個人
トルステン・ウィーセル
Torsten N. Wiesel
1924年生まれ
何をした人か
デイヴィッド・ヒューベルとともに、脳が目からの信号を読み解くしくみと、その力が生まれた後に育つことを示したスウェーデン生まれの研究者です。
受賞理由のやさしい要約
1981年 生理学・医学賞(賞の1/4)
視覚の情報処理に関する発見が評価され、賞の半分を大脳半球を研究したロジャー・スペリーが、残る半分をウィーセルとヒューベルが分け合いました。大脳皮質では、明暗や模様、動きを読み取る役目をもつ細胞によって、信号が順に分析されることを明らかにしました。
同じ年・部門の共同受賞:Roger W. Sperry(未収録)、デイヴィッド・ヒューベル
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries concerning information processing in the visual system何が新しかったか
2人は、網膜からの信号を読み解く視覚野の細胞の力は生まれた直後の時期に育つこと、そしてそのためには目がものを見る経験が必要なことを示しました。この時期に片目を数日閉じただけでも、視覚野に永続的な変化が起きました。光が届くだけでは足りず、輪郭の多い模様をもつ像が必要だったことから、生まれて間もない脳の高い可塑性が浮かび上がりました。
私たちの生活や社会とのつながり
授賞式の演説は、この発見が視覚の研究をはるかに超える意味をもち、脳の高度な働きが育つには変化に富んだ感覚の刺激が大切だと示すと述べました。ウィーセルはのちにロックフェラー大学の学長を務め、米国科学アカデミーの人権委員会の委員長として、投獄や嫌がらせを受けた研究者の支援にも取り組みました。
関連する受賞者・団体
- デイヴィッド・ヒューベル同じ賞の共同受賞
1981年の生理学・医学賞をともに受けました。
- ジョセフ・ゴールドスタイン編集上の関連
ゴールドスタインは2012年の追記で、ブラウンとの長い共同研究に触れ、ノーベル賞につながった長い協力関係の例としてヒューベルとウィーセルの20年を挙げています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Torsten N. Wiesel)
- 1981年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1981 - Press release - NobelPrize.org
- Torsten N. Wiesel – Facts - NobelPrize.org
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
- Torsten N. Wiesel – Biographical - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。