個人
利根川進
Susumu Tonegawa
1939年生まれ・2026年没
何をした人か
ヒトの遺伝子の数をはるかに超える何億種類もの抗体がどうして生まれるのかを明らかにした、日本の分子生物学者です。
受賞理由のやさしい要約
1987年 生理学・医学賞(単独受賞)
抗体の多様性を生み出す遺伝の仕組みを発見したことが評価され、単独で受賞しました。1976年の研究で、細胞が抗体をつくるBリンパ球へ育つ途中で、遺伝子の配置が組み替えられることを示しました。受賞当時はマサチューセッツ工科大学に所属していました。
公式の受賞理由(英語)
for his discovery of the genetic principle for generation of antibody diversity何が新しかったか
抗体の構造は遺伝子で決まりますが、限られた遺伝子でなぜこれほど多様な抗体がつくれるのかは、長く解けない謎でした。利根川の研究を出発点に、抗体の長い鎖の可変部は、V・D・Jという3つの遺伝子のグループから1つずつがくじ引きのように選ばれて組み合わさることがわかりました。受け継いだ遺伝子の断片の組み換えと変異によって多様性が生まれることを示し、長く続いた論争に決着をつけました。
私たちの生活や社会とのつながり
受賞発表では、この発見がワクチン接種の強化や移植時の拒絶反応の抑制に役立ち、自己免疫疾患の分野でも重要になると期待されました。1981年にMITへ移ってからは、T細胞の受容体の研究にも取り組みました。2026年7月11日に亡くなりました。
関連する受賞者・団体
- セーサル・ミルスタイン編集上の関連
利根川進は抗体が多様になる遺伝の仕組みを明らかにし、1984年に受賞したミルスタインはケーラーとともに、同じ抗体をつくり続けるハイブリドーマ法を発表しました。
- 本庶佑編集上の関連
利根川進は抗体を生む遺伝子の仕組みを、本庶佑は免疫細胞の表面にあってブレーキとして働くタンパク質を明らかにしました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Susumu Tonegawa)
- 1987年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Susumu Tonegawa – Facts - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1987 - Press release - NobelPrize.org
- Susumu Tonegawa – Biographical - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。