どこにあり、何が登録されたのか — 境界が縮小した
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州南西部の半乾燥地帯。
| 本体 | 240,000 ha |
|---|---|
| 緩衝地帯 | 一覧に行が無い |
| 登録 | 1981年、基準 (iii)(viii)(文化1+自然1=複合遺産) |
| dossier | 167 |
| 保存状況報告 | 1994年・1995年 |
境界が縮小した
| 時点 | 面積 |
|---|---|
| 推薦時 | 約3,700 km² |
| 1995年の改訂後 | 約2,400 km² |
1995年に、資産の境界は「世界遺産の価値を含む区域をよりよく定め、……資産の管理を容易にする」ために改訂された。 改訂された境界は地形の特徴に従い、境界の内側に適切な緩衝を伴って、湖と川の体系の全体をより近く画するが、無関係な牧畜の区域を除外している。
「境界の内側に適切な緩衝」という書き方です。一覧に緩衝地帯の行が無いことと合わせて読むと、緩衝が資産の内側に取られていると読めます。ただし一次資料はそう明記していないので、断定しません。
境界が縮小したと書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。
4章の英国の湖水地方422 は緩衝なし、8章のマラケシュ331 は「境界の見直しが想定されている」でした。境界は広がるだけではありません。
何があるか
ウィランドラ湖地域は、遺存湖の体系を含み、その堆積物・地形・土壌が低標高で氷河に覆われなかった更新世の景観の際立った記録を含んでいる。
それはまた、後期更新世の氷期・間氷期の気候の振動、とくに過去10万年にわたるものの際立った記録も含んでいる。
約18,500年前に湖の生態系として機能することをやめたウィランドラ湖は、人類が現在の形へ進化した時代である更新世の生命を記録するための優れた条件を与えている。
「約18,500年前に機能をやめた」ことが、記録が残った理由として書かれています。
二つの基準 — 世界最古の儀礼的火葬
何が見つかったか
乱されていない層序の文脈が、ホモ・サピエンス・サピエンスの経済の生活が再構成されるための際立った証拠を与えている。
炉・石器・貝塚のような考古の遺構が、在地の資源への顕著な適応と、人間の文化と変わる自然の環境との魅力的な相互作用を示している。
巨大な有袋類のよく保存された化石もここで見つかっている。
年代が三通りに書かれる
| 書かれている場所 | 年代 |
|---|---|
| 説明文 | 「45,000〜60,000年前に遡る人類の占拠の考古の証拠」 |
| 概要 | 「占拠の堆積の証拠は、42,000年前までに人類がオーストラリアまで分散していたことを確立する」 |
| 基準(iii) | 「ほぼ50,000年 BP からのホモ・サピエンス・サピエンスの証拠」 |
45,000〜60,000/42,000/ほぼ50,000 の三通りです。
「占拠の証拠」と「分散を確立する証拠」は別のことを述べているとも読めますが、一次資料はその関係を明記していません。
ゼミは、書かれている場所とともに三つすべてを記録します。
世界最古の儀礼的火葬
| 見つかったもの | 年代 |
|---|---|
| 火葬 | 約40,000年 BP。世界でもっとも古い儀礼的火葬の遺跡 |
| 複雑な植物食採集の体系の痕跡 | 18,000年 BP より前。野生の草の種から粉を作る磨石を伴う——中東でのそれらの使用とほぼ同じ時期に |
| 顔料 | 42,000年 BP より前にこれらの湖岸へ運ばれた |
| 人類の化石の足跡道 | 19,000〜23,000年 BP。登録以降に発見された |
「中東でのそれらの使用とほぼ同じ時期に」と、ほかの地域と比較されています。
この地域からの証拠は、初期オーストラリアの石器の類型が定められることを可能にしてきた。
二つの基準
| 基準 | 区分 | 中身 |
|---|---|---|
| (iii) | 文化 | 約18,500年 BP のウィランドラ湖の乾燥が、初期の人びとが環境とどう相互に働きかけたかの顕著な証拠の生き残りを許した。乱されていない層序が、ほぼ50,000年 BP からのホモ・サピエンス・サピエンスの証拠——もっとも早い知られた火葬、化石の足跡道、磨石の技術の早い使用、淡水資源の利用を含む——を明らかにしてきた |
| (viii) | 自然 | オーストラリアの地質の環境は、その低い地形の起伏と低エネルギーの体系をもって、それが保存する景観の長命さにおいて唯一無二である。ウィランドラ湖は、過去10万年にわたる気候と関連する環境の変化への例外的な窓を与えている |
分野の結びつき
この遺跡における地形と土壌生成・古化学・気候学・考古学・考古地磁気学・放射性炭素年代決定・古生態学・動物相の絶滅のあいだの緊密な相互の結びつきの実証は、オーストラレーシア地域における更新世の研究の古典的な目印を表している。
八つの分野が並んでいます。これまで読んだ120件で、一つの文に分野の名がもっとも多く並ぶ資産です。
ウィランドラ湖地域はまた、人類がオーストラリアで優勢になり、野生生物の大きな種が絶滅した時代を調べるために例外的に重要であり、これらの出来事において人類がどんな役割を果たしたかを明らかにするために研究が続いている。
「研究が続いている」で終わります。結論は書かれていません。
真正性が、二つの見方で書かれる
この資産の真正性の節は、誰にとっての真正性かを書き分けています。これまで読んだ120件でここだけの形です。
一つ目 — 科学の調査による
ウィランドラの自然とアボリジナルの文化遺産の価値の真正性は、まず第一に、西洋またはヨーロッパの文化の意味で、それぞれの分野の主導的な専門家による厳格な科学の調査と研究によって確立されてきた。
研究者たちは、ウィランドラにおけるアボリジナルの文化遺産の大いなる古さと豊かさを確立し、それがオーストラリアの先史と、人類の進化と世界中への分散におけるその位置の再評価をもたらした。
二つ目 — 伝統的部族集団にとって
この区域と結びつきを持つ伝統的部族集団(TTGs)にとっては、ウィランドラとそれが含むいかなる特定の遺跡の真正性についても、疑いが生じたことは一度もない。
TTGs は土地とのつながりを維持し、この重要な場所を世話し続け、世界遺産資産としてのその管理に参加している。 ウィランドラのアボリジナルの人びとは文化遺産に大きな誇りを持ち、今日の文化・社会・経済の実践を通じてそのつながりを維持している。
「西洋またはヨーロッパの文化の意味で」と書き添えることで、真正性の確立のしかたが一つではないことを示しています。
ゼミは、この書き分けをそのまま残します。一方にまとめません。
完全性 — ルネットの侵食
資産の科学と文化の意義の多くは、ルネット(lunettes)に埋め込まれた、またそれに結びついた価値に関わる。 侵食と風による削剥が、すでに乱されたルネットの区域で物質を露出させ続けている。
| 登録時のルネットの状態 | 割合 |
|---|---|
| 広範に侵食されていた | 約8% |
| 植生に覆われ無傷だった | 72% |
| 残りの区域 | 部分的に侵食 |
割合が数値で書かれています。
牧畜との両立
牧畜の開発は生態の変化をもたらしたが、放牧率は低く、自然の改良されていない牧草に依存しており、区域は主として自然の状態で植生に覆われたままである。 資産内の借地の資産については、個別資産計画(IPPs)が策定され実施されてきた——感じやすい区域から放牧を除外することや、放牧の影響を最小にするために水飲み場を移すことのような行動を含めて。それは、持続可能な土地利用も許しながら顕著な普遍的価値を保護するためである。
「保護」と「持続可能な土地利用」の両方を目的に挙げています。
誰が守っているか — 国立公園が4.2%から29.9%へ
土地の保有
| 保有 | 中身 |
|---|---|
| 大部分 | 州から借地した牧畜ステーション(NSW 土地・資産管理庁が所管) |
| 残り | マンゴ国立公園の大部分(NSW 国立公園野生生物局が管理) |
| ほか | 資産内にいくつかの小さな自由保有地 |
マンゴ国立公園は、登録時の資産の4.2%から、2012年には29.9%へ成長した。
国立公園の割合が年とともに増えたことが数値で書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。
完全性の節でも「マンゴ国立公園への意義ある追加があり、資産のもっとも考古学的に意義ある区域のいくつかを含む」と書かれます。
四つの助言の体
管理のための法令の基礎は、ウィランドラ湖地域環境計画によってニューサウスウェールズの法令のもとで確立されている。これは、世界遺産区域の管理について助言を入れるために次のものを定めている——
| 体 |
|---|
| 共同体管理協議会 |
| 技術科学助言委員会 |
| ウィランドラに属する伝統的部族集団の長老会議 |
| 土地保有者保護グループ |
四つの体が並んでいます。
管理計画の経緯
登録に際して、世界遺産委員会は「全域のために管理計画が速やかに策定される」ことを要請した。 この過程は1989年に最初の資産管理計画——『Sustaining the Willandra』——をもって始まり、すべての関係者との広範な協議の後、1996年に完成した。
| 年 | 何が起きたか |
|---|---|
| 1981年 | 登録。委員会が管理計画の速やかな策定を要請 |
| 1989年 | 過程が始まった |
| 1996年 | 完成した |
要請から完成まで15年かかったことが、年の並びから読めます。ただし一次資料はそう書いていないので、ゼミは年をそのまま記録します。
マンゴ国立公園の共同管理
同様に、NSW 国立公園野生生物局と伝統的部族集団によって共同管理協定のもとで共同管理されているマンゴ国立公園は、自然と文化の遺産の価値の両方の保全を最大にしながら、生物多様性も保全し、ふさわしい来訪者のアクセスを容易にすることを目指す管理計画の対象である。 感じやすい区域への来訪者のアクセスは注意深く統制され、一部の区域では除外されている。
国の法と、2007年の追加
オーストラリアのすべての世界遺産資産は「国の環境の意義の事柄」であり、国の法令1999年環境保護・生物多様性保全法のもとで保護され管理されている。
重要なことに、この法は、影響が資産の外に起源を持つ場合でも、または資産の価値が移動する場合(動物相のように)でも、世界遺産資産のような国の環境の意義の事柄を保護することも目指している。
「価値が移動する場合(動物相のように)」という書き方は、これまで読んだ120件でここだけです。
2007年、ウィランドラ湖地域世界遺産区域は国家遺産一覧に追加された。
カカドゥ147 も同じ2007年に追加されています。
脅威
| 侵略的な害獣種の発生(ヨーロッパウサギと野生化したヤギを含む) |
|---|
| 増大する来訪と資産の保護の均衡を取ること |
| 多年生の植生の再生のために総放牧圧を統制すること |
| 実行可能なところで加速した侵食を限ること |
2級で押さえること
複合遺産で基準は(iii)(viii)=文化1+自然1(同じ章のカカドゥ147 は文化2+自然3)、本体240,000 ha、一覧に緩衝地帯の行が無い、1981年登録、保存状況報告は1994年・1995年。境界が縮小した——推薦時は約3,700 km²、1995年に「世界遺産の価値を含む区域をよりよく定め、資産の管理を容易にする」ために改訂され、いまは約2,400 km²。改訂された境界は地形の特徴に従い、「境界の内側に適切な緩衝」を伴い、無関係な牧畜の区域を除外している——境界が縮小したと書かれるのはこれまで読んだ120件でここだけ。境界は広がるだけではない。遺存湖の体系で、堆積物・地形・土壌が「低標高で氷河に覆われなかった更新世の景観の際立った記録」と、後期更新世の氷期・間氷期の気候の振動(とくに過去10万年)の記録を含む。約18,500年前に湖の生態系として機能することをやめたことが、「人類が現在の形へ進化した時代である更新世の生命を記録するための優れた条件」を与えた。年代が三通りに書かれる——説明文「45,000〜60,000年前に遡る人類の占拠の考古の証拠」/概要「42,000年前までに人類がオーストラリアまで分散していた」/基準(iii)「ほぼ50,000年 BP から」。一次資料は関係を明記しないので、書かれている場所とともに三つすべてを記録する。約40,000年 BP の火葬は「世界でもっとも古い儀礼的火葬の遺跡」。18,000年 BP より前の複雑な植物食採集の体系の痕跡は野生の草の種から粉を作る磨石を伴い、「中東でのそれらの使用とほぼ同じ時期に」とほかの地域と比較される。顔料は42,000年 BP より前にこれらの湖岸へ運ばれた。人類の化石の足跡道(19,000〜23,000年 BP)は登録以降に発見された。基準(viii)は「オーストラリアの地質の環境は……それが保存する景観の長命さにおいて唯一無二である」とし、地形と土壌生成・古化学・気候学・考古学・考古地磁気学・放射性炭素年代決定・古生態学・動物相の絶滅の八つの分野の緊密な相互の結びつきを「オーストラレーシア地域における更新世の研究の古典的な目印」とする。「人類がオーストラリアで優勢になり、野生生物の大きな種が絶滅した時代」について「研究が続いている」で終わり、結論は書かれていない。真正性が二つの見方で書かれる——「まず第一に、西洋またはヨーロッパの文化の意味で、それぞれの分野の主導的な専門家による厳格な科学の調査と研究によって確立されてきた」と、「この区域と結びつきを持つ伝統的部族集団(TTGs)にとっては、ウィランドラとそれが含むいかなる特定の遺跡の真正性についても、疑いが生じたことは一度もない」。これまで読んだ120件でここだけの形なので、一方にまとめずそのまま残す。完全性はルネット(lunettes)に埋め込まれた価値に関わり、登録時に約8%が広範に侵食、72%が植生に覆われ無傷、残りは部分的に侵食。牧畜は放牧率が低く、個別資産計画(IPPs)が感じやすい区域からの放牧の除外や水飲み場の移動を含めて策定され実施され、「持続可能な土地利用も許しながら」価値を保護する。土地の大部分は州から借地した牧畜ステーションで、マンゴ国立公園は登録時の4.2%から2012年に29.9%へ成長した——割合の増加が数値で書かれるのも120件でここだけ。ウィランドラ湖地域環境計画が、共同体管理協議会・技術科学助言委員会・伝統的部族集団の長老会議・土地保有者保護グループの四つを定めている。登録(1981年)に際して委員会が「全域のために管理計画が速やかに策定される」ことを要請し、過程は1989年に始まり、1996年に『Sustaining the Willandra』として完成した。1999年環境保護・生物多様性保全法は「影響が資産の外に起源を持つ場合でも、または資産の価値が移動する場合(動物相のように)でも」保護を目指す——「価値が移動する場合」も120件でここだけ。2007年に国家遺産一覧に追加された(カカドゥ147 も同年)。脅威はヨーロッパウサギと野生化したヤギ、来訪の増大との均衡、総放牧圧の統制、加速した侵食を限ること。
オリジナル確認問題
答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。
確認1:ウィランドラ湖地域の境界について、UNESCO の記述に合うものは?
- 推薦時から変わっていない
- 推薦時は約3,700 km²で、1995年の改訂で約2,400 km²へ縮小した
- 推薦時は約2,400 km²で、1995年に約3,700 km²へ拡大した
- 推薦時の約3,700 km²から1995年に約2,400 km²へ縮小し、その後さらに拡大した
正解と解説を開く
正解:2.推薦時は約3,700 km²で、1995年の改訂で約2,400 km²へ縮小した
1995年の改訂は「世界遺産の価値を含む区域をよりよく定め、……資産の管理を容易にする」ためで、改訂された境界は地形の特徴に従い、無関係な牧畜の区域を除外しています。その後の拡大は書かれていません。境界が縮小したと書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。境界は広がるだけではありません。
確認2:ウィランドラ湖地域の真正性の節の特徴は?
- 科学の調査による確立だけが書かれている
- 真正性の節は無い
- 「西洋またはヨーロッパの文化の意味で」科学の調査により確立されたことと、伝統的部族集団の見方を書き分けており、そのうえで一次資料は前者を優先すると述べている
- 「西洋またはヨーロッパの文化の意味で」科学の調査により確立されたことと、伝統的部族集団にとっては疑いが生じたことがないことを、書き分けている
正解と解説を開く
正解:4.「西洋またはヨーロッパの文化の意味で」科学の調査により確立されたことと、伝統的部族集団にとっては疑いが生じたことがないことを、書き分けている
> ウィランドラの自然とアボリジナルの文化遺産の価値の真正性は、まず第一に、西洋またはヨーロッパの文化の意味で、……厳格な科学の調査と研究によって確立されてきた。> この区域と結びつきを持つ伝統的部族集団(TTGs)にとっては、……真正性についても、疑いが生じたことは一度もない。どちらを優先するとも書かれていません。これまで読んだ120件でここだけの形なので、一方にまとめずそのまま残します。
確認3:ウィランドラ湖地域で見つかった火葬について、UNESCO の記述に合うものは?
- 約18,500年 BP に遡る
- 火葬についての記述は無い
- 約40,000年 BP に遡り、世界でもっとも古い儀礼的火葬の遺跡である
- 約40,000年 BP に遡る世界最古の儀礼的火葬の遺跡で、それは登録以降に発見されたものである
正解と解説を開く
正解:3.約40,000年 BP に遡り、世界でもっとも古い儀礼的火葬の遺跡である
> 約40,000年 BP に遡る火葬は、世界でもっとも古い儀礼的火葬の遺跡である……登録以降に発見されたのは、19,000〜23,000年 BP の人類の化石の足跡道です。約18,500年 BP は、湖が生態系として機能することをやめた時期です。
確認4:ウィランドラ湖地域のマンゴ国立公園について、UNESCO の記述に合うものは?
- 登録時の資産の4.2%から、2012年には29.9%へ成長した
- 登録時から割合は変わっていない
- マンゴ国立公園についての記述は無い
- 登録時の4.2%から2012年に29.9%へ成長し、いまは資産の過半を占めている
正解と解説を開く
正解:1.登録時の資産の4.2%から、2012年には29.9%へ成長した
> マンゴ国立公園は、登録時の資産の4.2%から、2012年には29.9%へ成長した。過半ではありません。土地の大部分は州から借地した牧畜ステーションです。割合の増加が数値で書かれる資産は、これまで読んだ120件でここだけです。
参考資料
確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。