個人

フランシス・アストン

Francis William Aston

1877年生まれ・1945年没

  • 1922年 化学賞

何をした人か

わずかな質量の違いで原子を分ける「質量分析器」をつくり、多くの元素が複数の同位体からなることを示したイギリスの研究者です。

受賞理由のやさしい要約

1922年 化学賞(単独受賞)

質量分析器を使って、放射性でない多くの元素に同位体を見つけたことと、「整数則」を打ち出したことが評価され、化学賞を単独で受けました。1922年12月の式典では、前年分として持ち越されたソディの化学賞の紹介に続いて、アストンの業績が紹介されました。

公式の受賞理由(英語)
for his discovery, by means of his mass spectrograph, of isotopes, in a large number of non-radioactive elements, and for his enunciation of the whole-number rule

何が新しかったか

師のJ・J・トムソンが進めていた陽極線の研究を、戦争による中断のあと1919年に引き継ぎ、はるかに精密な装置を組み立てました。この装置で、塩素が原子量35と37の少なくとも2種類の同位体の混合物であることを示しました。さらに、酸素の同位体を基準にすると、ほかの同位体の質量はほぼ整数になるという「整数則」をまとめました。

私たちの生活や社会とのつながり

授賞の演説は、水素の原子量だけが整数則からわずかに外れることにも注目していました。その後も改良した装置で測定を続け、整数則からのわずかなずれを測りました。このずれは、のちに原子力の分野で重要な意味をもつことになります。一連の測定で見つけた天然の同位体は212種にのぼりました。

関連する受賞者・団体

  • J・J・トムソン研究の継承

    アストンは1909年末、J・J・トムソンに招かれてケンブリッジのキャベンディッシュ研究所で助手になりました。授賞の演説はアストンをトムソンの元教え子と呼び、主に師と同じ原理にもとづきつつ大きく改良した質量分析器をつくったと紹介しています。

  • フレデリック・ソディ編集上の関連

    同位体という考え方は主に放射性元素の研究から育ち、アストンはそれが放射性でない元素にも当てはまるかを確かめました。同じ「同位体」という問いを、化学の側と精密な測定の側から見比べられる組み合わせです。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Francis W. Aston)
  2. 1922年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Francis W. Aston – Biographical (NobelPrize.org)
  4. Award ceremony speech, Nobel Prize in Chemistry 1922 (NobelPrize.org)
  5. Francis W. Aston – Facts - NobelPrize.org
  6. Award ceremony speech - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。