個人

ウィリアム・ノードハウス

William D. Nordhaus

1941年生まれ

  • 2018年 経済学賞

何をした人か

経済と気候が互いに影響し合う様子を数量的に描く「統合評価モデル」をつくった、アメリカの経済学者です。

受賞理由のやさしい要約

2018年 経済学賞(賞の1/2)

気候変動を長期のマクロ経済分析に組み込んだことが評価されました。技術革新を長期のマクロ経済分析に組み込んだポール・ローマーとの2人での受賞で、2人とも持続的で持続可能な経済成長をどう実現するかという問いに取り組みました。

同じ年・部門の共同受賞:ポール・ローマー

公式の受賞理由(英語)
for integrating climate change into long-run macroeconomic analysis

何を問い直したか

1970年代、化石燃料の燃焼による温暖化への懸念が科学者の間で高まるなか、このテーマに取り組み始めました。1990年代半ばには、物理学や化学、経済学の理論と実証結果を組み合わせたモデルをつくりました。このモデルは、炭素税のような気候政策がどんな結果をもたらすかを調べるのに使われています。

私たちの生活や社会とのつながり

ノードハウスの研究によれば、温室効果ガスの問題への最も効率的な対策は、すべての国に一律にかける世界的な炭素税の仕組みです。ただし、気候が温室効果ガスにどれほど敏感か、被害がどれほど大きいかといった不確実性を、モデルでなくせるわけではありません。スウェーデン王立科学アカデミーも、受賞者たちは決定的な答えを示したわけではないと述べています。

関連する受賞者・団体

  • ポール・ローマー同じ賞の共同受賞

    2018年の経済学賞をともに受けました。

  • スヴァンテ・アレニウス編集上の関連

    アレニウスは、二酸化炭素の量が倍になれば気温が5〜6℃上がると見積もりました。ノードハウスは、経済と気候が影響し合う世界全体のモデルをつくり、炭素税のような対策を数字で比べられるようにしました。

  • ロバート・ソロー編集上の関連

    ソローは天然資源が限られる中でも成長を続けられるかを理論的に考え、成長が環境に与える影響も研究しました。ノードハウスは経済と気候の相互作用を表すモデルをつくり、成長と環境の問題をさらに具体的に扱いました。

  • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)編集上の関連

    IPCCが気候変動の科学的な根拠をまとめてきた一方で、ノードハウスは気候変動を長期的なマクロ経済分析に組み込みました。同じ問題を、科学の集約と経済の分析という別の角度から見る組み合わせです。

  • エリノア・オストロム編集上の関連

    ノードハウスは温暖化を、放っておくと市場が非効率な結果を生む地球規模の外部性として分析しました。共有資源は利用者の組織でもうまく管理できると示したオストロムと並べると、みんなの資源を守る方法を二つの方向から考えられます。

  • 真鍋淑郎編集上の関連

    真鍋が気候の物理モデルを築いたのに対し、ノードハウスは1990年代半ばに経済と気候の相互作用を描く統合評価モデルをつくり、炭素税などの気候政策の影響を調べられるようにしました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(William D. Nordhaus)
  2. 2018年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
  3. William D. Nordhaus – Facts – 2018 - NobelPrize.org
  4. The Prize in Economic Sciences 2018 - Press release - NobelPrize.org
  5. The Prize in Economic Sciences 2018 - Popular science background - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

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