個人

キャロリン・ベルトッツィ

Carolyn R. Bertozzi

1966年生まれ

  • 2022年 化学賞

何をした人か

細胞のふだんの化学を乱さずに、生き物の中で分子どうしをつなぐ「生体直交反応」を開発したアメリカ生まれの研究者です。

受賞理由のやさしい要約

2022年 化学賞(賞の1/3)

クリックケミストリーと生体直交化学の開発が評価されました。分子の部品をすばやく確実につなぐクリックケミストリーの基礎を築いた、バリー・シャープレスとモルテン・メルダルとの3人での受賞です。ベルトッツィはこの考えを、生きた生物の中で使えるものへと広げました。

同じ年・部門の共同受賞:K. Barry Sharpless(未収録)、Morten Meldal(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for the development of click chemistry and bioorthogonal chemistry

何が新しかったか

ベルトッツィは細胞の表面にある糖鎖(グリカン)を調べるため、細胞のほかの物質とは反応しない「目印」を探しました。2000年には目印としてアジドを選び、細胞の糖鎖に入れたアジドへ蛍光分子をつなげました。2004年には、生き物に有毒な銅を使わないクリック反応を発表しました。

私たちの生活や社会とのつながり

受賞発表の時点で、この反応は細胞を調べたり生命現象を追ったりするために世界中で使われていました。受賞発表は、がんの薬の狙いを改善する研究にも使われ、その薬が臨床試験で試されていると紹介しています。ただし受賞時の解説は、こうした新しい治療が効くかどうかはまだ分からないとも書いています。

関連する受賞者・団体

  • ロジャー・Y・チエン編集上の関連

    生きた細胞の中を光で見る道具として、チエンは色の違う蛍光タンパク質で複数のタンパク質を見分けられるようにしました。ベルトッツィは、細胞の糖鎖に入れた目印へ蛍光分子をつなぐ反応を開発しました。

  • 鈴木章編集上の関連

    鈴木章の反応はパラジウムの上で炭素原子どうしをつなぐ方法で、2022年の化学賞は分子の部品が素早く効率よくつながるクリックケミストリーなどに贈られました。

  • フランシス・アーノルド編集上の関連

    アーノルドは進化のしくみを使って酵素をつくり変え、ベルトッツィは細胞のふだんの化学を乱さずに働く反応を開発しました。化学と生き物のしくみを、違う方向から結びつけた2人です。

  • ジェニファー・ダウドナ編集上の関連

    ダウドナはDNAを狙って切る遺伝子のはさみを、ベルトッツィは生きた細胞の中で分子をつなぐ反応を開発しました。どちらも、がんの治療への応用が挙げられています。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Carolyn Bertozzi)
  2. 2022年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Press release: The Nobel Prize in Chemistry 2022 - NobelPrize.org
  4. The Nobel Prize in Chemistry 2022 - Popular information - NobelPrize.org
  5. Carolyn Bertozzi – Facts – 2022 - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。