個人
エリザベス・ブラックバーン
Elizabeth H. Blackburn
1948年生まれ
何をした人か
染色体の端にあるテロメアのDNA配列を突き止め、それをつくる酵素テロメラーゼを見つけた研究者です。オーストラリアのタスマニア生まれです。
受賞理由のやさしい要約
2009年 生理学・医学賞(賞の1/3)
染色体がテロメアと酵素テロメラーゼによってどのように守られているかの発見が評価されました。テロメラーゼをともに見つけたキャロル・グライダー、テロメアの働きをともに確かめたジャック・ショスタクとの3人での受賞です。
同じ年・部門の共同受賞:キャロル・グライダー、Jack W. Szostak(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for the discovery of how chromosomes are protected by telomeres and the enzyme telomerase何が新しかったか
DNAを写し取る仕組みでは鎖の一番端が写せず、細胞が分裂するたびに染色体が短くなるはずだという謎がありました。ブラックバーンは単細胞生物テトラヒメナの染色体の端で、CCCCAAという配列のくり返しを見つけました。この配列をつないだ小さな人工染色体は酵母の中で分解されにくくなり、かけ離れた生物に共通する仕組みがあることが示されました。
私たちの生活や社会とのつながり
テロメアが短くなると細胞は老化し、がん細胞ではテロメラーゼの働きが高まっていることが多いとわかってきました。ただし受賞発表(2009年)は、体全体の老化は複数の要因によるもので、テロメアはその一つと考えられているとしています。一部の遺伝性の再生不良性貧血などがテロメラーゼの異常で起こることもわかり、新しい治療法の研究を刺激しました。 [根拠 4]
関連する受賞者・団体
- キャロル・グライダー同じ賞の共同受賞
2009年の生理学・医学賞をともに受けました。
- バーバラ・マクリントック編集上の関連
1930年代にはマクリントックらが、染色体の端の構造が染色体どうしのくっつきを防いでいるらしいと気づいていましたが、その仕組みは謎のままでした。ブラックバーンらの発見は、その謎に答えるものでした。
- 大隅良典編集上の関連
大隅は細胞が中身を分解して再利用する仕組みを、ブラックバーンは染色体の端が守られる仕組みを明らかにしました。どちらも、細胞が自分を保つ基本の仕組みと老化の関係を別の角度から照らしています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Elizabeth H. Blackburn)
- 2009年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Elizabeth H. Blackburn – Facts - NobelPrize.org
- The 2009 Nobel Prize in Physiology or Medicine - Press release - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。