イエローストーン国立公園

噴き上がる間欠泉。周囲は針葉樹林と川
Yuuki Kobayashi / Adobe Stock(通常ライセンス) / 出典 / 加工: 長辺1800pxへ縮小し WebP へ変換(切り取りなし)
登録年
1978年
所在国
アメリカ合衆国
登録区分
自然遺産
地域
南北アメリカ
登録基準
(vii) (viii) (ix) (x)

どこにあり、何が登録されたのか — 自然の基準が四つそろう

アメリカ合衆国。ワイオミング州の北西の角と、モンタナ州とアイダホ州の比較的小さな隣接区域。説明文は96%がワイオミング、3%がモンタナ、1%がアイダホと書いています。

本体 898,349 ha(説明文は約9,000 km²)
緩衝地帯 設定されていない
登録 1978年、基準 (vii)(viii)(ix)(x)

自然の基準が四つすべてそろっています。この章の11件のうち、四つそろうのはイエローストーンだけです。

1872年、世界最初の国立公園

1872年に米国議会によって世界最初の国立公園として指定されたイエローストーンは、1916年8月25日の基本法(Organic Act)——米国国立公園局を設立した法——の権限のもとで管理されている。

世界最初の国立公園が、世界最初の世界遺産の一つになりました。

数

地熱現象 世界の既知のものの半分。10,000を超える例
間欠泉 300超=地球上のすべての3分の2
カルデラ 世界最大の認知されたカルデラ(45 km × 75 km)
化石植物 約150種(小さなシダやイグサから大きなセコイアその他の樹種まで)

基準(vii)は世界最大の間欠泉の集まり、イエローストーン川のグランド・キャニオン、数多くの滝、野生動物の大きな群れを挙げています。

基準(ix)と(x) — 手を入れないことが基準になっている

この資産の基準(ix)は「何をしないか」で書かれています。

公園のすべての植物相は、直接の管理が行われることなく自然の遷移を進むことが許されている。 森林火災は、落雷から始まったものであれば、可能な場所ではしばしば燃えるままにされ、火の自然の効果が周期的に現れることを許している。

「燃えるままにする」ことが価値の中身です。

公園のバイソンは、かつてグレートプレーンズを覆った群れのうち、唯一の野生で、継続して自由に動き回るバイソンであり、ほかの公園の野生動物とともに最大の魅力の一つである。

基準(x)も同じ考え方です。

公園の植物相と動物相、そしてその個体数と分布に影響する自然の過程の保護が、生物の進化が人による最小限の影響のもとで進むことを可能にしている。

ハイイログマは世界でもっとも集中的に研究され、もっともよく理解されたクマの個体群の一つとされ、その研究が生態系の関係の相互依存のより大きな理解につながったと書かれています。

完全性 — オオカミを戻したら完全性が高まった

約900,000 ha の資産は、700万 ha を超える広大な「グレーター・イエローストーン生態系(GYE)」の中心にあります。

公園は GYE とともに、地球の北温帯で最後に残った無傷の大きな生態系の一つである。ヨーロッパ人の接触以前にこの地域に見られたすべての野生動物の種が、いまも公園に見られる。

開発されている部分 約2%のみ(来訪者と公園の基盤、道路など)
原生自然の価値のために管理 90%超(来訪者による利用は比較的軽い)

1994-95年のオオカミ

資産の全体の生態的完全性は、1994-95年のハイイロオオカミの復元によって著しく高まり、アスペンからマスに至る広範な種と機能に正の影響を与えた。

「完全性が高まった」と書かれている例です。この章と前の章では、完全性は保たれている/脅かされているのどちらかで書かれることが多かった(バンディアガラ516 は脅かされている、ブダペスト400 は失われた建物にもかかわらず保たれている)。イエローストーンは「高まった」です。

残る懸念

侵略的な種、とくにレイクトラウト、そして気候変動の起こりうる影響からの完全性への脅威についての懸念が残る。

公園の管理計画は、環境評価の過程、ゾーニング、生態的完全性と来訪者の監視、教育の計画といった資源保護の方策を特定しているとされます。

誰が守っているか — 境界の外と組まなければならない

日々の管理は公園長(Park Superintendent)が指揮します。管理の目標は総合管理計画で作られ、近年はより場所に即した計画と個別の課題と資源のための多数の計画で補われてきました。国立公園局はすべての国立公園局の単位のためのより広い方向を与える管理方針も定めています。

境界の外との協力

公園の顕著な普遍的価値の一部の保護は、隣接する土地の管理者と私有地の所有者との協力を要する。これはとくに、ハイイログマ・ハイイロオオカミ、とりわけバイソンのような広く動き回る野生動物の種について当てはまる。

課題
GYE の周囲と内部で増える開発が野生動物の移動に影響しうるという懸念
近隣の州が、公園の境界の外へのバイソンの移動について固有の懸念を持っている——ただし北と西の境界の外でバイソンの回廊を広げることには成功があった
すべての季節の来訪を管理すること——公園への良い公衆のアクセスを確かにしつつ、公園の独特な自然の価値を損なわないようにするのは継続する課題
来訪からの影響は来訪者に関わる基盤の足跡から大気汚染までにわたり、その監視が不可欠

緩衝地帯が無い資産ですが、境界の外との協力が保護の条件として書かれています。

この章と前の章では、緩衝地帯が無い資産がいくつもありました——アレッポ21(必要だと書かれている)、ケベック旧市街300(記述そのものが無い)、キューバのコーヒー農園1008(「例外的に」無い)。イエローストーンは、緩衝地帯ではなく「隣接地との協力」で書かれています。

2級で押さえること

1872年に米国議会が世界最初の国立公園として指定し、1978年に世界最初の世界遺産の一つになった。自然の基準が四つすべて((vii)(viii)(ix)(x))そろう——この章で唯一。基準(ix)が「何をしないか」で書かれている——植物相は直接の管理なしに自然の遷移を進み、落雷起源の森林火災は可能な場所では燃えるままにされる。公園のバイソンはかつてグレートプレーンズを覆った群れのうち唯一の野生で継続して自由に動き回るもの。完全性が「高まった」と書かれている——1994-95年のハイイロオオカミの復元で、アスペンからマスまで広範な種と機能に正の影響。世界の既知の地熱現象の半分、間欠泉は地球上の3分の2、世界最大の認知されたカルデラ(45km×75km)。開発は約2%のみ、90%超が原生自然の価値のために管理。緩衝地帯は無く、代わりに隣接地の管理者と私有地所有者との協力が保護の条件として書かれている。

オリジナル確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:イエローストーン国立公園の登録基準について正しいものは?

  1. (vii)(viii) の二つである
  2. 自然の基準が四つすべて((vii)(viii)(ix)(x))そろっている
  3. (vii)(x) の二つである
  4. 自然の基準が四つすべてそろっており、さらに文化の基準(vi)も認められて複合遺産になっている
正解と解説を開く

正解:2.自然の基準が四つすべて((vii)(viii)(ix)(x))そろっている

基準は(vii)(viii)(ix)(x) の四つすべてで、この章の11件のうち四つそろうのはイエローストーンだけです。文化の基準は認められておらず、自然遺産です。シミエン9 は(vii)(x)、ナハニ24 は(vii)(viii)。

確認2:イエローストーン国立公園の基準(ix)に書かれている森林火災の扱いは?

  1. すべての火災がただちに消火される
  2. 火災は完全性への脅威として挙げられている
  3. 落雷から始まったものであれば燃えるままにされるが、来訪者の区域に近い場合はただちに消火され、その後の監視が続けられている
  4. 落雷から始まったものであれば、可能な場所ではしばしば燃えるままにされ、火の自然の効果が周期的に現れることを許している
正解と解説を開く

正解:4.落雷から始まったものであれば、可能な場所ではしばしば燃えるままにされ、火の自然の効果が周期的に現れることを許している

> 森林火災は、落雷から始まったものであれば、可能な場所ではしばしば燃えるままにされ、火の自然の効果が周期的に現れることを許している。来訪者の区域についての条件は書かれていません。「燃えるままにする」ことが基準(ix)の価値の中身です。シミエン9 では、ツリーヒースの森の頻繁な火災が脅威で、同じ火が資産によって価値と脅威に分かれます。

確認3:イエローストーン国立公園の完全性について、1994-95年に起きたことは?

  1. ハイイロオオカミの復元によって全体の生態的完全性が著しく高まり、アスペンからマスに至る広範な種と機能に正の影響を与えた
  2. レイクトラウトの侵入によって完全性が損なわれた
  3. グレーター・イエローストーン生態系が設定された
  4. ハイイロオオカミの復元によって生態的完全性が高まったが、アスペンとマスへの影響はまだ確認されておらず、監視が続けられている
正解と解説を開く

正解:1.ハイイロオオカミの復元によって全体の生態的完全性が著しく高まり、アスペンからマスに至る広範な種と機能に正の影響を与えた

> 資産の全体の生態的完全性は、1994-95年のハイイロオオカミの復元によって著しく高まり、アスペンからマスに至る広範な種と機能に正の影響を与えた。「完全性が高まった」と書かれている例です。レイクトラウトは侵略的な種として残る懸念のほうです。

確認4:イエローストーン国立公園の保護について、UNESCO が「要する」と書いているものは?

  1. 緩衝地帯の設定
  2. 来訪者の総数の上限の設定
  3. 隣接する土地の管理者と私有地の所有者との協力
  4. 隣接する土地の管理者と私有地の所有者との協力と、公園の周囲での開発の全面的な禁止
正解と解説を開く

正解:3.隣接する土地の管理者と私有地の所有者との協力

> 公園の顕著な普遍的価値の一部の保護は、隣接する土地の管理者と私有地の所有者との協力を要する。これはとくに、ハイイログマ・ハイイロオオカミ、とりわけバイソンのような広く動き回る野生動物の種について当てはまる。全面的な禁止や来訪者数の上限は書かれていません。この資産には緩衝地帯が無く、代わりに境界の外との協力が保護の条件として書かれています。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

この遺産が出題される級は、上のバッジから確認できます。