個人

フランシス・アーノルド

Frances H. Arnold

1956年生まれ

  • 2018年 化学賞

何をした人か

生物の進化と同じ「遺伝子の変化と選択」のしくみを実験室で使い、役に立つ酵素をつくり出したアメリカの化学工学者です。

受賞理由のやさしい要約

2018年 化学賞(賞の1/2)

酵素の指向性進化の研究が評価され、賞の半分を受けました。残り半分は、ペプチドと抗体のファージディスプレイの研究で、ジョージ・スミスとグレゴリー・ウィンターに贈られています。アーノルドは1993年、酵素の指向性進化を初めて行いました。

同じ年・部門の共同受賞:George P. Smith(未収録)、Sir Gregory P. Winter(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for the directed evolution of enzymes

何が新しかったか

複雑な酵素の形を理屈で設計し直すのは難しかったため、アーノルドは自然の進化に学ぶことにしました。酵素の遺伝子にランダムな変異を入れてたくさんの変種をつくり、よく働くものを選んでは変異を重ねる方法です。3世代目には、有機溶媒の中で元の酵素の256倍よく働く変種が得られました。

私たちの生活や社会とのつながり

彼女の方法でつくられた酵素は、医薬品などの化学物質をより環境にやさしく製造するのに役立てられています。酵素を使う反応は、強い溶媒や重金属に頼りがちな従来の化学に比べて、副産物を減らせることがあります。研究室では、糖からバイオ燃料などの原料となるイソブタノールをつくる酵素も開発されました。 [根拠 3]

関連する受賞者・団体

  • エマニュエル・シャルパンティエ編集上の関連

    アーノルドは偶然の変異と選択を繰り返して酵素をつくり変え、シャルパンティエはダウドナとともに、狙った場所でDNAを切る遺伝子のはさみを見いだしました。生命の設計図に手を加えて役立てるための、まったく異なる2つの道筋です。

  • キャロリン・ベルトッツィ編集上の関連

    アーノルドは進化のしくみを使って酵素をつくり変え、ベルトッツィは細胞のふだんの化学を乱さずに働く反応を開発しました。化学と生き物のしくみを、違う方向から結びつけた2人です。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Frances H. Arnold)
  2. 2018年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Frances H. Arnold – Facts – 2018 - NobelPrize.org
  4. Press release: The Nobel Prize in Chemistry 2018 - NobelPrize.org
  5. The Nobel Prize in Chemistry 2018 - Popular information - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。