個人
アンガス・ディートン
Angus Deaton
1945年生まれ
何をした人か
人々が何にどれだけお金を使うかを細かく調べ、消費と貧困、暮らしの豊かさの関係を明らかにしてきた経済学者です。
受賞理由のやさしい要約
2015年 経済学賞(単独受賞)
消費、貧困、福祉についての分析が評価され、単独で受賞しました。対象となった業績は3つあり、まずジョン・ミュエルバウアーと1980年ごろにつくった、品物ごとの需要を推計するしくみです。次に1990年ごろの所得と消費の関係の研究、そして家計調査を使って途上国の生活水準と貧困を測った研究です。
公式の受賞理由(英語)
for his analysis of consumption, poverty, and welfare何を問い直したか
当時のマクロ経済学は、社会全体の平均どおりに動く「代表的な消費者」を想定して考えるのがほとんどでした。ディートンは、一人ひとりの所得と消費の動きを調べることが、理論と全体のデータの食い違いを解く鍵だと示しました。途上国の研究では、所得よりも信頼できることが多い家計の消費データを重視し、開発経済学が細かな家計データにもとづく実証の分野へ変わる原動力の一つになりました。
私たちの生活や社会とのつながり
家計調査を工夫して使えば、所得とカロリー摂取の関係や、家族の中での男女差別の程度といった問題にも迫れることを示しました。また、子どもの支出を大人と同じとみなす一人あたりの計算では、子どものいる家庭の貧困を過大に見積もってしまうと指摘しました。貧困ラインの見直しによって、世界の貧困人口の数が5億人近く増えた理由も明らかにしています。
関連する受賞者・団体
- アーサー・ルイス編集上の関連
ディートンはプリンストン大学で、アーサー・ルイスが創設した開発研究のプログラムに加わりました。ディートンは、世界の貧困が続くことを生涯の主題としたルイスの歴史的な見方と、自分の数量的な手法は正反対だったと振り返っています。
- エステル・デュフロ編集上の関連
ディートンの家計調査を重んじる研究は、開発経済学を集計データにもとづく理論中心の分野から、実証の分野へ変える力になりました。デュフロらの実験にもとづく手法も、2019年の受賞発表で開発経済学を変えたとされました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Angus Deaton)
- 2015年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
- Angus Deaton – Facts - NobelPrize.org
- The Prize in Economic Sciences 2015 - Popular information: Consumption, great and small - NobelPrize.org
- The Prize in Economic Sciences 2015 - Press release - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。