個人

ロバート・バーンズ・ウッドワード

Robert Burns Woodward

1917年生まれ・1979年没

  • 1965年 化学賞

何をした人か

キニーネやコレステロール、葉を緑にするクロロフィルなど、自然がつくる複雑な物質を化学の方法で合成した、ボストン生まれの化学者です。

受賞理由のやさしい要約

1965年 化学賞(単独受賞)

有機合成の技における際立った業績が評価され、化学賞を単独で受けました。授賞式の紹介では、複雑な分子の合成はすべての原子を正しい位置に置かなければならない難しい仕事だと述べられました。そのうえで、有機合成は厳密な科学であると同時に芸術でもあるといわれることにも触れています。

公式の受賞理由(英語)
for his outstanding achievements in the art of organic synthesis

何が新しかったか

合成にはしばしば何段階もの複雑な工程が必要ですが、ウッドワードはそれを使いこなし、実際には不可能だと見られていた合成に好んで挑みました。よく知られた毒物ストリキニーネや、医療で重要なアルカロイドのレセルピンも合成しています。合成だけでなく、日本で多くの死者を出してきた魚の毒テトロドトキシンなど、重要な化合物の構造も数多く明らかにしました。

私たちの生活や社会とのつながり

授賞式では、薬になる物質を合成できれば、構造の細部を変えてより効果の高い薬を探せるようになると説明されました。ウッドワードは抗生物質のオーレオマイシンとテラマイシンの構造を決め、テトラサイクリン類と呼ばれる仲間を合成する道も開いています。

関連する受賞者・団体

  • ロアルド・ホフマン共同研究

    ホフマンが1965年にハーバード大学で行った最初の本格的な理論研究は、ウッドワードとの共同研究でした。ホフマンはその観察をさらに発展させて1981年の化学賞を受けましたが、ウッドワードは1979年に亡くなっていました。

  • 福井謙一編集上の関連

    1960年代半ば、福井謙一はホフマンとほぼ同時に、それぞれ独立して、フロンティア軌道の対称性から、それまで理解しにくかったある種の反応の進み方を説明できることを見つけました。複雑な分子を実際に組み立てたウッドワードと、反応の進み方を理論で先読みした福井を並べると、化学の実験と理論の両面が見えてきます。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Robert B. Woodward)
  2. 1965年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Press release: The Nobel Prize in Chemistry 1981
  4. Robert B. Woodward – Facts - NobelPrize.org
  5. Award ceremony speech - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。