個人

バリー・マーシャル

Barry J. Marshall

1951年生まれ

  • 2005年 生理学・医学賞

何をした人か

胃の中の未知の細菌ピロリ菌の培養に成功し、胃炎や潰瘍の原因に関わることを示したオーストラリアの医師です。

受賞理由のやさしい要約

2005年 生理学・医学賞(賞の1/2)

ピロリ菌の発見と、その菌が胃炎や消化性潰瘍で果たす役割の発見が評価されました。胃の下部に住みつく小さく曲がった細菌を観察した病理医ロビン・ウォレンとの2人での受賞です。受賞発表では、2人が粘り強く当時の定説に挑んだことも強調されています。

同じ年・部門の共同受賞:ロビン・ウォレン

公式の受賞理由(英語)
for their discovery of the bacterium <i>Helicobacter pylori</i> and its role in gastritis and peptic ulcer disease

何が新しかったか

当時、消化性潰瘍の主な原因はストレスや生活習慣だと考えられていました。マーシャルはウォレンとともに100人の生検試料を調べ、胃炎や潰瘍のある患者のほとんどにこの菌がいることを見つけました。周囲の反応が鈍いなか、自分自身を実験台にして、胃に菌が住みつき組織が傷つくことを確かめました。

私たちの生活や社会とのつながり

受賞発表によると、胃酸を抑えるだけでは潰瘍が再発しやすかったのに対し、菌を胃から除くことで治せることが治療研究で示されました。この発見は、慢性的な感染と炎症、がんの関係の理解も深めました。ただし発表は、健康な保菌者にまで抗菌薬を使うと耐性菌の問題を招くとして、慎重な使用も求めていました。 [根拠 4]

関連する受賞者・団体

  • ロビン・ウォレン同じ賞の共同受賞

    2005年の生理学・医学賞をともに受けました。

  • イワン・パブロフ編集上の関連

    パブロフは神経が胃液などの分泌を調節するしくみを、マーシャルは胃潰瘍の最も多い原因が細菌の感染であることを明らかにしました。同じ胃の働きと病気を、別の角度から照らした2人です。

  • ロベルト・コッホ編集上の関連

    マーシャルらは、ある細菌が病気の原因だと示すための「コッホの条件」を満たそうと実験を重ねました。病気の原因を微生物に求める考え方が、胃潰瘍の研究でも生きていたことがわかります。

  • ペイトン・ラウス編集上の関連

    ラウスはがんを起こすウイルスを、マーシャルは胃の病気に関わるピロリ菌を見つけました。米国立がん研究所は、ピロリ菌や一部のウイルスを、がんの原因やリスクになりうる感染因子として挙げています。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Barry J. Marshall)
  2. 2005年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
  3. Barry J. Marshall – Facts - NobelPrize.org
  4. Press release: The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2005 - NobelPrize.org
  5. Barry J. Marshall – Biographical - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。