個人

フレデリック・バンティング

Frederick Grant Banting

1891年生まれ・1941年没

  • 1923年 生理学・医学賞

何をした人か

膵臓からインスリンを取り出す方法を考え、糖尿病の治療に使えるようにしたカナダの医師です。 [根拠 3・4]

受賞理由のやさしい要約

1923年 生理学・医学賞(賞の1/2)

インスリンの発見が評価され、トロント大学の生理学教授ジョン・マクラウドとの2人で受賞しました。マクラウドはバンティングに実験の場を用意し、研究は1921年、マクラウドの研究室で、助手となった医学生チャールズ・ベストとともに進められました。 [根拠 2・3・4]

同じ年・部門の共同受賞:John Macleod(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for the discovery of insulin

何が新しかったか

当時、糖尿病は膵臓のランゲルハンス島から出るホルモンの不足で起こると考えられていましたが、膵臓やその抽出物を患者に食べさせる試みはうまくいきませんでした。膵臓の消化酵素がインスリンを壊してしまうためと考えられていました。バンティングは、膵管をしばると消化酵素トリプシンをつくる細胞が衰える一方でランゲルハンス島は残るという論文を読み、インスリンが壊される前に取り出す方法を思いつきました。 [根拠 3]

私たちの生活や社会とのつながり

WHOによると、1型糖尿病の人は生きるためにインスリン注射が必要で、2型糖尿病でもインスリン注射などの薬が必要になる人がいます。一方で2022年には、糖尿病のある人の半数以上が糖尿病の薬を使っておらず、治療を受けられている割合は低・中所得国で特に低かったとされています。 [根拠 5]

関連する受賞者・団体

  • フレデリック・サンガー編集上の関連

    バンティングらが取り出して治療に使えるようにしたインスリンについて、サンガーはその分子をつくるアミノ酸の並びを調べ、1955年には2本の鎖のつながり方を突き止めました。

  • ゲルティー・コリ編集上の関連

    コリ夫妻はアメリカで、体の中で糖がたどる道筋やインスリンの働きを調べました。インスリンを取り出したバンティングと、糖の代謝という同じテーマを別の角度から照らしています。

  • ロザリン・ヤロー編集上の関連

    バンティングは足りないインスリンを補う道を開きました。ヤローは血液中のインスリンを精密に測る方法で、2型糖尿病がインスリン不足ではなく、体がインスリンをうまく使えないことで起こると示しました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Frederick G. Banting)
  2. 1923年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
  3. Frederick G. Banting – Biographical - NobelPrize.org
  4. Frederick G. Banting – Facts - NobelPrize.org
  5. Diabetes(who.int)

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。