個人
エルヴィン・シュレーディンガー
Erwin Schrödinger
1887年生まれ・1961年没
何をした人か
電子を波として扱う方程式をつくり、原子の中の電子のエネルギーを正確に計算できるようにした、オーストリア生まれの物理学者です。
受賞理由のやさしい要約
1933年 物理学賞(賞の1/2)
原子の理論の新しく実り多い形を見いだしたことが評価されました。相対性理論の要請を満たす電子の方程式を立てたポール・ディラックとの2人での受賞です。同じ式典では、1932年の物理学賞を受けたハイゼンベルクも表彰されています。
同じ年・部門の共同受賞:ポール・ディラック
公式の受賞理由(英語)
for the discovery of new productive forms of atomic theory何が新しかったか
ボーアの原子の理論は水素原子のスペクトルをよく説明しましたが、より複雑な原子や分子に合わせるには発展が必要でした。シュレーディンガーは1926年、電子などの物質を粒子であると同時に波でもあるとみなして、波動方程式を立てました。ボーアの理論では仮定にすぎなかったとびとびのエネルギーの値が、この方程式の形から決まるようになりました。
私たちの生活や社会とのつながり
授賞式では、波動方程式が原子や分子の性質を調べる簡単で便利な方法になったと紹介されました。一方で本人は、波と粒子の二重の記述と確率による解釈を好まず、ほかの有力な物理学者と論争になりました。生物学にも関心をもち、1944年に小さな本『生命とは何か』を書いています。
関連する受賞者・団体
- ポール・ディラック同じ賞の共同受賞
1933年の物理学賞をともに受けました。
- ジェームズ・ワトソン研究の継承
ワトソンは学生時代にシュレーディンガーの著書『生命とは何か』を読み、エイブリーの実験から遺伝子は分子だと確信して、その構造の解明をめざしたと紹介されています。
- ニールス・ボーア編集上の関連
ボーアの原子の理論では仮定にすぎなかったとびとびのエネルギーの値を、シュレーディンガーは波動方程式の形から導きました。
- ヴェルナー・ハイゼンベルク編集上の関連
ハイゼンベルクとシュレーディンガーの理論は出発点も考え方も違いましたが、両方で扱える問題では同じ結果を出しました。同じ問いに別の道から迫った2人です。
- マックス・デルブリュック編集上の関連
デルブリュックらが1935年に書いた突然変異の論文は、シュレーディンガーの小さな本『生命とは何か』で広く紹介されました。デルブリュックの公式の略歴は、この本での論文の紹介が1940年代後半の分子生物学の発展に強い影響を与えたと記しています。
「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。
次に読むためのキーワード
出典と確認日
- NobelPrize.org 受賞者ページ(Erwin Schrödinger)
- 1933年 ノーベル物理学賞(NobelPrize.org)
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1962 - Perspectives: What is life?
- Erwin Schrödinger – Facts - NobelPrize.org
- Erwin Schrödinger – Biographical - NobelPrize.org
- The Nobel Prize in Physics 1933 - Award ceremony speech - NobelPrize.org
受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。