個人

キャリー・マリス

Kary B. Mullis

1944年生まれ・2019年没

  • 1993年 化学賞

何をした人か

ごく少量のDNAを短い時間で大量に複製できるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を発明したアメリカの化学者です。 [根拠 3]

受賞理由のやさしい要約

1993年 化学賞(賞の1/2)

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の発明が評価されました。DNAを扱う化学の方法の発展として、カナダのマイケル・スミスと2人で受賞しています。スミスは、DNAの決めた位置に変異を起こす「部位特異的変異導入法」を確立した研究者です。マリスは、カリフォルニアの山道を夜に車で走っているときにPCRを思いついたと語っています。 [根拠 3・4・5]

同じ年・部門の共同受賞:マイケル・スミス

公式の受賞理由(英語)
for his invention of the polymerase chain reaction (PCR) method

何が新しかったか

増やしたいDNAの区間の両端に結合する短いDNA断片を2つ用意し、DNAポリメラーゼという酵素に新しい鎖をつくらせます。加熱して2本の鎖を分け、同じ手順をくり返すたびに、目的の区間のコピーの数が倍になっていきます。数時間で数百万のコピーが得られ、原理的には試験管と熱源があれば行える単純さも特徴でした。 [根拠 4]

私たちの生活や社会とのつながり

受賞発表は、PCRによって患者の試料から微生物を培養しなくても感染症を診断できるようになり、HIV感染の発見にも使われていると述べています。犯罪捜査では一滴の血液や一本の髪の毛からDNAを調べられるようになり、遺伝病の原因となる遺伝子の変化を突き止める研究にも使えるとされました。 [根拠 4]

関連する受賞者・団体

  • マイケル・スミス同じ賞の共同受賞

    1993年の化学賞をともに受けました。

  • フレデリック・サンガー編集上の関連

    サンガーは、DNAの塩基の並び順を読み取る方法を開発しました。マリスの受賞発表は、PCRによって遺伝子の配列決定やクローン化がずっと簡単になったと述べています。

  • フランソワーズ・バレ=シヌシ編集上の関連

    バレ=シヌシはHIVを発見しました。マリスが発明したPCRは、HIV感染を見つける検査にも使われるようになりました。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Kary B. Mullis)
  2. 1993年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Kary B. Mullis – Facts - NobelPrize.org
  4. Press release: The 1993 Nobel Prize in Chemistry - NobelPrize.org
  5. Award ceremony speech - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。