個人

ポール・バーグ

Paul Berg

1926年生まれ・2023年没

  • 1980年 化学賞

何をした人か

異なる生き物のDNAをつなぎ合わせた「組換えDNA」を1972年につくった、アメリカの生化学者です。

受賞理由のやさしい要約

1980年 化学賞(賞の1/2)

核酸の生化学、とくに組換えDNAについての基礎的な研究が評価されました。賞の半分がバーグに、残りの半分がDNAの塩基の並び方を調べる方法を開発したウォルター・ギルバートとフレデリック・サンガーに贈られた、3人での受賞です。

同じ年・部門の共同受賞:フレデリック・サンガー、Walter Gilbert(未収録)

公式の受賞理由(英語)
for his fundamental studies of the biochemistry of nucleic acids, with particular regard to recombinant-DNA

何が新しかったか

バーグは腫瘍ウイルスSV40の研究の中で、大腸菌の遺伝子をこのウイルスのDNAに組み込みました。2つのDNAを試験管の中でつなぐ一般的な方法を開発したことが、組換えDNA技術の誕生につながりました。この技術は、哺乳類の遺伝子のつくりやはたらきを調べる重要な道具になりました。

私たちの生活や社会とのつながり

受賞発表によれば、この技術は受賞の時点ですでに、細菌に人のホルモンをつくらせるといった実用化につながっていました。一方、新しい技術の危険の可能性については、バーグの呼びかけをきっかけに科学者たち自身が議論を始めたと、授賞式で紹介されています。

関連する受賞者・団体

  • フレデリック・サンガー同じ賞の共同受賞

    1980年の化学賞をともに受けました。

  • ハー・ゴビンド・コラナ編集上の関連

    コラナは決まった並びの核酸を合成して遺伝暗号の解読に役立て、バーグは異なる生物のDNAをつなぎ合わせた組換えDNAをつくりました。遺伝情報を運ぶ分子を人の手で組み立てる研究として並べて読めます。

  • アジズ・サンジャル編集上の関連

    バーグは2つのDNAを試験管の中でつなぐ方法を開き、サンジャルは細胞の酵素が傷の両側でDNAを切って傷を取り除くしくみを明らかにしました。DNAを切ったりつないだりする化学を、人の手と細胞のしくみの両側から見た組み合わせです。

  • ジェニファー・ダウドナ編集上の関連

    ダウドナとシャルパンティエは、どんなDNAでも狙った場所で切れる遺伝子のはさみCRISPR/Cas9を開発しました。組換えDNAに始まる遺伝子を操作する技術が、狙いを定めた編集へと進んだ流れを示す組み合わせです。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Paul Berg)
  2. 1980年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Paul Berg – Facts - NobelPrize.org
  4. Press release: The 1980 Nobel Prize in Chemistry - NobelPrize.org
  5. Award ceremony speech - NobelPrize.org
  6. Paul Berg – Biographical - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。