個人
ライナス・ポーリング
Linus Carl Pauling
1901年生まれ・1994年没
何をした人か
受賞理由のやさしい要約
何が新しかったか
量子力学を化学結合の説明に用いた先駆者の一人として、原子が電子を共有して結びつくしくみや、結合の種類の違いを説明しました。タンパク質の中のらせん構造の提案など、分子の形からはたらきを考える研究の流れをつくりました。 [根拠 6・9]
私たちの生活や社会とのつながり
分子の形と結合の考え方は、新しい化合物や化学反応を考えるうえでの基礎になっています。部門の異なる2つの賞をいずれも単独で受けた人物で、研究者が社会の問題に発言することの意味を考えるきっかけにもなります。 [根拠 6・7・8]
関連する受賞者・団体
- ヤコブス・ファント・ホッフ編集上の関連
ファント・ホッフは原子の結合の手が空間の中で決まった向きをもつと考えて立体化学の出発点をつくり、ポーリングは量子力学を使って化学結合のしくみを説明しました。分子の形と原子の結びつき方という問いを、別の時代の道具で追った2人です。
- フリッツ・ハーバー編集上の関連
化学者の研究と戦争・平和の関係を考える組み合わせです。ハーバーは毒ガス開発に関わり、ポーリングは核実験に反対しました。
- ドロシー・クロウフット・ホジキン編集上の関連
分子の形を明らかにすることで、物質のはたらきを理解しようとした2人です。主に理論からの予測と、X線による実験的な決定という、重心の異なる方法で取り組みました。
- 福井謙一編集上の関連
化学反応や化学結合を、量子力学の考えから理論的に説明しようとした点で通じる2人です。
- アハメッド・ズウェイル編集上の関連
ポーリングは化学結合の本質の研究で化学賞を受け、ズウェイルは化学結合が切れて新しくできる瞬間を観察しました。ズウェイルはカリフォルニア工科大学で、ポーリングの名を冠した教授職に就いていました。
- フランシス・クリック編集上の関連
クリックは生物学へ移って間もない時期に、ポーリングらと同じころ、αケラチンの構造はαヘリックスが巻き合ったものだと提案していました。ポーリングは1951年に、多くのたんぱく質の基本的な部品であるαヘリックスの構造を発表しています。
- ダン・シェヒトマン編集上の関連
2011年の解説によると、シェヒトマンと準結晶に対する最も激しい批判者の一人が、2度ノーベル賞を受けたポーリングでした。解説はこの例を、偉大な科学者でも慣習にとらわれることがあると示すものとしています。
- 日本原水爆被害者団体協議会編集上の関連
核兵器に反対する活動で平和賞を受けた個人と団体です。科学者のデータと被爆者の証言という、異なる立場から訴えました。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Linus Pauling)
- 1954年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
- 1962年 ノーベル平和賞(NobelPrize.org)
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
- Linus Pauling – Biographical - NobelPrize.org
- Linus Carl Pauling | Science History Institute
- Nobel Prize facts - NobelPrize.org
- Linus Pauling – Facts - NobelPrize.org
- Linus Pauling – Facts - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。