個人
ペイトン・ラウス
Peyton Rous
1879年生まれ・1970年没
何をした人か
ニワトリのがんが細胞を含まないろ過液でうつることを示し、がんを起こすウイルスを見つけたアメリカの研究者です。 [根拠 4・5]
受賞理由のやさしい要約
1966年 生理学・医学賞(賞の1/2)
腫瘍を引き起こすウイルスの発見が評価されました。同じ年の賞の残り半分は、前立腺がんのホルモン療法についての発見をしたチャールズ・ハギンズに贈られました。ラウスの実験は1910年のことで、受賞までに半世紀以上がたっていました。
同じ年・部門の共同受賞:Charles B. Huggins(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for his discovery of tumour-inducing viruses何が新しかったか
当時は、ウイルスの病気はうつるもので、がんは感染とは関係がないという考えが根強く、ラウスのウイルス説は強い懐疑の目で見られました。哺乳類では同じ結果が再現できず、発見は長く見過ごされました。のちに、ウイルスが自分の遺伝物質を細胞に組み込み、細胞の性質を変えうることが分かって、ラウスの発見は再び注目されました。 [根拠 5]
私たちの生活や社会とのつながり
受賞の年の授賞式では、腫瘍ウイルスの研究が現代のがん研究の中心的な分野になったと紹介されました。米国立がん研究所によると、ウイルスや細菌などの一部の感染因子は、がんの原因になったりリスクを高めたりします。ワクチンなどで感染のリスクを下げられるものもあります。 [根拠 5・6]
関連する受賞者・団体
- マイケル・ビショップ研究の継承
ラウスはニワトリの腫瘍からがんを起こすウイルスを見つけ、このウイルスはのちにラウスウイルスと名づけられました。ビショップとヴァーマスはこのウイルスを調べることで、がん遺伝子の本当の起源を示しました。
- バリー・マーシャル編集上の関連
ラウスはがんを起こすウイルスを、マーシャルは胃の病気に関わるピロリ菌を見つけました。米国立がん研究所は、ピロリ菌や一部のウイルスを、がんの原因やリスクになりうる感染因子として挙げています。
- キャロル・グライダー編集上の関連
ラウスはウイルスががんを引き起こしうることを示しました。グライダーらがテロメラーゼを見つけたあと、がん細胞ではその働きが高まっていることが多いと分かりました。がん細胞がなぜ増え続けるのかという問いに、別の角度から迫った2人です。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Peyton Rous)
- 1966年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1989 - Press release
- Peyton Rous – Facts - NobelPrize.org
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
- Risk Factors: Infectious Agents - NCI(cancer.gov)
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。