古都ルアン・パバン

登録年
1995年
所在国
ラオス
登録区分
文化遺産
地域
アジア
登録基準
(ii) (iv) (v)

基本を学ぶ

どこにあり、何が登録されたのか — 二つの伝統の融合

ラオス北部の山がちな地域の中心。メコン川とナムカン川が作る半島の上に建てられています。プーターオ山とプーナン山などの山並みが緑でこの都市を囲みます。

本体 820 ha
緩衝地帯 12,560 ha(本体の約15.3倍)
登録 1995年、基準 (ii)(iv)(v)
軽微な範囲変更 2013年
dossier 479bis

この章でいちばん広い緩衝地帯です。バガン1588 の18,146.83 ha のほうが面積は大きいものの、本体に対する比ではルアン・パバンが上(バガンは約3.63倍)。

名の由来と、首都だった時期

都市の創建には多くの伝説が結びついており、その一つは、ブッダが旅の途中でここで休んだとき微笑み、いつかここが豊かで強力な都市の地になると予言しただろうというものである。

時期 名と地位
古く ムアンスア、のちシエントーン
14〜16世紀 ラーンサーン王国(百万頭の象の王国)の首都。その富と影響力は絹の道(Silk Route)上の戦略的位置に関わっていた。この地域の仏教の中心でもあった
1893年 フランス保護領の成立(国が三つの独立した王国に分かれた混乱の時期のあと)
その後 シーサワーンウォン王の治世に再び王と宗教の首都
1946年 ヴィエンチャンが行政首都になり、その役割を終えた

ルアン・パバンの名は、カンボジアから贈られた仏像プラバーンに由来する。

何が融合したのか

ルアン・パバンは、ラオスの伝統的な都市建築と植民地時代の建築との融合を映す、豊かな建築と芸術の遺産の両面で例外的である。 政治と宗教の中心は半島であり、王家と貴族の住居と宗教の基礎がある。 それぞれに寺を持つ古い村々の伝統的な都市の織物は、のちの建造によって保たれた。街路の網を含む植民地の都市形態は、以前の型に調和して重なった。かつては都市の限界が防御の壁によって定められていた。

「のちの建造によって保たれた」「調和して重なった」という書き方です。7章では、オデーサ1703 が近代の埋め込みで街区の形と特徴が脆弱とされていました。

建物と、景観の中の聖なるもの

種類 材料
建物の大半 伝統に従い木造
寺院だけ 石造
植民地の要素 1階か2階の煉瓦の家

ルアン・パバンの多くの仏塔すなわち「ワット」は、東南アジアでもっとも洗練された仏教寺院のうちにあり、豊かに装飾されている(彫刻・彫金・絵画・金箔・家具)。 16世紀に遡るワット・シエントーンは、この町のすべての仏塔のうちでもっとも複雑な構造のアンサンブルからなる。考古学の観点からも、ラオスの図像と美学の観点からも注目に値する。

多くの伝統的なラオスの家が残っている。それらは伝統的な技術と、植民地期に導入された材料——練り土を塗った編み竹のパネルなど——を使って木で建てられている。 煉瓦の植民地建築は、しばしば木のバルコニーやその他の装飾を伴い、大通りとメコン川に沿って並ぶ。

聖なるものが景観の中にある

ルアン・パバンの建造遺産は自然環境と完全な調和にある。聖なるプーシー山が、メコンとナムカンに区切られた半島の上に建てられた歴史的な町の中心に立っている——神話のナーガの領域である。 ナーガとその他の悪霊を鎮める儀礼と、仏教の宗教的な実践(プラバーンの行列、僧の朝の托鉢)が、この場所の聖性を永続させている。

都市の中心と川岸に位置する自然の空間、そして湿地(養魚と野菜栽培に使われる池の複雑な網)がこの保たれた自然環境を補っているとされます。

無形遺産との重なりも記録されています——2003年条約の「ラオスの共同体におけるナーガ文様の織りの伝統工芸」が、この資産に関わる要素として挙がっています。

真正性 — 「程度は低い」と書かれている

完全性

登録された遺跡の完全性は、顕著な普遍的価値を映す自然景観の中に置かれた建築と文化の遺産に結びついている。すべての重要な要素、とくに都市の織物と主要な記念物(寺院・公共建築・伝統的な家)が保たれてきた。 しかし、町の急速な発展と強い経済的圧力による遺跡への脅威がいくつかあり、その多くは観光に関わっている——建物の用途の変容、住民の退去、違法建築。

「住民の退去」が脅威として名指しされています。

真正性

景観と都市の織物は高い程度の真正性を保っており、遺跡はいかなる大きな建造によっても乱されていない。 宗教建築は定期的に維持されている。僧たちが若い僧に、自らの遺産のための修復の技術を教えている。さらに、仏教の信仰と、それに関わる文化の伝統(儀礼と祭儀)はいまも生きており、熱心に実践されている。

しかし、多くの家の材料と建築技術の真正性の程度は低い。長い期間、ふさわしくない近代の技術と材料(とくにコンクリート)が、伝統的な材料を置き換えるのにしばしば使われてきたためである。

真正性の節が「程度は低い」と書いています。

この章では、真正性に弱点が書かれる資産が三つあります。

遺産 書かれ方
ルアン・パバン479 多くの家の材料と建築技術の真正性の程度は低い(コンクリートへの置き換え)
石窟庵736 コンクリートドームが形の真正性を減じた(ただし当時としては受け入れられた)
バガン1588 1970年代と1990年代のふさわしくない介入と、地震による広範な損害によって損なわれてきた

一方、ポタラ宮707 と雲岡石窟1039 の真正性の節は弱点を書きません。4章では紅河1111 が材料の入手しにくさとコンクリートブロックへの置き換えを書き、湖水地方422 は弱点を書かないでした。同じ「コンクリートへの置き換え」が、紅河では完全性と真正性の両方、ルアン・パバンでは真正性の程度として書かれています。

誰が守っているか — 計画が二層になっている

法

記念物と宗教建築 1978年 教育スポーツ省令 第1375号(ラオス仏教連盟の国と州の行政の責任のもと)
遺産保護の所管 1990年 情報文化省令 第139号——国=同省、地域=情報文化局、地方=県
環境 1999年 環境保護法 第09/NA号 第16条(歴史・文化・自然の遺産)。第7条は、いかなる開発・インフラ事業に着手する前にも社会環境影響分析を行う義務を扱う
国家遺産 2005年 法 第08/NA号

道具立て

都市遺産保護法のほか、フランスのシノン市との分権的協力の確立、ルアン・パバン世界遺産局の創設、国と地方の遺産委員会の設置が挙げられています。

都市の保全・向上計画(SEP)は、法の力を持つ規制の部分と、いくらかの柔軟さを残しつつ事業を支えるための勧告に関わる、より適応的な部分の両方からなる。

一つの計画が二層になっています。

宗教の当局は、住民の支持とともに、自らの遺産の価値にとくに敏感である。 急速な都市の発展の負の影響に対抗するため、SEPの規則には、遺産局が地方遺産委員会と国家委員会の責任のもとで適用しなければならない措置が含まれる。

12,500 ha の緩衝地帯と、延期された計画

新しい課題(持続可能な観光、景観と周囲の農業区域の保全)に応えるため、12,500 ha の広い緩衝地帯が、2012年2月に首相令で承認された都市計画の見直しの文脈で定義された。 大規模な計画(新市街、大型ホテル)は、その影響がこの計画に照らして評価できるまで延期されている。 加えて、公共建築(小学校、美術学校)は民間部門に譲渡されず、修復され、その文化的な使命を保つことになる。

「延期されている」「譲渡されない」と、しないことが書かれています。

一覧の12,560 ha と本文の12,500 ha は、概数と実数の違いとみて両方を残します。

遺産の家(Heritage House)は2009年に再編されて遺産局になった。新しい遺産局はSEPと都市計画の厳密な適用を確かにする。 その使命はまた、地方委員会の行動を調整し、ルアン・パバンの遺産の普遍的な価値への意識を高め、開発とインフラの事業に関わる人びとに助言することでもある。

伝統的な材料と技術(木・煉瓦・瓦・在地の陶)の使用に関わる措置は、建造遺産と在地の建築の伝統の完全性を保つために強められることになる。

2級で押さえること

基準(ii)(iv)(v)。本体820 ha・緩衝12,560 ha(約15.3倍)で、この章で本体に対する緩衝地帯の比がいちばん大きい。2013年に軽微な範囲変更、dossier は 479bis。メコン川とナムカン川が作る半島の上。14〜16世紀にラーンサーン王国(百万頭の象の王国)の首都で、富と影響力は絹の道上の戦略的位置に関わっていた。名はカンボジアから贈られた仏像プラバーンに由来する。1893年のフランス保護領成立後、シーサワーンウォン王の治世に再び王と宗教の首都となり、1946年にヴィエンチャンが行政首都になるまでその役割を果たした。建物の大半は木造、石造は寺院だけ、植民地の要素は1階か2階の煉瓦の家。聖なるプーシー山が町の中心に立ち、メコンとナムカンに区切られた半島は神話のナーガの領域。ナーガを鎮める儀礼と、プラバーンの行列・僧の朝の托鉢がこの場所の聖性を永続させている。真正性の節が「多くの家の材料と建築技術の真正性の程度は低い」と書いている——長くコンクリートが伝統的な材料を置き換えてきたため。完全性の脅威は建物の用途の変容・住民の退去・違法建築。保全・向上計画(SEP)は、法の力を持つ規制の部分と、柔軟さを残す勧告の部分の二層からなる。大規模な計画(新市街、大型ホテル)は影響が評価できるまで延期され、公共建築は民間部門に譲渡されない。

準1級 準1級向けに理解を深める

準1級の掲載範囲は確かめていません。準1級の範囲は「日本の全遺産と主要な世界の遺産700件」ですが、どの700件かは公式に出ていません。ここに並ぶのは、ゼミが作ったキーワードの練習(試作46本)で、この記事がどのキーワードに入ったかです。公式テキストの分類ではありません。

この遺産が出てくるキーワード

キーワードこのキーワードで見るもの本文の手がかり
神話・伝説神話・伝説が、その記述でどんな役を果たすか「都市の創建には多くの伝説が結びついており」

いまのところ、この遺産が出てくるキーワードは1つです。ゼミの試作46本で数えた話で、公式テキストの分類ではありません。

準1級は、遺産を1件ずつではなくキーワードで横に読みます。このキーワードの練習では、ほかの参加記事と並べて読みます——同じ論点が、別の資産でどう書かれているかを見るためです。

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級別の確認問題

2級 確認問題

答えを選んでから、正解と解説を開きましょう。

確認1:古都ルアン・パバンの真正性の節が、多くの家について書いていることは?

  1. 材料と建築技術の真正性の程度は低い。長くコンクリートが伝統的な材料を置き換えてきたため
  2. 材料と建築技術の真正性は高い
  3. 多くの家については書かれていない
  4. 材料と建築技術の真正性の程度は低いが、近年の規制によってコンクリートの使用はすでに止まっている
正解と解説を開く

正解:1.材料と建築技術の真正性の程度は低い。長くコンクリートが伝統的な材料を置き換えてきたため

> しかし、多くの家の材料と建築技術の真正性の程度は低い。長い期間、ふさわしくない近代の技術と材料(とくにコンクリート)が、伝統的な材料を置き換えるのにしばしば使われてきたためである。「すでに止まっている」とは書かれていません。保護管理の節は伝統的な材料と技術の使用に関わる措置が「強められることになる」としています。高い真正性を保っているとされるのは、景観と都市の織物のほうです。

確認2:古都ルアン・パバンの完全性の節が挙げている脅威は?

  1. 地震と洪水
  2. 町の急速な発展と強い経済的圧力。多くは観光に関わる——建物の用途の変容、住民の退去、違法建築
  3. 脅威は挙げられていない
  4. 町の急速な発展と強い経済的圧力、メコン川の増水による半島の侵食、そして周囲の山地での森林の減少による景観の変化
正解と解説を開く

正解:2.町の急速な発展と強い経済的圧力。多くは観光に関わる——建物の用途の変容、住民の退去、違法建築

> しかし、町の急速な発展と強い経済的圧力による遺跡への脅威がいくつかあり、その多くは観光に関わっている——建物の用途の変容、住民の退去、違法建築。地震・洪水・侵食は挙げられていません。「住民の退去」が脅威として名指しされているのが特徴です。

確認3:古都ルアン・パバンの保全・向上計画(SEP)の構成は?

  1. 法の力を持つ規制の部分だけからなる
  2. 勧告だけで、法的な力は持たない
  3. 法の力を持つ規制の部分と勧告の部分の二層からなるが、勧告の部分は国家委員会の承認を経ていない
  4. 法の力を持つ規制の部分と、柔軟さを残しつつ事業を支える勧告の部分の二層からなる
正解と解説を開く

正解:4.法の力を持つ規制の部分と、柔軟さを残しつつ事業を支える勧告の部分の二層からなる

> 都市の保全・向上計画(SEP)は、法の力を持つ規制の部分と、いくらかの柔軟さを残しつつ事業を支えるための勧告に関わる、より適応的な部分の両方からなる。承認を経ていないという記述はありません。SEPの規則には遺産局が地方遺産委員会と国家委員会の責任のもとで適用しなければならない措置が含まれます。

確認4:古都ルアン・パバンの大規模な計画(新市街、大型ホテル)の扱いは?

  1. すべて許可されている
  2. すべて恒久的に禁止されている
  3. その影響が都市計画に照らして評価できるまで延期されている
  4. その影響が評価できるまで延期されており、評価のための新しい委員会の設置も決まっている
正解と解説を開く

正解:3.その影響が都市計画に照らして評価できるまで延期されている

> 大規模な計画(新市街、大型ホテル)は、その影響がこの計画に照らして評価できるまで延期されている。恒久的な禁止でも、全面的な許可でもありません。新しい委員会の設置についての記述もありません(国と地方の遺産委員会、世界遺産局、遺産局はすでにあります)。あわせて公共建築(小学校、美術学校)は民間部門に譲渡されず、修復され文化的な使命を保つとされます。

参考資料

確認日:2026年10月27日。世界遺産ゼミは非公式の学習コンテンツです。確認問題は独自に作成しています。特定の試験回への対応は未確定です。

参照した公式教材の版: くわしく学ぶ世界遺産300 <第6版>

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