個人
マリオ・モリーナ
Mario J. Molina
1943年生まれ・2020年没
何をした人か
スプレー缶や冷蔵庫に使われていたフロンがオゾン層を壊すことを示した、メキシコシティ生まれの化学者です。
受賞理由のやさしい要約
1995年 化学賞(賞の1/3)
大気化学、とくにオゾンができたり分解したりするしくみについての研究が評価されました。窒素酸化物がオゾンを減らすことを示したパウル・クルッツェン、フロンの研究をともに進めたシャーウッド・ローランドとの3人での受賞です。受賞発表は、3人が深刻な結果を招きかねない地球規模の環境問題から人類を救うことに貢献したと述べています。
同じ年・部門の共同受賞:パウル・クルッツェン、シャーウッド・ローランド
公式の受賞理由(英語)
for their work in atmospheric chemistry, particularly concerning the formation and decomposition of ozone何が新しかったか
フロンは化学的に安定で毒性もないため、環境にとって理想的な物質だと考えられていました。モリーナとローランドは、フロンがゆっくりオゾン層まで運ばれ、強い紫外線で分解されて塩素原子を放つと考えました。そのまま使い続ければ数十年後にはオゾン層が何パーセントも減ると計算し、のちに大筋で正しかったことがわかりました。
私たちの生活や社会とのつながり
オゾンは酸素とともに太陽の紫外線の大部分を吸収し、陸上の生き物を守っています。こうした科学的な理解をもとに、1987年にオゾン層を守るモントリオール議定書が結ばれ、オゾン層を壊すガスの放出が規制されました。ただし受賞当時、オゾン層が完全に回復するには少なくとも100年かかるとみられていました。
関連する受賞者・団体
- パウル・クルッツェン同じ賞の共同受賞
1995年の化学賞をともに受けました。
- シャーウッド・ローランド同じ賞の共同受賞
1995年の化学賞をともに受けました。
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)編集上の関連
モリーナの受賞発表は、オゾンが二酸化炭素やメタンと同じく温室効果ガスで、フロンにも同じような働きがあると指摘し、オゾン層の問題が気候変動とつながっていると述べています。IPCCは、人間が引き起こす気候変動についての知識を広めてきた組織です。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Mario J. Molina)
- 1995年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
- Mario J. Molina – Facts - NobelPrize.org
- Press release: The 1995 Nobel Prize in Chemistry - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。