは?

  1. 説明文と概要の両方で「147の先史遺跡と25の装飾洞窟」
  2. 遺跡の数は書かれていない
  3. 説明文「147の先史遺跡と25の装飾洞窟」/概要「150を超える堆積と約30の装飾洞窟」/概要「15」の三通りに書かれており、そのうち「15」は装飾洞窟だけの数である
  4. 説明文「147の先史遺跡と25の装飾洞窟」/概要「150を超える堆積と約30の装飾洞窟」/概要「この資産は15の先史遺跡からなる」の三通り
正解と解説を開く

正解:4.説明文「147の先史遺跡と25の装飾洞窟」/概要「150を超える堆積と約30の装飾洞窟」/概要「この資産は15の先史遺跡からなる」の三通り

三通りです。「15」は装飾洞窟だけの数ではありません——「この資産は、強い旧石器時代の占拠を証する15の先史遺跡からなる」で、装飾洞窟・葬送の場所・工房・原材料の採取の区域・住まい・狩猟の場面を含みます。渓谷全体には147(または150超)あり、登録されているのは15件と読めます。「資産の数」と「地域にある数」を混同しません。

確認2:ヴェゼール渓谷の完全性に書かれている年代の幅は?

  1. 40万年前から1万年前
  2. 240万年前から現在まで
  3. 年代の幅は書かれていない
  4. 40万年前から1万年前で、それはこの章でもっとも狭い幅である
正解と解説を開く

正解:1.40万年前から1万年前

> その年代(40万年前から1万年前)によって、これらの遺跡は先史の人類の占拠と芸術の生産の多様性を映している。もっとも狭い幅ではありません——この章ではサンギラン593 の「過去240万年」がより長く、ストーンヘンジ373 の「約2000年」がもっとも短いです。

確認3:ヴェゼール渓谷のラスコー洞窟について、UNESCO の記述に合うものは?

  1. 1963年に公開を閉じた後、脅威は生じていない
  2. ラスコー洞窟についての記述は無い
  3. 1963年に公開を閉じ、国が取得し、厳格な管理措置を採択するに至った脅威が、2000年に生物の増殖のあいだに新たに生じた
  4. 1963年に公開を閉じ、国が取得し、厳格な管理措置を採択して以来、2000年の生物の増殖を含む脅威が続いたため、絵の真正性は失われた
正解と解説を開く

正解:3.1963年に公開を閉じ、国が取得し、厳格な管理措置を採択するに至った脅威が、2000年に生物の増殖のあいだに新たに生じた

> ラスコーの絵の保全に関する脅威——それは1963年に洞窟の公開を閉じること、国による取得、厳格な管理措置の採択にすでに至っていた——が、2000年に生物の増殖のあいだに新たに生じたにもかかわらず、絵と堆積の真正性は確かにされている。真正性は失われていません。「茶色の斑点」によって変えられた表面は「最小である」(「無い」ではありません)。

確認4:ヴェゼール渓谷の洞窟へのアクセスについて、UNESCO の記述に合うものは?

  1. すべての洞窟が恒久的に閉じられている
  2. いくつかの洞窟は脆弱性のゆえに公開を閉じられており、「アクセスはつねに暫定的である」
  3. アクセスについての記述は無い
  4. いくつかの洞窟は閉じられて「アクセスはつねに暫定的」とされ、そのため複製も作られていない
正解と解説を開く

正解:2.いくつかの洞窟は脆弱性のゆえに公開を閉じられており、「アクセスはつねに暫定的である」

> その保全を保証するため、いくつかの洞窟は、その脆弱性のゆえに公開を閉じられている。アクセスはつねに暫定的である。複製は作られています——モンティニャックの洞窟芸術国際センターは「ラスコー洞窟の新しい複製」を含みます。「つねに暫定的」と書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。