個人

福井謙一

Kenichi Fukui

1918年生まれ・1998年没

  • 1981年 化学賞

何をした人か

化学反応がどう進むかを、電子の軌道から説明する理論を築いた化学者。京都大学で研究しました。

受賞理由のやさしい要約

1981年 化学賞(賞の1/2)

化学反応の進み方についての理論が評価されました。同じ年に受賞したロアルド・ホフマンとは、それぞれ独立に理論を発展させています。

同じ年・部門の共同受賞:ロアルド・ホフマン

公式の受賞理由(英語)
for their theories, developed independently, concerning the course of chemical reactions

何が新しかったか

福井は、分子の中で最も弱く結びついた電子の軌道と、電子が最も入りやすい空いた軌道の性質が、分子の反応のしやすさに思いがけないほど大きく関わることを示しました。これらを「フロンティア軌道」と名づけたこの理論は、実験の経験則に頼っていた部分に、理論的な見通しを与えました。

私たちの生活や社会とのつながり

受賞当時すでに、反応を理論で予測する考え方は、生命のしくみを調べる研究や新しい薬をつくる化学合成に生かされていました。また、染料工業などの原料になるナフタレンでは、分子の中の位置によって水素原子の反応のしかたが大きく違うことが、長く謎とされてきました。これを説明したのが福井の理論でした。

関連する受賞者・団体

  • ロアルド・ホフマン同じ賞の共同受賞

    1981年の化学賞をともに受けました。

  • ライナス・ポーリング編集上の関連

    化学反応や化学結合を、量子力学の考えから理論的に説明しようとした点で通じる2人です。

  • ロバート・バーンズ・ウッドワード編集上の関連

    1960年代半ば、福井謙一はホフマンとほぼ同時に、それぞれ独立して、フロンティア軌道の対称性から、それまで理解しにくかったある種の反応の進み方を説明できることを見つけました。複雑な分子を実際に組み立てたウッドワードと、反応の進み方を理論で先読みした福井を並べると、化学の実験と理論の両面が見えてきます。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Kenichi Fukui)
  2. 1981年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Press release: The Nobel Prize in Chemistry 1981
  4. Award ceremony speech - NobelPrize.org
  5. Kenichi Fukui – Facts - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。