個人
真鍋淑郎
Syukuro Manabe
1931年生まれ
何をした人か
コンピューターで地球の気候を再現する物理モデルを切り開き、大気中の二酸化炭素が増えると地表の気温が上がるしくみを示した気象学者です。
受賞理由のやさしい要約
2021年 物理学賞(賞の1/4)
地球の気候を物理的にモデル化し、その変動を数量的にとらえ、地球温暖化を確かに予測したことが評価されました。ともに気候の知識の土台を築いたクラウス・ハッセルマンと賞の半分を分け合い、もう半分は無秩序な物質の理論を研究したジョルジョ・パリージが受けました。
同じ年・部門の共同受賞:Klaus Hasselmann(未収録)、Giorgio Parisi(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for the physical modelling of Earth’s climate, quantifying variability and reliably predicting global warming何が新しかったか
1960年代、真鍋は対流による空気の上下の動きを取り入れた気候モデルづくりを率いました。計算できる大きさにするため大気を高さ40キロの1本の柱に単純化し、二酸化炭素を2倍にすると気温が2度以上上がるという結果を得ました。地表近くが暖まり上空が冷えるという予測は、その温暖化が太陽ではなく二酸化炭素の増加によることを裏づけるものでした。
私たちの生活や社会とのつながり
1次元モデルで得た見通しは、1975年に発表した3次元の気候モデルへとつながりました。1969年には、大気と海洋のモデルを組み合わせた気候の計算も発表しています。受賞発表は、こうした研究が現在の気候モデル開発の土台になったと述べています。
関連する受賞者・団体
- スヴァンテ・アレニウス編集上の関連
2021年の受賞解説によると、真鍋の研究の狙いは、約70年前のアレニウスと同じく、二酸化炭素の増加がどのように気温を上げるのかを理解することでした。アレニウスが放射のつり合いに注目したのに対し、真鍋は対流による空気の上下の動きも取り入れました。
- パウル・クルッツェン編集上の関連
受賞発表は、オゾンも二酸化炭素やメタンと同じく温室効果ガスであり、オゾンの問題は人類が気候に与える影響とも結びつくと指摘しました。真鍋淑郎は、大気中の二酸化炭素が増えると地表の気温が上がることを、地球の気候の物理モデルで示しました。
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)編集上の関連
IPCCは、人間が引き起こす気候変動についての知識を広げた努力などにより、2007年の平和賞を受けました。授賞発表は、IPCCが報告書を通じて、人間の活動と地球温暖化の関係について幅広い合意を築いたと述べています。
- ウィリアム・ノードハウス編集上の関連
真鍋が気候の物理モデルを築いたのに対し、ノードハウスは1990年代半ばに経済と気候の相互作用を描く統合評価モデルをつくり、炭素税などの気候政策の影響を調べられるようにしました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Syukuro Manabe)
- 2021年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
- Press release: The Nobel Prize in Chemistry 1995
- Syukuro Manabe – Facts
- Press release: The Nobel Prize in Physics 2021 - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physics 2021 - Popular science background - NobelPrize.org
- Syukuro Manabe – Biographical - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。