個人

北川進

Susumu Kitagawa

1951年生まれ

  • 2025年 化学賞

何をした人か

金属イオンと有機分子を組み合わせ、内部にたくさんの小部屋をもつ結晶「金属有機構造体(MOF)」を発展させた京都大学の化学者です。

受賞理由のやさしい要約

2025年 化学賞(賞の1/3)

金属有機構造体の開発が評価されました。1989年に先駆けとなる試みをしたリチャード・ロブソン、とても安定なMOFをつくったオマー・ヤギーとの3人での受賞です。ロブソンの構造は不安定で壊れやすかったのに対し、北川とヤギーは1992年から2003年にかけて、それぞれ別々にこの作り方にしっかりした土台を与えました。

同じ年・部門の共同受賞:Richard Robson(未収録)、オマー・ヤギー

公式の受賞理由(英語)
for the development of metal–organic frameworks

何が新しかったか

1990年代、北川は気体が構造の中を出入りできることを示しました。1998年には、ふつうは硬いゼオライトのような多孔質材料と違い、MOFは柔らかい材料にできると提案しました。のちに北川自身が、水やメタンを入れると形が変わり、抜くと元に戻る、呼吸する肺のような柔軟な材料をつくりました。

私たちの生活や社会とのつながり

北川は学生時代に湯川秀樹の本を読み、すぐに役立たないものもいずれ価値をもちうるという「無用の用」の考えを大切にしてきました。研究費の申請が何度も退けられた時期もありました。受賞発表は、MOFの使い道として、砂漠の空気からの水の回収や二酸化炭素の回収、有害なガスの貯蔵などを挙げています。

関連する受賞者・団体

  • オマー・ヤギー同じ賞の共同受賞

    2025年の化学賞をともに受けました。

  • 湯川秀樹編集上の関連

    北川は学生時代に湯川秀樹の本を読み、そこで紹介されていた古代中国の思想家・荘子の考えから、「無用の用」を研究の指針にしてきました。

  • チャールズ・ペダーセン編集上の関連

    ペダーセンのクラウンエーテルは輪の穴の大きさに合う金属イオンを取り込み、北川進らの金属有機構造体(MOF)は結晶の中の大きな空間に気体などを出し入れできます。分子の「すき間」に別の物質を収める化学を、時代を隔てて見比べられる組み合わせです。

「編集上の関連」は、同じ問いを別の角度から考える組み合わせとして編集部が選んだもので、実際の協働や影響関係を示すものではありません。

次に読むためのキーワード

出典と確認日

  1. NobelPrize.org 受賞者ページ(Susumu Kitagawa)
  2. 2025年 ノーベル化学賞(NobelPrize.org)
  3. Susumu Kitagawa – Facts – 2025 - NobelPrize.org
  4. Press release: Nobel Prize in Chemistry 2025 - NobelPrize.org
  5. Nobel Prize in Chemistry 2025 - Popular information - NobelPrize.org

受賞年・部門・英語の受賞理由は NobelPrize.org API の公開データ(2026-10-25取得)です。日本語の解説は編集部による要約で、記述の確認に使った資料を上に掲げています(確認日 2026-10-22)。[根拠]の番号は、医療や評価の分かれる記述について、この一覧の資料を示します。

主な受賞者・団体を選んで掲載しています。全受賞者の網羅ではありません。 Neutrope Biz が制作する独立した学習コンテンツです。ノーベル財団・NobelPrize.org の公式サイトや公認の企画ではありません。