個人
フランシス・クリック
Francis Harry Compton Crick
1916年生まれ・2004年没
何をした人か
ジェームズ・ワトソンとともに、DNAが長い二重らせんの形をしていることを突き止めたイギリス生まれの研究者です。
受賞理由のやさしい要約
1962年 生理学・医学賞(賞の1/3)
核酸の分子構造と、それが生物の中で情報を伝えるうえでもつ意味についての発見が評価されました。受賞はワトソンと、DNAをX線結晶解析で調べたモーリス・ウィルキンスとの3人です。ワトソンとクリックは、2本のらせんの間で塩基が決まった組み合わせで対になっていることを示しました。
同じ年・部門の共同受賞:ジェームズ・ワトソン、Maurice Wilkins(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries concerning the molecular structure of nucleic acids and its significance for information transfer in living material何が新しかったか
クリックはもともとロンドンで物理学を学び、戦争中はイギリス海軍省で主に機雷の研究に携わりました。1947年に生物学へ移り、仲間とともに、らせん形の分子によるX線回折の一般理論をまとめました。1953年にはワトソンとともに、DNAの二重らせん構造と、DNAが複製されるしくみの案を示しました。
私たちの生活や社会とのつながり
塩基の並び順がタンパク質のアミノ酸の並びの設計図になるという見方は、生物の中で情報がどう伝わるかの説明につながりました。授賞式の演説では、生命科学のほぼすべての分野がこの発見の影響を大きく受けたと述べられています。受賞当時のクリックは、シドニー・ブレナーと組んでタンパク質合成や遺伝暗号の研究に力を入れていました。
関連する受賞者・団体
- ジェームズ・ワトソン同じ賞の共同受賞
1962年の生理学・医学賞をともに受けました。
- ライナス・ポーリング編集上の関連
クリックは生物学へ移って間もない時期に、ポーリングらと同じころ、αケラチンの構造はαヘリックスが巻き合ったものだと提案していました。ポーリングは1951年に、多くのたんぱく質の基本的な部品であるαヘリックスの構造を発表しています。
- ジャック・モノー編集上の関連
1965年の授賞式の演説によると、クリックやワトソンらがそれまでに示した遺伝子についての基本的な考え方が、モノーたちフランスの研究者が研究を進める足場になりました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Francis Crick)
- 1962年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1962 - Speed read: Deciphering life's enigma code - NobelPrize.org
- Francis Crick – Biographical - NobelPrize.org
- Francis Crick – Facts - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。