個人
マックス・デルブリュック
Max Delbrück
1906年生まれ・1981年没
何をした人か
物理学を学んだのち生物学に移り、細菌に感染するウイルス(ファージ)を使って遺伝のしくみを数量的に調べた研究者です。
受賞理由のやさしい要約
1969年 生理学・医学賞(賞の1/3)
ウイルスが増えるしくみと、その遺伝的な構造についての発見が評価され、アルフレッド・ハーシー、サルバドール・ルリアとの3人で受賞しました。3人は共同の研究計画を組んだのではなく、情報や材料を自由に交換し合う関係で、その周りに「ファージ・グループ」と呼ばれる学派が生まれました。
同じ年・部門の共同受賞:Alfred D. Hershey(未収録)、Salvador E. Luria(未収録)
公式の受賞理由(英語)
for their discoveries concerning the replication mechanism and the genetic structure of viruses何が新しかったか
1940年ごろ、デルブリュックは自己複製という生命の基本を調べるため、できるだけ単純な生きた系としてファージに注目しました。授賞式の演説によると、デルブリュックはファージ研究をあいまいな経験の積み重ねから正確な科学に変え、ルリアとともに統計的な評価の基準を整えました。1943年には2人で、細菌もより複雑な生物と同じく突然変異によって変わることを統計的に示しました。
私たちの生活や社会とのつながり
ファージは動物や人の細胞のような複雑なしくみのモデルとして使われ、3人は現代の分子生物学の土台を築いたと評価されています。医学の面では、ウイルスとウイルスによる病気の性質をより深く理解することにつながりました。デルブリュック自身は1950年代の初めから、感覚のしくみの研究に関心を移しました。
関連する受賞者・団体
- ニールス・ボーア研究の継承
ノーベル賞公式サイトの略歴によると、デルブリュックが生物学に関心を持ったのは、ボーアがきっかけでした。ボーアは、量子力学の相補性の考え方が物理学と生物学の関係にも当てはまるのではないかと考えていました。
- エルヴィン・シュレーディンガー編集上の関連
デルブリュックらが1935年に書いた突然変異の論文は、シュレーディンガーの小さな本『生命とは何か』で広く紹介されました。デルブリュックの公式の略歴は、この本での論文の紹介が1940年代後半の分子生物学の発展に強い影響を与えたと記しています。
- ジェームズ・ワトソン編集上の関連
ワトソンは、デルブリュックと共同受賞したルリアの指導のもとで、ファージの増殖についての博士論文を書きました。ワトソンはその後、核酸とたんぱく質の構造の研究へと方向を変えており、ファージ研究からDNAの構造へと進んだ流れをたどれます。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Max Delbrück)
- 1969年 ノーベル生理学・医学賞(NobelPrize.org)
- Max Delbrück – Biographical (NobelPrize.org)
- Max Delbrück – Facts - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1969 - Press release - NobelPrize.org
- Award ceremony speech - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。