個人
ダロン・アセモグル
Daron Acemoglu
1967年生まれ
何をした人か
社会の制度がどのように形づくられ、国の豊かさにどう影響するかを研究した、イスタンブール生まれの経済学者です。
受賞理由のやさしい要約
2024年 経済学賞(賞の1/3)
制度がどのように形成され、繁栄にどう影響するかについての研究が評価されました。サイモン・ジョンソン、ジェームズ・ロビンソンとの3人での受賞です。法の支配が弱く、人々から搾取する制度のもとでは、成長もよりよい変化も生まれないことを示しました。
同じ年・部門の共同受賞:Simon Johnson(未収録)、James A. Robinson(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for studies of how institutions are formed and affect prosperity何を問い直したか
ヨーロッパ諸国による植民地化の際、ある地域では先住民から搾取して資源を持ち去るための制度が、別の地域では入植者が働いて投資する意欲を持てる「包摂的な」制度がつくられました。その結果、植民地化された当時に比較的豊かだった地域が、いまでは貧しい側にあるという「運命の逆転」が起きたことを示しました。米国とメキシコの国境で二つに分かれた町ノガレスも例に挙げ、両側の暮らしの差の多くは、植民地時代にさかのぼる制度の違いによると説明しています。
私たちの生活や社会とのつながり
搾取的な制度は権力者に短期的な利益をもたらすため、そこから抜け出せない国があると論じました。権力者の改革の約束は信用されにくい一方、革命の脅威があるときには民主化が起こることもあると説明しています。国どうしの大きな所得差をどう縮めるかを考える手がかりとされています。
関連する受賞者・団体
- ロバート・ソロー編集上の関連
ソローは、資本や労働、技術から国の成長を説明する枠組みをつくりました。アセモグルらは、国どうしの豊かさの大きな差を説明する重要な要因として、社会の制度の違いに光を当てました。
- ダグラス・ノース編集上の関連
ノースは1990年の著書で、なぜ豊かな国と貧しい国があるのかを問いました。アセモグルらは、社会の制度が国の豊かさにとって重要であることを示しました。
- エリノア・オストロム編集上の関連
アセモグルは国全体の政治・経済制度が豊かさを左右することを示しました。漁場や牧草地などの共有資源を利用者の組織が管理できると示したオストロムは、より身近な単位の制度に光を当てました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Daron Acemoglu)
- 2024年 アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞(NobelPrize.org)
- Daron Acemoglu – Facts – 2024 - NobelPrize.org
- The Prize in Economic Sciences 2024 - Press release - NobelPrize.org
- The Prize in Economic Sciences 2024 - Popular science background - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。