個人
パウル・クルッツェン
Paul J. Crutzen
1933年生まれ・2021年没
何をした人か
窒素酸化物がオゾンを減らすしくみを示した、アムステルダム生まれでオランダ国籍の大気化学者です。
受賞理由のやさしい要約
1995年 化学賞(賞の1/3)
大気化学、とくにオゾンができたり分解したりするしくみの研究が評価され、マリオ・モリーナ、シャーウッド・ローランドとの3人で受賞しました。受賞発表は、3人の研究によって、人間が出す特定の化合物にオゾン層がどれほど影響を受けやすいかが示されたと述べています。
同じ年・部門の共同受賞:マリオ・モリーナ、シャーウッド・ローランド
公式の受賞理由(英語)
for their work in atmospheric chemistry, particularly concerning the formation and decomposition of ozone何が新しかったか
1970年、クルッツェンは窒素酸化物が自らは消費されずにオゾンと反応し、オゾンが減る速さを上げることを示しました。この窒素酸化物は、地上の微生物の働きから生まれる安定な一酸化二窒素が大気中で分解してできるものです。のちに仲間とともに、南極上空での急激なオゾン減少を、成層圏の雲の粒の表面で進む化学反応によって説明しました。
私たちの生活や社会とのつながり
受賞発表は、土の中の微生物とオゾン層の厚さを結びつけたこの成果が、地球規模の物質循環の研究が急速に進んだ理由の一つだと述べています。受賞当時は、地表に近い層で車や工場などからの排出によってオゾンが増え、作物や健康を損なうことも問題とされていました。クルッツェンは、そのしくみの解明でも先頭に立っていました。
関連する受賞者・団体
- マリオ・モリーナ同じ賞の共同受賞
1995年の化学賞をともに受けました。
- シャーウッド・ローランド同じ賞の共同受賞
1995年の化学賞をともに受けました。
- 真鍋淑郎編集上の関連
受賞発表は、オゾンも二酸化炭素やメタンと同じく温室効果ガスであり、オゾンの問題は人類が気候に与える影響とも結びつくと指摘しました。真鍋淑郎は、大気中の二酸化炭素が増えると地表の気温が上がることを、地球の気候の物理モデルで示しました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Paul J. Crutzen)
- 1995年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
- Press release: The Nobel Prize in Chemistry 1995
- Syukuro Manabe – Facts
- Paul J. Crutzen – Facts - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。